2010年11月19日金曜日

書かない子をどうサポートするか (3)

10月8日10月22日に続いての3回目です。

⑨(教室ないし学校の)外に出て、自分が興味・関心が持てる題材をリストアップする。
作家・詩人・ノンフィクションライター・ジャーナリストたちは、観察することからスタートします。好奇心をもって、普通の人が見逃してしまうようなことに注意をして、書く題材を集めています。何の変哲もない日常に起こっていることが、見方を変えるととてもおもしろいことになります!!
私自身、俳句(というよりは川柳のレベル)や詩を書き始めてまだ2ヶ月経たないのですが、外に出た時の方が部屋の中にいるときよりも、いろいろなことが思い浮かびます。「書くことは五感が大切なんだ」ということに、改めて気づかせてくれています。

⑩ フリー・ライティング★
滑らかに、スムースに書けるようにするための練習です。
書けない子たちは、まだぎこちない状態にあります。「自分は書けるんだ」というイメージがまだないからでしょう。それを崩すためにも、スムースに書けているイメージを自分のものにすることが大切です。
最初は、5分から。徐々に伸ばしていき、ゆくゆくは30分ぐらい書けるようにします。

フリー・ライティングをする際に
◆ すること
・ リラックスする。
・ とにかく書く。止まらない。
・ なんでも頭に浮かんだことを。
・ 書いたことを共有したいかどうかは、個々人の判断。
◆ してはいけないこと
・ 考える。(→筆=鉛筆に考えさせる!)
・ 計画したり、自分を批判する。
・ 修正する。
・ 言語事項や文法や漢字の間違い等は考える。
・ 誰かに邪魔される。(→気が散らない環境に自分をおくことの大切さ)
・ 止まって考える。

とにかく「止まらない」のがポイントです。書くことが浮かばない時は、「書くことがない」や「わからない」や「浮かばない」や「......」などを繰り返し書き続けます。

同じ方法だけでやり続けないで、バリエーションも大事です。たとえば、
・ 通常のやり方で、テーマをいろいろ変える。
・ 教室や学校の外に出てやってみる。
・ 体験したことについて、共通のテーマで書く。

多様な作品(というよりは、下書き)がたくさんできてくるので刺激になります。「こんなんでいいんだ!」という感覚を持ってもらうことが、フリー・ライティングの目的です。

ちなみに、⑨と⑩は書ける子や書ける大人も使っている方法です。

★ これは、Peter Elbowという人が、彼これ40年ぐらい前に開発した方法です。
なお、フリー・ライティングもWWも、筆に語らせるアプローチを大切にしています。私たちが作文や小論文等で習ったのは、題材が決まったら、次の段階で「構想を練る」ことでしたが、フリー・ライティングやWWではそれをしません。書くことがあらかじめ決まっていては、書く最中になんの発見もないからです。ある意味では、書くことがすでに決まっていることを単に書き出すだけ、というのは書くことを億劫にする要因にもなります。WWの「下書き」やフリー・ライティングでは、書きながら自分の頭の中からどんなことが浮かび出してくるのかを楽しみながら書きます。もし、書いた内容が気に入って、「出版」までもっていきたいと判断した時は、「修正」の段階で、読み手にわかりやすいように再構成すればいいわけですし、「校正」することで読み手に読みやすい文章にすればいいわけですから。
フリー・ライティングが紹介された本は、『Writing Without Teachers』と『Writing With Power』の2冊です。(http://www.geocities.jp/deepbreathinghp/freewriting.htmを参照)

1 件のコメント:

  1.  いまだに、彼の方法論が日本で紹介されていないということは、いったいどういうことなのか! と思ってしまいます。

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