本書は、『The Best Class You Never Taught(あなたがこれまでに教えたことのない)最高の授業』の全訳です。
この本は、ライティング・ワークショップ(WW)やリーディング・ワークショップ(RW)ととても相性のいい本です。
国語は基本的に、「読む、書く、聞く、話す」で構成されています。WWとRWでは、「書く」と「読む」に焦点を当てながらも、ピア・カンファランス、共有の時間、ブッククラブ、作家クラブなどで、十分すぎるぐらいに「聞く、話す」の練習をしていますが、それでは足りないという方に最適です。というか、もっと聞く、話すに積極的に取り組みたいという方に。(ある意味では、聞く・話すワークショップの実現と言えるかもしれません!)
この本の存在を知ったのは、去年の10月でした。翻訳企画として、確かその月のうちには決まり、11~12月と翻訳し、1~2月とは数人の協力者に下訳を読んでフィードバックをもらい、3月には最終原稿にしたという流れで、かなり超特急で出版にこぎつけました。(それほど、価値ある本と判断したわけです!)
12月には、ある先生から「授業の話し合い活動で苦労をしているので、何かいい方法はありませんか?」と尋ねられ、これ以上のものはないので紹介したところ、彼女と同僚たちは、1月から早速取り組み始めました。(なので、すでに日本でも実践可能であることは証明済みです。それどころか、極めてパワフルであることが証明されています。訳者あとがきに、この学校での実践例が詳しく紹介されています。)
必要なのは、下のようなルーブリックと、紙と鉛筆(これで、クモの巣図を描きます!)と、生徒たちが話し合うテーマ(ないし本や動画など)だけです。あとは、生徒たちにお任せ! かえつ有明中学校で使ったルーブリックは、次の通りです。
そして、実際にその話し合いを描き出したクモの巣図は、次の通りです。
練習を繰り返すと、本物のクモの巣のようにきれいな形になっていくから不思議です。
かえつ有明中学校では、スパイダー討論を観察してクモの巣図を描く役割を最初から「エキスパート」という名称の生徒2人に任せています。教師がしてしまうのではなく、生徒にあえてさせるという発想がスゴイと思いました!(これによって、人数の多いクラスでも、2つや3つに分かれて全員が参加できることになります。教師が観察役を担っていては、2~3つに分かれて当時に話し合いをさせることは不可能です。)
事前に提示した時間までは、ひたすら話し合います。その後は上記のクモの巣図なども参考にしながら、自分たちでやり取りの評価をつけます。
もちろん、最初からAやBは取れません。そういう体験をしたことがありませんから。(ちなみに、教員を含めた大人たちも無理です!!)初めてスパイダー討論をするときは、DかよくてもCです。しかし、必ず徐々に良くなります。それは、本書の中に繰り返し「書くことを教える場合と同じように、長い期間にわたって行う練習とフィードバックによってプロセスを磨くことが大切」と書いてあるように、繰り返し行うことによって実現します。
その過程で、生徒たちは多くのことを学び、そして身につけます。もちろん、設定したテーマ等についても学びます。(その様子が、https://www.youtube.com/watch?v=goFqrpQA4j4&feature=youtu.be
で見られますので、ぜひご覧ください。)
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