これは、「作家の時間(WW)」や「読書家の時間(RW)」の時だけでなく、「数学者の時間」でも大きなネックになっていることが連休中のミーティングで明らかになりました。
あなたは、1時間の授業で何人ぐらいの生徒と顔を合わせてやり取りができれば「よし」としますか?
もちろん、たくさんの数がこなせても、質が伴っていなければ、あまり意味はありません。
それでは、量と質の両方を伴ったカンファランスとはどういう状態のことを言うのでしょうか?
Conferring
with Young Writers, by Ackerman & McDonough(Stenhouse)に書かれていることを参考にしながら、紹介していきます。
カンファランスを、一人ひとりの生徒をいかす時間です。(『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』には、WWやRWはそのための方法として紹介されていませんが、「究極」の一人ひとりの生徒をいかす方法と言えます!!)クラス全体への教師の指導を聞いて、分かった気にさせてしまうのではなく、カンファランスは「あなたの強みは何で、さらによくなるためには何ができる」かを具体的に教師が生徒に語れる教え方です。
それができるためには、教師と一人ひとりの生徒との信頼関係がベースになければなりません。
その上で、この本では、3つの大切なことが紹介されています。それは、①頻度、②焦点、そして③フォローアップです。そのいずれかが欠けていても、カンファランスは成功したとは言えないという、スタンスを取っています。
①
どうしたら、より頻繁に一人ひとりの生徒とカンファランスができるか?
鍵は、教室運営にあると言います。何よりも、教師に指図されなくても、生徒たちが自分の判断で動ける教室をつくり上げることに。要するに、誰もが知っているWWやRWのローティンが大切だということです。それと同じレベルで、生徒たちに選択が提供されていること、物の配置が分かっていること、そしてパートナー(クラスメイト)と助け合える状態になっていることが。
WWやRWの時間には、自分たちは「こういうふうに行動すること」が当たり前だという「規範」★ができあがっている状態にするわけです。
②
何を教えることが一つひとつの作品ではなく、書き手を育てるのか?
この本では、題材集め、構成、言語事項、焦点、主張(書き手の声)、入念に作り上げること(読み手が映像として描けられるものを提供すること)の6つの焦点を当てています。これら6つはジャンルに関係なく大切なものだからです。
③
子どもたちが使いこなせるようにするにはどうしたらいいか?
フォローアップ抜きでは、なかなかそうなりません。そのためには、繰り返しの練習が必要で、それに対してその都度の教師の介入というよりは、励ましが必要であることを意味します。
フォローアップの具体的な方法としては、形成的評価、ガイド書き(似た課題を抱えている子どもたちを集めての指導)、メンター・テキストの利用、作家の椅子での発表、そしてその他多様な共有の仕方(http://wwletter.blogspot.jp/2018/04/blog-post_13.html)などが柱になります。
①~③を通して、量と質の両方を伴ったカンファランスが実現されると主張されています。これが、RWの場合はどうか? 数学者の時間ではどうか? 科学者の時間ではどうか? 市民/歴史家の時間ではどうか? を考える必要があります。
★ この大事な規範については、今月末に出る『最高の授業 ~ スパイダー討論が授業を変える』アレキシス・ウィギンズ著、新評論が参考になります!
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