2012年12月29日土曜日

短時間(5分?)で2012年のハイライト?をさがす

 金曜日更新のRWWW便りですが、1日遅れてしまいました。申し訳ありません。

 前回のRWWW便りは、今年のおススメの本についてでした。さっそく、前回のRWWW便りを読んで、紹介されていた本から読みたくなった本を注文しました。また、すでに読んだ本もあったので、それについては一言書きたくなったりしています。
 
 読んだ本を振り返ってそれを共有することからも、今後につながる何かが生み出されると思いました。ですから、まだコメント欄に書き込めていませんが、私のおススメ本も、近いうちに書き込みたいです。

  読んだ本の振り返り(の共有)以外にも、今後のRWWWにつながりそうな振り返りを短時間(5分?)でしてみて、友人なり、同僚なり、このブログなりに発信してみませんか?
 
 例えば、教師がモデルのRWWWですから、この1年の自分を読み手、書き手として振り返って、そのハイライト(発見? 成長? その他何でも気づいたこと、特記事項?)はいかがでしょうか? 

 (私は読み手としては、詩からさらに世界が広がったことでしょうか。書き手としては、なかなか筆が進まない原稿について、定期的に書く時間を取ることの大切さを実感しつつ、今、ひとつ苦戦中のものを抱えながら、毎日、定期的にそれに向かおうとしています)。

あるいはミニ・レッスン、カンファランス、共有の時間などで、新たな発見は? それらを通しての子どもの発見は?

 (私はカンファランスで、学習者のびっくりするような英語の読み方を発見。ちょっと想定外で、どうやって教えようかと考えてしまいました。今回は、その学習者とは、個人的に時間をかけて話すこともできたので、ブック・プロジェクトで読み方について取り組む方向にしてみました。でも、今回のように、一人に多くの時間をかけることは通常は難しいので、今後の課題です)。

 2012年の年末、5分立ち止まって、RWWWの視点からも、この1年のハイライト?をさがし、それを誰かに発信することで、そこから新しい何かが生まれるような気がします。

2012年12月21日金曜日

今年のオススメの本は?


 あなたが今年読み・書き関連で読んだオススメの本は何ですか?
 また、フィクションとノンフィクションで、おすすめの本は?(主に、小~高の生徒たちを対象に設定して)

 ぜひ、あなたのオススメを教えて(下のコメント欄に書きこんで)ください

 私のは、以下の通りです。

○読み・書き

○フィクション
     『わたしの生まれた部屋』ポール・フライシュマン
     『風をつむぐ少年』ポール・フライシュマン

○ノンフィクション
     『赤いクリップで家を手に入れた男』カイル・マクドナルド
     『1421』ギャヴィン・メンジーズ
     『ハチはなぜ大量死したのか』ローワン・ジェイブセン
     『主語を抹殺した男』金谷武洋
     宮本常一の本

(そして、乙骨淑子の本~全8巻を年始にかけて読む予定ですでにそろえてあります。まだ第1巻と第2巻しか読んでいませんが、どちらもすごい=ウ~ンとうならせられる内容です!)

なお、日本語で読める本のみをリストアップしました。
 特に読み・書き関連は、残念ながら圧倒的に英語が主なので、ほとんど紹介できるものがありませんでした。この分野(および教育全体)は、おもしろい英語の本と日本語の本の比率は依然として100対2か3の状態が続いています。いったい、これは何に起因していると思いますか?

2012年12月14日金曜日

ブック・プロジェクトは一石三鳥: 私の最近のブック・プロジェクト

  期せずしてですが、私は、最近、二つのブック・プロジェクトをしていたことに気付きました。

 今日はそのうちの一つを紹介します。

 一つは、1130日のRWWW便り紹介したLit2Goからフランシス・ホジソン バーネットのThe Secret Garden(『秘密の花園』という邦題で、複数の出版社から出版されています)を聞き終わったということです。

 私は今まで、いわゆるオーディオ・ブックというか、本の内容を聞いて理解するのは嫌いだと思っていました。ですから、続きを聞きたいと思い、隙間時間に少しずつ聞いて、結局最後まで聞いたことに、自分でもびっくりです。

 結果として、少なくとも3つのプラスがありました。

1)聞くことの価値を発見しました。読み聞かせてもらうことは楽しいだろうとも思いました。(読み聞かせだと、聞き手の反応を見ながら、読み手が読み方を調整してくれるでしょうから、さらに楽しいだろうと思います)。The Secret Gardenでは、方言の台詞がよく出てくるのですが、その部分は文字を見ているよりも、耳で聞くほうがずっと伝わるものが多かったように思います。

2)授業に応用できることもいくつか発見しましたし、聞くことをもっと取り入れていく必要も感じました。

 読むことと聞くことの違いにも、思いがいきました。今まで、聞くのが嫌いだと思っていた理由の一つは、聞くよりも読むほうが早いし、読む場合ですと、飛ばし読みをしたりなど、読み方も自由に変えられるからです。

 ところが、Lit2Goのページは、画面上で読もうと思うと、けっこう細かい字で目も疲れてしまい、それで、聞いてみようと思ったのがきっかけでした。

 引き続き、読むことと聞くことの違いを考えつつ、RWの中では、いつ、どんなふうに取り入れるとプラスなのかも考え続けたいと思いました。

(もちろん、それ以外にも、RWのクラスでは、自分のブック・プロジェクトとして今回の「聞くこと」も紹介して、こういう選択肢もあることも伝えられます)。

3)もちろん、話も面白かったです(2回、聞きたいとは思いませんが)。

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 今回は、計画して取り組んだブック・プロジェクトではありませんでしたが、ブック・プロジェクトはやはり得るものが大きい気がします。

 子どもたちの中にも、実は気付かずにブック・プロジェクトをしている子どももいるようにも思います。

 「計画はしなかったけど、実は実施していたブック・プロジェクト」を考えてみるのも、面白いかもしれません。

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2012年12月7日金曜日

ブッククラブの歴史


 いまブッククラブの本の最終校正をしているところなのですが、以下は本には書けなかったことです。原稿を書き終わってから、見つけた情報(本)です。

『新・本とつきあう法』(津野海太郎著、中公新書)の163ページに、アメリカ建国の父の一人といわれるベンジャミン・フランクリンが「1731年、当時はまだ20代で、友人たちの蔵書を一か所にあつめて私的な読書クラブを組織した」★のがアメリカにおける公共図書館のはじまりと書いてありました。ちなみに、このベンジャミン・フランクリンはアメリカ史上でもっとも面白い人の一人です。
 『市民結社と民主主義』(ホフマン著、岩波書店)の28~29ページには、読書クラブは18世紀初めにイギリスで誕生したこと、ドイツで最初の読書協会は1760年に成立されたが、30年後の1790年には500以上に達していたことなどが書かれています。
 『江戸の読書会』(前田勉著、平凡社)の8~12ページには、色川大吉が明治の自由民権運動の時代は「学習熱の時代」であったことを指摘していたが、それは江戸時代、全国各地の藩校や私塾で行われていた会読という「定期的に集まって、複数の参加者があらかじめ決めておいた一冊のテキストを、討論しながら読み合う共同読書の方法」の遺産だとあります。
 そして、昨夜読んだ『世界を変えた6つの飲み物』(トム・スタンデージ著、インターシフト)には、「10世紀末の西ヨーロッパの最大の文化都市は、スペイン南部(アラブ・アンダルシア)のコルドバだった。970年ごろに完成した公共図書館には、50万冊近くもの書籍を所蔵していた。ヨーロッパのほとんどの国の蔵書よりも多い書籍数だ。しかも、この都市には図書館がほかに70もあったのである。★★10世紀のドイツの年代記編者ロスビータがコルドバのことを「世界の宝石」と証したのも不思議ではない」(103ページ)とあります。
 そういえば、すでにクレオパトラの時代にエジプトのアレキサンドリアには、(ローマ時代を通じてもっとも)立派な図書館があった記憶もあります。
 コルドバの図書館の中にあった本も、アレキサンドリアの図書館の中にあった本も、グーテンベルクの発明した(15世紀半ば)活版印刷のはるか前のことですから、書庫にあったのは「書き写し」の本でした。

 忘れるところでした。印刷技術はグーテンベルク以前に中国で発明されていたはずです。それは、活版ではなく木版でした。
 それで、中国の図書館事情はどんなものだったのか、とも思いました。

 以上、ブッククラブ関連の歴史的なことに目を向けておもしろいと思ったので、今回は実践からははずれたブッククラブおよび図書館関連情報でした。
ちなみに、書いているブッククラブの本は、いつものように実践的な内容です。
ブッククラブをすることで身につけられる(信じられないぐらい!)たくさんの力や態度についても詳しく解説しました。★★★


★ 当時、アメリカはまだイギリスから独立していなかったわけですが、その本国では、ブッククラブがすでに17世紀には行われていました。その目的は、「仲間づくり、知的成長、自己改善」でした。(Good Books Lately, p.3
★★ 今の日本のどこかのマチよりもはるかにいいサービスを千年以上前に提供していたなんて!!!
★★★ それらのほとんどは、今の日本の「無政府」ならぬ「無政治」状態を改めるのに必要な力やスキルでもあります。