2020年11月27日金曜日

教育をハック(修繕)するための本から、国語の教え方をハックするヒントを得る

 日本の学校教育、たくさんのいい面をもちながら、同時に悪い面も併せもっています。前者は維持したり、さらに伸ばす必要がありますし、後者は修繕したり、場合によっては取り替えたりする必要があります。

 しかし、残念ながら、教師の多くはあまりにも忙しすぎて、そうしたことを自分の役割だと思っている人は、かなり少ない現状です。誰か他の人の責任だと思っています。しかし、残念ながらその「誰か他の人」はどこにもいません!

 新刊『「学校」をハックする』の内容と、ハックという言葉の詳しい説明については、http://projectbetterschool.blogspot.com/2020/11/blog-post_22.html を参照ください。

 ここでは、新刊と関連する「WW/RW便り」らしい内容を紹介します。

 それは、国語界のハッカーとしてのドナルド・グレイヴス氏の存在です。すでに彼のことについては、このブログで何回も紹介しています(このブログの左上に「グレイヴス」と入力して検索してみてください)。なんといっても、WWの父というか「創設者」ですから。

 彼は、1970年代に、当時アメリカに渦を巻いていた「書き方の教え方がいっこうに子どもたちを書き手にしていない」★という批判を乗り越えるための方法を考え始めました。彼が提案したのは、本物の作家や詩人やジャーナリストが使っているアプローチを取るというものでした。それは、作家のサイクルを回すこと(https://wwletter.blogspot.com/2012/01/blog-post_28.html)です。しかも、彼はこれまでの書く指導の中心的な存在だった教師による添削は、効果的でも効率的もないと見なし、それを生徒がまだ作品を書いている間に行うカンファランスに置き替えました。どんなにつたない文章でも、一度生徒が書き上げたと思って提出したものに、どれだけ教師の気持ちを込めて添削しても、それが生徒に届くことはほとんどないからです。しかし、まだ書いている途中なら、多くの生徒は聞く耳をもっています(より分かりやすい文章を書きたいと思っています)。同じ時間を費やすなら、はるかに効果的なほうに費やさないともったいないです。これが、大きなボタンの掛け違えの修正というか、ハックです。

本当の目的や読む対象を、書き手が自分で設定することも、大きなハックでした。日本の作文の多くはいまでも、教師が提示したテーマについて、締め切りまでに提出する形で行われているのではないでしょうか? また、読者はほとんど教師のみですから、誰も本気で書きたいと思えません。そこで、「何を誰に向けて書くかは、一人ひとりの書き手が決める」にしたのです。本物の作家や詩人やジャーナリストがしているように!(もちろん、彼らも依頼の作品や文章を書くことはありますが、そのときも目的と対象は明確です。)

こうした彼の書く指導のハックは、そのまま読む指導にも応用され、リーディング・ワークショップ(日本では、読書家の時間)が実践されるようになりました。(『「学校」をハックする』の中にも、学校のあちこちに図書コーナーを、というハックが含まれています。身近にいい本があれば、それだけ本に触れる機会が増え、読まれる確率(読むことに没頭する生徒)が増えるわけです。しかし、いかに立派な学校図書館を整備したところで、そこまでの歩数が多すぎると、わざわざ出かける人はすでに本好きな人に限定されてしまいます!

さらには、20年前くらいからは、書くことと読むことに限定されていたこのアプローチが、理科、算数・数学、そして社会科にも応用されるようになっています。科学者や数学者や市民・歴史家になることを通して学べばいいのですから! いま、それらの日本での実践を行っており、近々出版されますので、お楽しみに! 翻訳書は、『だれもが科学者になれる!』『教科書では学べない数学的思考』がすでに出ており、『Doing History(歴史をする)仮題』は来年2月か3月に出る予定です。

このように、グレイヴスの書く教え方にはじまったハックは、大きな広がりをもちつつあります。

現状に満足せず、より良い学びを生徒たちに提供するために、ハックし続けてください。『「学校」をハックする』は、その元気と具体的な方法をもらえる本です!


★ 日本でも同じころから同じ批判がずっとありますが、それを乗り越える方法はいっこうに出てきそうにありません。何が原因なのでしょうか? 一度やり始めたら、それをし続けるのがベストと多くの人が思っているからでしょうか(書く指導に関しては、作文であり、読む指導に関しては読解! WWRWと比較してしまうと、それらがまったく効果的ではなく、弊害すらあることが明らかになってしまうのに! それがまさに、ナンシー・アトウェルさんが作文と読解指導からWWRWに転換した理由であったことが『イン・ザ・ミドル』に詳しく書かれています)? ハック的な発想がないから? それとも、文科省などが教師は「これ(たとえば、教科書)をしていればいい」というものを出し過ぎるから(結果的に、教師と学校を思考停止に追い込み、自分たちこそが教育の担い手と思わせない!)?

 この不幸な現象は、もう50年以上続いています。日本人の極めてお粗末な読み・書き能力です。それを学校教育では得られないので、社会人を対象にした読み・書きの本が出続け、そして売れ続けますが、読む・書き能力の向上/改善はいっこうに見られません。本を読んだぐらいで、向上/改善するなら苦労はしません! WWRWの肝といえる「練習」と「適切なフィードバック(メンターや仲間から)」の存在なしには、ほとんど不可能だからです。この辺のテーマについては、来年早々に出版予定の『読む文化をハックする』と『学校図書館をハックする』でも触れられていますので、お楽しみに!

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2020年11月25日水曜日

教室の図書コーナーにおきたい本のリスト(10) 

 年明け早々に、『読む文化をハックする』(本のタイトルも決定!が出る予定です。


 最終回の10回目は、 短大生が高校生・大学生に勧めるブックリストです。
 リストを全部見たい方は、このブログで「book lists for classroom library」で検索するか、https://wwletter.blogspot.com/search?q=book+lists+for+classroom+ のURLで、全リストが見られます。

1 あなたのままで輝いて マザー・テレサが教えてくれたこと,片柳弘史,PHP研究所 2 アナと雪の女王,サラ・ネイサン,シーラ・ローマン,竹書房 3 あの夏を生きた君へ,水野ユーリ,スターツ出版 4 アリス殺し,小林泰三,東京創元社 5 いつか眠りにつく日,いぬじゅん,スターツ出版 6 カラフル,森絵都,文藝春秋 7 キミが、好きです~茜色の空の下~,二宮希望,スターツ出版 8 キリン,山田悠介,角川文庫 9 ケーキ王子の名推理,七月隆文,新潮文庫 10 コンビニたそがれ堂,村山早紀,ポプラ社 11 スマホを落としただけなのに,志駕晃,宝島社 12 そしてバトンは渡された,瀬尾まいこ,文藝春秋 13 そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常,早川文哉,徳間書店 14 ちょっと今から仕事やめてくる,北川恵美,メディアワークス文庫 15 ディズニー ありがとうの神様が教えてくれたこと,鎌田洋,SBクリエイティブ 16 できることならスティードで,加藤シゲアキ,朝日新聞出版 17 ドアD,山田悠介,幻冬社 18 ナミヤ雑貨店の奇蹟,東野圭吾,角川書店 19 ノーブルチルドレンの残酷,綾崎隼,メディアワークス文庫 20 はなちゃんのみそ汁,安武信吾・千恵・はな,文藝春秋 21 パラレルワールド・ラブストーリー,東野圭吾,講談社文庫 22 ハリー・ポッターと賢者の石,JKローリング,静山社 23 ぼくのメジャースプーン,辻村深月,講談社 24 ぼくは明日、昨日のきみとデートする,七月隆文,宝島社文庫 25 また、同じ夢を見ていた,住野よる,双葉社 26 ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日,ジョジョ・モイーズ,集英社 27 暗黒女子,秋吉理香子,双葉社 28 永遠という名の花,山本蓮,幻冬舎 29 塩の街,有川浩,角川文庫 30 塩狩峠,三浦綾子,新潮社 31 海の見える理髪店,荻原浩,集英社 32 海の上の診療所,高橋れい子,扶桑社 33 感染学校~死のウイルス~,西羽咲花月,スターツ出版 34 記憶屋,織守きょうや,角川書店 35 強運の持ち主,瀬尾まいこ,文藝春秋 36 桐島、部活やめるってよ,朝井リョウ,集英社 37 空飛ぶ広報室,有川浩,幻冬社 38 君の膵臓を食べたい,住野よる,双葉社 39 君は月夜に光輝く,佐野徹夜,角川文庫 40 犬と私の10の約束,さとうまきこ,ポプラ社 41 鍵のかかった部屋,貴志祐介,角川文庫 42 孤島の鬼,江戸川乱歩,東京創元社 43 交換ウソ日記,櫻いいよ,スターツ出版 44 告白,湊かなえ,双葉社 45 桜のような僕の恋人,宇山佳佑,集英社文庫 46 私は私のままで生きることにした,キム・スヒョン,ワニブックス 47 時をかけるゆとり,朝井リョウ,文藝春秋 48 時限病棟,知念美希人,実業之日本社 49 女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと,西原理恵子,角川書店 50 少女は卒業しない,朝井リョウ,集英社 51 植物図鑑,有川浩,角川書店 52 世界からボクが消えたなら,涌井学,小学館文庫 53 世界から猫が消えたなら,川村元気,マガジンハウス 54 青くて痛くて脆い,住野よる,角川書店 55 通学電車,みゆ,集英社 56 豆の上で眠る,湊かなえ,新潮社 57 謎解きはディナーのあとで,東川篤也,小学館文庫 58 虹色デイズ,樹島千草,集英社 59 博士の愛した数式,小川洋子,新潮社 60 変身,東野圭吾,講談社文庫 61 捧げ華,緋紗羅,角川書店 62 忘れないと誓ったぼくがいた,平山瑞穂,新潮社 63 万寿子さんの庭,黒野伸一,小学館文庫 64 夜のピクニック,恩田陸,新潮社 65 夜行,森見登美彦,小学館

                     リスト提供者/峰本義明

 

book lists for classroom library 

2020年11月23日月曜日

教室の図書コーナーにおきたい本のリスト(9)

 年明け早々に、『読む文化をハックする』(本のタイトルも決定!が出る予定です。


 9回目は、短大生たちが子どもに読み聞かせたい絵本リストです。 (リストは、全部で10回の連載です)
 リストの提供者の峰本先生は、学生たちにリーディング・ワークショップ的な授業をしています(生徒数とコマ数の制約で理想のRWは難しいので)。それが、これだけの多様な本のリストが学生たちから出される理由です。教師がいいと思った絵本を紹介したいとは思っていません(それよりも、学生たちにいい絵本をたくさん教えてもらいたいと思っているかもしれません!)。
 
1 14ひきのひっこし,いわむらかずお,童心社
2 3びきのくま,バスネツォフ(絵),おがさわら とよき(文),福音館書店
3 あかちゃん社長がやってきた,マーラ・フレイジー,講談社
4 あかりをけすと,こばやしゆかこ,学研プラス
5 あなたをずっとずっとあいしている,宮西達也,ポプラ社
6 アリからみると,桑原隆一,福音館書店
7 あれこれたまご,文:とりやまみゆき,絵:中の滋,かがくのとも絵本
8 あわてんぼ フンガくん,国松エリカ,小学館
9 いいからいいから2,長谷川義史,絵本館
10 いしゃがよい,さくらせかい,福音館書店
11 いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日,坂本義喜,講談社
12 いやだ あさまであそぶんだい,ヘレン・クーバー,アスラン書房
13 いるのいないの,京極夏彦,岩崎書店
14 いろいろおふろはいり隊!,穂高順也,教育画劇
15 いろいろばあ,新井洋行,えほんの社
16 うさぎのさとうくん,相野谷由起,小学館
17 うし,内田麟太郎,アリス館
18 うまれてきてくれてありがとう,にしもとよう,童心社
19 うみの100かいだてのいえ,いわいとしお,偕成社
20 おうさまがかえってくる100びょうまえ!,柏原佳世子,えほんの社
21 おかあさんのまほうのおうかん,かたおかけいこ 松成真理子,ひさかたチャイルド
22 おかねもちとくつやさん,ラ・フォンテーヌ,らくだ出版
23 おこだでませんように,くすのきしげのり,小学館
24 おじいちゃんがおばけになったわけ,キム・フォップス・オーカソン,あすなろ書房
25 おでかけのまえに,筒井頼子,福音館書店
26 おとうさんはパンやさん,作者:平田昌広 絵:鈴木まもる,佼成出版社 
27 おばけだじょ,tupera tupera (ツペラツペラ),学研プラス
28 おひめさまようちえん,のぶみ,えほんの社
29 おふとんかけて!,D・ハコエン&S・シャーシュミット,BL出版
30 おふろだいすき,林 明子,福音館書店
31 おもしろとうさん,さとうゆきこ,フレーベル館
32 おもちのきもち,かがくいひろし,講談社
33 おりょうりとうさん,さとうわきこ,フレーベル館 
34 おれはティラノサウルスだ,宮西達也作,ポプラ社
35 かあちゃんのせんたくキック,平田 昌広 絵:井上 洋介,文化出版局
36 かばんうりのガラゴ,島田ゆか,文溪堂
37 きみはほんとうにステキだね,宮西達也,ポプラ社
38 きょうはなんのひ?,瀬田貞二,福音館書店
39 くまさん くまさんなにみているの,ビル・マーチン,偕成社
40 グリーンマントのピーマンマン,さくら ともこ,岩崎書店
41 クリスマスにはおくりもの,五味太郎,絵本館
42 クリスマスのかね,レイモンド・M・オールデン,出版社
43 ぐるんぱのようちえん,西宮ミナミ 絵:堀内誠一,福音館書店
44 ゴリラのパンやさん,白井三香子,金の星社
45 こんとあき,林明子,福音館書店
46 しばわんこ 和のお道具箱,川浦良枝,白泉社
47 ジャーニー女の子とまほうのマーカー,アーロン・ベッカー,講談社
48 しろくまのパンツ,ツぺラツぺラ,ブロンズ新社
49 す~べりだい,鈴木のりたけ,製本所
50 せかいいっしゅうビックラリー,ヨッヘン・シュトゥーアマン,フレーベル館
51 せんをたどって,ローラ・ユンクヴィスト,講談社
52 そらの100かいだてのいえ,いわいとしお,偕成社
53 だいこん だんめん れんこん ざんねん,加古里子,福音館書店
54 だいすき。,アンドレ・ダーハン,学研教育出版
55 たべたのだあれ,五味太郎,文化出版局
56 たまごのえほん,いしかわこうじ,童心社
57 だるまさん,かがくい ひろし,ブロンズ新社
58 だんめんず,加古里子,福音館書店
59 ちいさなちいさなおんなのこ,フェリス・クラシロフスキー,福音館書店
60 ちいさなちいさなすてきなおうち,さかいさちえ,教育画劇
61 ちょっとだけ,瀧村有子,福音館書店
62 つるつる,正道かほる,童心社
63 ティモシーとサラのピクニック,芭蕉みどり,ポプラ社
64 でこちゃん,つちだのぶこ,PHP研究所
65 てのひ,瀧村 有子,PHP研究所
66 てをつなぐ,すずきまもる,金の星社
67 どしゃぶり,おーなり由子,講談社
68 どろんこハリー,ジーン・ジオン,福音館書店
69 どんぐりころちゃん,みなみじゅんこ,アリス館
70 どんなにきみがすきだか あててごらん,文:サム・マクブラットニィ 絵:アニタ・ジェラーム 訳:小川仁夫, 評論社
71 ないしょのともだち,ビバリー・ドナフリオ,ほるぷ出版
72 ないしょのゆきだるま,角野栄子,あかね書房
73 ニーナはおちびさん,ジャック・ケント 訳:中川けんぞう,好学社
74 ねえ,どれがいい?,ジョン・バーニンガム,評論社
75 ねこのおいしゃさん,ますだゆうこ文,そうえん社
76 ねずみくんとホットケーキ,なかえよしを,ポプラ社
77 ネズミのヒコーキ,たむらしげる,あかねピクチャーブックス
78 ねるじかん,鈴木のりたけ,アリス館
79 ノラネコぐんだんパンこうじょう,工藤ノリコ,白泉社
80 のりもの つみき,よねず ゆうすけ,講談社
81 のりものえほん,古川 正和,偕成社
82 はじめてのおつかい,筒井頼子,福音館書店
83 ハッピー・ハグ,オーイン・マクラフリン,あすなろ書房
84 バナーナ,藤本ともひこ,講談社
85 バナナじけん,高畠 那生,BL出版
86 ばばばあちゃんのクリスマスかざり,さとうわきこ,福音館書店
87 バムとケロのにちようび,島田ゆか,文溪堂
88 バムとケロのもりのこや,島田ゆか,文溪堂
89 はやくはやくっていわないで,益田エミリ,ミシマ社
90 はらぺこあおむし,エリック・カール,偕成社
91 はらぺこヘビくん,作・絵:みやにしたつや ,ポプラ社
92 パンダのリンダ,さかざきちはる,白泉社
93 パンやのくまさん,フィービとセルビ・ウォージントン作絵/まさきるりこ訳,福音館書店
94 ピーマンマンとかぜひキン,さくらともこ,岩崎書店
95 ピッツァぼうや,ウィリアム・スタイグ 訳:木坂涼,セーラー出版
96 ひもほうちょうもつかわない おりょうりブック,平野レミ,絵:和田唱・和田率,福音館書店
97 ふたりはともだち,アーノルド・ローベル,文化出版局
98 ぷちぷちまめこ,川北亮司,岩崎書店
99 へいわとせんそう,たにかわしゅんたろう,ブロンズ新社
100 ペンギンクルーズ,のはなはるか,くもん社
101 ぺんぎんたいそう,齋藤槙,福音館書店
102 ボクはじっとできない,バーバラ・エシャム,岩崎書店
103 ホットケーキできあがり!,エリック・カール,偕成社
104 まほうのコップ,長谷川摂子,福音館書店
105 まめまめくん,デヴィット・カリ,セバスチャン・ムーラン,ふしみ みさを,あすなろ書房
106 やったねカメレオンくん,ウェイニー・ハディシィ,児童図書館
107 ゆきのひのうさこちゃん,ディック・ブルーナ文絵/石井桃子訳,福音館書店
108 ライオンさんカレー,夏目尚吾,ひさかたチャイルド
109 ライオンをかくすには,ヘレン・スティーヴンズ さくまゆみこ訳,ブロンズ新社
110 ランドセルがやってきた,中川ひろたか,徳間書店
111 リコちゃんのおうち,さかいこまこ,偕成社
112 りんごがドスーン,多田ヒロシ,文研出版
113 ろくろっくび,せなけいこ,童心社
114 ワニのライルがやってきた,B・ウェーバー,大日本図書館
115 王さまと王さま,リンダ・ハーン(絵)とスターン・ナイランド(文)/アンドレア・ゲルマーと廣野豊(訳),ポット社
116 今日は何の日?,瀬田 貞二,福音館書店
117 天使のかいかた,なかがわちひろ,理論社
118 桃太郎が語る 桃太郎 僕は鬼がこわいいと思いました。,クゲユウジ 文 岡村優太 絵,高陵社書店
119 平野レミのおりょうりブック,和田唱・和田率,福音館書店
120 妖怪食堂,広瀬克也,絵本館

                     リスト提供者/峰本義明

 

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2020年11月21日土曜日

読んで、考えることで、生きやすくなる

 

『理解するってどういうこと?』の第6章「理解のルネサンス」には、子どもが読む本の「レベルの多様性」について、「目的に応じてさまざまレベルの本や文章を用いる」ことが大切だと書かれています。そこでエリンさんは「レベル分けされた本や文章」が「表面の認識方法に関するさまざまなスキルを発達させるのにきわめて有効」であると言いつつ、「ひたすら書いたり、読んだりする時間に、子どもたちにとって、難しいかもしれない本や文章」に子どもたちを取り組ませることも提案していて、子どもたちには特に後者を経験してほしいと言って、次のように書いています。 

「興味深くて、子どもたちの関心に応えるもので、刺激的なアイディアを示してくれる本で、子どもたちはさまざまな理解のための方法を使ったり、ブッククラブやその他の共有の形態を通じて他の子どもと話し合ったり、一番関心を持ったところをより深く読んだり、そして、深い認識方法(意味づけ、関連づけそして、優れた読み手・書き手になる)を練習したりできます。子どもたちはテーマやジャンルや文章構造についての背景となる知識をもてた場合には、むずかしい本でも読むことができるようになります。」(『理解するってどういうこと?』223ページ) 

 「興味深くて、子どもたちの関心に応えるもので、刺激的なアイディアを示してくれる本」に出会うことができれば、このようなすばらしいことが起こるのですが、子どもたちとそういう本との出会いのきっかけを使うことは結構むずかしいものです。「子どもの関心に応える」だけの「インタレスト」(桑原武夫『文学入門』岩波新書)や「刺激的なアイディア」のそなわった本が子どもの目に触れるようにしておかなければならないからです。

 岩波ジュニア新書編集部編『答えは本の中に隠れている』(岩波ジュニア新書、2019年)はそういう本を中学生や高校生の手元に届けようとする本です。 

「私は変わっていくことにどちらかというと臆病な人間でした。それでも、少しは変わることができました。また、少数派のままで変わらないでいいと思えるようにもなりました。変わることで、そして変わらないでいいこともあると思えるようになったことで、だいぶ生きやすくなりました。本のおかげです。皆さんにも本を読んでほしいと願います。読んですぐに大きな影響を与えてくれる本はほとんどありません。しかし、いろいろな本を読むことによって少しずつ何かが心の中に貯まってゆきます。現実を忘れ楽しい時間を過ごすだけでも違います。/本を読んでいるときは、現実と違う緩やかな時間がそこには流れていきます。その時間の流れは、私たちが成長するために必要な時間だと思います。」(『答えは本の中に隠れている』16~17ページ) 

と呼びかける、中学校教員の梅棹学さんの「読書コト始め」を皮切りに、梅棹さんを入れて12名の多彩な立場の書き手が、「生きることを楽しみたいとき」「ネガティブ思考に陥ったとき」「将来を考え始めたとき」それぞれに開いてみるといい本を取り上げながら、物語っていきます。とてもいい「読む」ブックトークのような内容で、巻末にはそれぞれの筆者の文章に出てくる本の「セレクトブックリスト」が付されています。

 終章の「本はともだち」と題された、『神様のカルテ』などを書いた作家で医師の夏川草介さんの文章には、新田次郎『聖職の碑』によって「読書で我を忘れるという初めての経験」が書かれていて、私もつい引き込まれしまいました。そして「高校生におすすめの本」として、夏目漱石の『三四郎』、川端康成の『古都』、三島由紀夫の『潮騒』が「読書の入り口」として紹介されたあと「次のハードル」としてドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、ヘルマン・ヘッセの『デミアン』、サン=テグジュベリの『夜間飛行』を挙げています。ずいぶん高い「入り口」や「ハードル」のように思われますが、夏川さんは「苦し紛れでも、意味が分からなくても、とりあえず読み終えてみれば、ふいにあとから見える世界が変わる瞬間があります。楽しいとか面白いとかいう単純な表現に収まらない。読書の魅力です」と言っています。

エリンさんが言っているように「さまざまな理解のための方法を使」い、「ブッククラブやその他の共有の形態を通じて他の子どもと話し合ったり、一番関心を持ったところをより深く読んだり」「深い認識方法(意味づけ、関連づけそして、優れた読み手・書き手になる)を練習したり」することで、「テーマやジャンルや文章構造についての背景となる知識」をもつことで、夏川さんの言う「ふいにあとから見える世界が変わる瞬間」が訪れることになるのでしょう。夏川さんも「知ること(知識)」「想うこと(想像力)」「語ること(言葉)」の三つが、読むことの効能だと言っています。そしてこの三つに加えて、一番大切なのは「考えること」だとも。確かに、夏川さんが挙げていた本はいずれも高校生にとって少し難しい本だと言えるかもしれませんが、エリンさんが、子どもたちにとって、難しいかもしれない本や文章に子どもたちを取り組ませるという提案をしていたのも、この「考えること」が子どもを成長させるからです。

『答えは本の中に隠れている』というタイトルは、テストの模範解答のようなものが本に抱えているという意味ではなくて、読んで「考える」ことによって「答え」が読者の頭の中にあらわれるという意味です。「考える」ことがなければ「隠れている」「答え」はあらわれないということです。そして「答え」が頭の中にあらわれたときに、梅棹学さんの言葉を借りれば、読者は「変わる」ことができ、「変わらないでいいこともある」と思うことができるようになり、「生きやすく」なるのです。

2020年11月18日水曜日

教室の図書コーナーにおきたい本のリスト(8)

 年明け早々に、本のタイトルも決定した『読む文化をハックする』が出る予定です。


 8回目は、唯一の高校の国語の先生からの教室に置きたい本のリストです。 「授業で紹介する本を中心に、本校でよく借りられる本をあげてみました」とのことです。  リストは、全部で10回の連載です)
 

芥川龍之介『羅生門・鼻』(新潮文庫)

芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫)

井筒俊彦『イスラーム文化 その根底にあるもの』(岩波文庫)

内田樹『寝ながら学べる構造主義』(文集新書)

小泉吉宏『まろ、ん?―大掴源氏物語』(幻冬舎)

小原秀雄『ゾウの歩んできた道』(岩波ジュニア新書)

司馬遼太郎『項羽と劉邦』(新潮文庫)

國分功一郎『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』 (幻冬舎新書)

太宰治『人間失格』(角川文庫)

高階秀爾『増補版 日本美術を見る眼 東と西との出会い』(岩波現代文庫)

高階秀爾『誰も知らない名画の見方』(小学館ビジュアル新書)

田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』(角川文庫)

寺山修司『家出のすすめ』(角川文庫)

外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫)

中島敦『李陵・山月記』(新潮文庫)

南木佳士『医学生』(文春文庫)

夏目漱石『こころ』(新潮文庫)

夏目漱石、エドウィン・マクラレン訳『Kokoro』(タトルクラシックス)

夏目漱石、近藤いね子訳『KOKORO』(国書刊行会)

夏目漱石『夢十夜・草枕』(集英社文庫)

波多野 誼余夫・稲垣 佳世子『知的好奇心』(中公新書)

林雄司『死ぬかと思った』(アスペクト文庫)

開一夫『赤ちゃんの不思議』(岩波新書)

フランツ・カフカ、中井正文訳『変身』(角川文庫)

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)

丸山真男『日本の思想』(岩波新書)

三島由紀夫『金閣寺』(新潮文庫)

見田宗介『社会学入門』(岩波新書)

宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)

紫式部、アーサー・ウェイリー訳、毬矢まりえ・森山 恵訳『源氏物語 A・ウェイリー版』(左右社)

村山斉『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎新書)

大和和紀『あさきゆめみし』(講談社漫画文庫)

横山光輝『史記』(小学館文庫)

                     リスト提供者/神部 智 

 

book lists for classroom library

2020年11月16日月曜日

教室の図書コーナーにおきたい本のリスト (7)

 年明け早々に、本のタイトルも決定した『読む文化をハックする』が出る予定です。


 7回目も前回に続いて、中学校の先生からの教室に置きたい中学生用の本のリストです。(リストは、全部で10回の連載です)


ぼくをさがしに シェル   シルヴァスタイン

大きな木 シェル   シルヴァスタイン

こうえんで 四つのお話し   アンソニーブラウン

いまいましい石   CV・オールズバーグ

ひとりひとりのやさしさ    ジャクリーン ウッドソン, E.B. ルイス他

風をつかまえたウィリアム    ウィリアム カムクワンバ, ブライアン ミーラー他

   

高校生科学オリンピックの青春 理系の子    ジュディ ダットン

 

ギヴァー 記憶を注ぐもの   ロイス・ローリー

十五少年漂流記   ヴェルヌ

13か月と13州と31日と満月の夜  &  チョコレート・アンダーグランド アレックス・シアラー

ペーパータウン  ジョン・グリーン

夏への扉   ロバート・A・ハインライン

赤毛のアン シリーズ  モンゴメリ

 

獣の奏者シリーズ(闘蛇編 ・ 王獣編 ・ 探求編 ・ 完結編)・鹿の王 上橋菜穂子

きみの友だち・その日の前に・とんび    重松清

バッテリー    あさのあつこ

西の魔女が死んだ    梨木香歩

ライオンのおやつ   小川糸

そしてバトンは渡された   瀬尾まいこ

「また,必ず会おう」とだれもが言った  喜多川泰

チョコレートコスモス ・ 蜜蜂と遠雷 ・夜のピクニック 恩田陸

舟を編む 三浦しおん

いちご同盟 三田誠広

かがみの孤城 辻村深月

 

こころ   夏目漱石

高瀬舟   森鴎外

蜘蛛の糸   芥川龍之介

人間失格  太宰治

 

14歳からの哲学 考えるための教科書 池田晶子

風の旅   星野富弘

詩の心を読む 茨木のり子

詩の楽しみ  吉野弘

歌合わせ 北村薫の百人一首

                     リスト提供者/居川あゆ子

 

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2020年11月13日金曜日

あなたの授業に、生徒たちは退屈していませんか?

 授業中に生徒が退屈する理由として、以下の四つがあると言われています。

  今やっている学習が無意味に感じられる。

  活動が抽象的で分かりにくく、同じことの繰り返しである。

  生徒が、今の環境に縛られていると感じている。

  生徒自身が主導権をもっていない。 (『退屈な授業をぶっ飛ばせ!』の10ページ)

 これらの一つでも当てはまってしまうと、「からだはそこにあっても、心はどこか別のところ」の状態になってしまいます★。

 『退屈な授業をぶっ飛ばせ!』の著者は、750名を超える高校の卒業生を調査しました。

「教師が新しい指導方法を採用することで、退屈な授業を面白いものにできる」という設問に賛成した生徒が九〇パーセント、授業がより面白ければ「かなり」あるいは「ある程度」やる気が出ると思うと答えた生徒が八〇パーセントであった。

ある研究者たちの調査によれば、六九パーセントの教員が、「生徒が興味を失っていること」が学校の問題であると答えている。しかし、別の研究者は、生徒が夢中になって学んでいない原因が退屈にあると考える教員は少ない、と指摘している。生徒が授業に退屈している原因は、怠けや不安、絶望といった生徒側の感情による、と多くの教師が考えているのだ。

私たちは、教え方が生徒の学びに強烈なインパクトを与えることを認識しなければならない。私たちが教えたいことではなく、生徒が今経験していることや、生徒にとってのニーズを考える必要があるということだ。(『退屈な授業をぶっ飛ばせ!』の37ページ)

 アメリカ国内を周り、熱中して深い学びを実現している教室の調査をしたハーバード大学大学院生のサーラ・ファインは、1980年代、90年代、2000年代初期における教育改革の前もほとんどの教室が同じ状況だったし、繰り返し実施された教育改革の後も何も変わっていない、と述べ、その理由を次のように考察しています。(同、11ページ)


~ 日本も常に教育改革が叫ばれていますが、何も変わらないのと同じですね!!

 

 また、この本には次のような刺激的な(=きわめて常識的な?)表も掲載されています。


 あなたの授業は、すべてのタイプの生徒が☆ないし◎で学べる教え方ですか?

 それとも、対象となる生徒によって、△や×になってしまう教え方ですか?

 もし、◯や△や×と自己診断された方には、『退屈な授業をぶっ飛ばせ!』は特におすすめです。(下の①~⑤をあまり聞いたことがないという方にも、おすすめです。)

 残念ながら、この本では一切ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップは紹介されていませんが、①ストーリーテリング、②PBL(プロブレム学習★★)、③シミュレーション(ロールプレイ)、④コンテスト、⑤本物の課題 の、まだ日本ではほとんど知られていない方法を授業でどう使うかが詳しく紹介されています。(原書には、もう一つ話し合い/ディベートが紹介されていましたが、ページ数が多くなりすぎる=本の値段が高くなってしまうことと、来年の夏前には、そのテーマだけで1冊の本を出す計画がありますので、含めませんでした。)


◆本ブログ読者への割引情報◆

  http://projectbetterschool.blogspot.com/2020/11/blog-post.html

 

★教科書をカバーする授業は、かなりの部分退屈を生徒たちに約束することがわかります。教科書をカバーする授業ないし指導案どおりの授業で、4つを乗り越えることは極めて難しいですから。(なにせ、教師すら主導権をもっていないのですから、生徒がもてるわけがありません! そこにいくと、各自が自分の読む本を選ぶリーディング・ワークショップ(読書家の時間)は、これら4つを解放してくれるだけでなく、楽しめるというか、打ち込める時間を提供してくれることが理解していただけると思います。) 教科書からの脱皮を図りたい方は、『教科書をハックする』や『教育のプロがすすめる選択する学び』を参考にしてください。

★★PBLには、プロブレム学習とプロジェクト学習の2つがあります。前者については、『PBL ― 学びの可能性をひらく授業づくり』があります。後者については、『プロジェクト学習の教え方(仮題)』を現在翻訳中です。

 

2020年11月11日水曜日

教室の図書コーナーにおきたい本のリスト (6)

 年明け早々に、『読む文化をハックする』が出る予定です。

 6回目も前回に続いて、中学校の先生からの教室に置きたい中学生用の本のリストです。(リストは、全部で10回の連載です)


有川浩『空飛ぶ広報室』幻冬舎
有川浩『図書館革命』メディアワークス
有川浩『図書館戦争』アスキー・メディアワークス
東野圭吾『ガリレオの苦悩』文春文庫
谷瑞恵『思い出のとき修理します』
角川文庫編修部編『きみが見つける物語 恋愛編』角川文庫
角川文庫編修部編『きみが見つける物語 休日編』角川文庫
三崎亜記『となり町戦争』集英社文庫
河合隼雄『こころの処方箋』新潮文庫
山口幸三郎『探偵・日暮旅人の捜し物』メディアワークス文庫
梨木香歩『西の魔女が死んだ』新潮文庫
畠中恵『しゃばけ』新潮文庫
野矢茂樹・植田真『はじめて考えるときのように』PHP文庫
宮部みゆき『ステップファザー・ステップ』講談社文庫
荻原浩『愛しの座敷わらし上・下』朝日文庫
谷川俊太郎『二十億光年の孤独』集英社文庫
細田守『化け物の子』角川文庫
ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード 上・下』角川文庫
東野圭吾『容疑者Xの献身』文春文庫
あさのあつこ『バッテリー』角川文庫
ルイス・キャロル/柳瀬尚紀『不思議の国のアリス』 
有川浩『三匹のおっさん』文春文庫
齋藤孝『使える!『徒然草』』PHP新書
メアリー・スチュアート『メアリと魔女の花』角川文庫
大隈清治『クジラは昔 陸を歩いていた』PHP文庫
太田忠司『目白台サイドキック 女神の手は白い』角川文庫
外山滋比古『文章を書くヒント』PHP文庫
松岡圭祐『万能鑑定士Qの謎解き』角川文庫
赤川次郎『三毛猫ホームズの降霊会』光文社
山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』光文社新書
ノートン/林容吉『床下の小人たち』岩波少年文庫
鎌田洋『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』
鎌田洋『ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと』
スペンサー・ジョンソン『チーズはどこに消えた?」扶桑社
ローレン・ワイズバーガー/佐竹史子『プラダを着た悪魔』
江國香織『号泣する準備はできていた』新潮社
白岩玄『野ブタ。をプロデュース』河出書房新社
夏川草介『神様のカルテ』小学館
夏川草介『神様のカルテ2』小学館
市川拓司『いま、会いにゆきます』小学館

川口晴『犬と私の10の約束』文藝春秋
東川敦哉『謎解きはディナーのあとで』小学館
東川敦哉『謎解きはディナーのあとで2』小学館
都田佳代子『世界がもし100人の村だったら たべもの編』マガジンハウス
辻井南青紀『小説』講談社
妹尾河童『少年H 上巻』講談社
妹尾河童『少年H 下巻』講談社
あさのあつこ『ラスト・イニング』角川書房
堀辰雄『風立ちぬ』金の星社
石田衣良『約束』角川書店
小川洋子『博士の愛した数式』新潮社
相田みつを『おかげさん』ダイヤモンド社
秋山仁『コンビニで数学しよう』
ジャン・ジオノ、フレデリック・バック/寺岡襄『木を植えた男』あすなろ書房
マージェリィ・W・ビアンコ/酒井駒子『ビロードのうさぎ』ブロンズ新社
なかむらみつる『やさしいあくま』幻冬舎
松谷みよ子、味戸ケイコ『わたしのいもうと』偕成社
キム・フォップス・オーカソン、エヴァ・ エリクソン/菱木晃子『おじいちゃんがおばけになったわけ』あすなろ書房

                     リスト提供者/小笹由花

 

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2020年11月9日月曜日

教室の図書コーナーにおきたい本のリスト(5)

 年明け早々に、『(学校の)読む文化をハックする(仮題)』が出る予定です。

 5回目は、中学校の先生からの教室に置きたい中学生用の本のリスです。(リストは、全部で10回の連載です)
 (すでに紹介してきた小学生用のリストや、今後も紹介する中高生用のリスト、そして短大の学生たちによるリストから、校種や年齢にはあまり関係ないことが分かると思います。大切なのは、好み(興味関心)、これまでの経験やもっている知識、読むレベルやスピード等すべてが違う生徒一人ひとりにあった本であって、学年や校種で読ませたい推薦図書があるわけではありません!! それが、教科書教材が機能しない理由です!)

書名

著者名

出版社

数か所コメントつけてあります。

【絵本】

アウシュビッツの子どもたち

青木進々

グリンピース出版会

問いが印象的、比較

オオカミおばさん食べちゃだめ

シェーン・ロディ

比較、関連、是非を問う

おじいちゃんがおばけになったわけ

キム・フォップスオカーソン

あすなろ書房

問い、関連、推測

サウスポー

ジュディス・ヴィオースト

文渓堂

問い、関連、推測

セミ

ショーン・タン

河出書房新社

問い、関連、推測

そらいろ男爵

ジル・ボム

主婦の友社

問い、推測

だいじょうぶだよ、ゾウさん

ローレンス・ブルギニョン

文渓堂

象徴、問い、推測

ハリス・バーディックの謎

CV・オールズバーグ

河出書房新社

物語を作る

パリのおばあさんの物語

スージー・モルゲンステルヌ

千倉書房

比較、関連、推測

フリードリヒばあさん

ハインツ・ヤーニッシュ

光村教育図書

問い、推測

ほしをめざして

ピーター・レイノルズ

岩崎書店

問い、推測、比較

ぼくはにんげん おもいやりってだいじだね

スーザン・ヴェルデ

新評論

問い、推測、比較

ヤクーバとライオン 信頼

ティエリー・デデュー

講談社

問い、推測

ヤクーバとライオン 勇気

ティエリー・デデュー

講談社

問い、推測

西風号の遭難

CV・オールズバーグ

河出書房新社

問い、推測、比較

島 よくある物語

アルミン・グレーダー

飛鳥新社

問い、推測、比較

アップルムース

クラース・フェルプランゲ

朝日学生新聞社

問い、推測、比較、関連

【生徒のレターエッセイ等からよさそうと判断した本】

あのころはフリードリヒがいた

ハンス・ペーター・リヒター

岩波文庫

小説

比較、問い、推測

ある晴れた夏の朝

小手鞠るい

偕成社

小説

比較、問い、関連

このあとどうしちゃおう

ヨシタケシンスケ

ブロンズ新社

比較、問い、推測

ブラック校則

此元和津也

小学館文庫

ルポ

比較、問い

夏と花火と私の死体

乙一

集英社

小説

比較、違う視点

君の膵臓を食べたい

住野よる

双葉文庫

小説

問い、比較、関連

よるのばけもの

住野よる

双葉文庫

小説

比較、問い、関連

部長会議はじまります

吉野万理子

朝日学生新聞社

小説

関連、比較

僕は上手にしゃべれない

椎野直弥

teen's best selections

小説

比較、推測

Iの悲劇

米澤穂信

文芸春秋

小説

比較、推測、関連

檸檬のころ

豊島ミホ

幻冬舎

小説

関連、比較、推測

【漫画なんですが・・・私のおすすめ】

僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。

各務展生

学研プラス

漫画

問い、比較、関連

追加です

ブラックドッグ

レーヴィピンフィールド

光村教育図書

問い、推測、ちがう見方

ピートのスケートレース

ルイーズ・ボーデン

福音館書店

推測、問い、関連

ふしぎなともだち

サイモン・ジェームス

評論社

推測、問い、関連

むしの本

エドワード・ゴーリー

河出書房新社

推測、関連

ぼくは建築家ヤングフランク

フランク・ビバ

西村書店

比較、推測、問い

ざしきわらし

京極夏彦

汐文社

推測、問い


                   リスト提供者/佐藤可奈子

 

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