生徒たちは学校で(そして、家でも)たくさんのテキストを読みます(読まされます)。国語に限らず、よく読めるか、そうでないかの違いは、メタ認知が使えるか否かだとというのです。
メタ認知を、「自分が読んでいるテキストに関して、読み手として自分の中で行っている対話」を定義しています。(これって、いままでのメタ認知の定義で一番分かりやすいかも!)このスキルを使える読み手は、自分が読んでいるものを深く読め、自分なりの意味をつくり出せるので、読むことを楽しめるわけです。逆に身につけていない読み手は、うまく解釈/理解できないので、楽しめません。(その結果、「僕は読むのが好きじゃない/嫌いだ!」となる可能性が大になります。)
私自身が、メタ認知に興味をもつようになったのは『「考える力」はこうしてつける』(ジェニ・ウィルソン他著、新評論)に出合った1997年ごろでした。本の内容を一つの図で表すと、以下のようになります。
この図の各項目が、本の内容そのものです。興味をもてた方は、ぜひご一読を。ジャーナルは、あえて日本語にして「学習日誌」と訳していました。
上記の記事の執筆者たちも『「考える力」はこうしてつける』の執筆者たちも、振り返りやメタ認知は、教えられれば/練習さえすれば、誰でも身につけられる、と言います。(あなたは、生徒たちに教えて/練習の機会を提供していますか?
具体的なその中身は、『「読む力」はこうしてつける』で紹介している
①
自分や身の周りにあることや世界とのつながりを見いだせる。
②
イメージを描き出せる。
③
疑問や質問を出せる。
④
行間を読める(文字としては書いていないが、作者が言いたいポイント。推測できる)。
⑤
何は大切な(覚えておく必要がある)情報で、何はそうでないかの判断ができる。
⑥
様々な情報を整理・統合して、自分なりの解釈や活かし方を考えられる。
⑦ 自分の理解を修正しながら読むことができる。必要があれば、読み直すことをい とわない。
の7つです。(これは、本の「まえがき」に書いたように、考えるときはいつでも使っているものばかりです! そして、これらの教え方を丁寧に紹介しています!)
この記事で他に紹介している方法には、⑧読み始める前に自問自答できることと、⑨分析的/クリティカルな視点の2つがあります。
⑧ 読み始める前に自問自答できること
・表紙、タイトル、イラストなどを見ながら、本やテキストがどんな内容かをイメージする。
・これを読む目的は何か? この本/テキストから学びたいことは何か?
・このテーマについて知りたいことは何か?
・このテーマについてすでに知っていることは何か?
⑨ 分析的、クリティカルな視点 ~ 主には、読み終わった後に考えること
・作者の主要なテーマや主張は何か?
・作者はなぜこれを書いたのか?
・作者の情報源は何か?
・作者のことを脇に置いて、このテーマに関する自分の考えや意見は何か?
・これから学んだことは何か? それが自分の人生やすることにどう役立つか?
もしあなたが、まだ①~⑨を使っていないなら、ぜひ頻繁に使って、いろいろな本やテキストを読んでください。そして、その体験を踏まえて、子どもたちに同じ体験を、ぜひさせてあげてください。