学期の終わりに近づくと、アンケートや授業の評価をされる方も 多いと思います。
授業の評価方法はいろいろとあると思います。
例えば、学期の初めと学期の終わりに同じ項目を尋ねて、変化を 見る場合もあると思います。 また、子どもたちに作品の自己評価や振り返りをしてもらうこと もあると思います。 そういえば、『作家の時間』(プロジェ クト・ワークショップ編、新評論、2008年)の資料編に は、「資料9 自分の作品をふりかえる」、「資料10 学期ごと に振り返る」 (206~207ページ)などもありました。
そんな「評価」のことを考えながら、Shelley Harwayne の Going Public: Priorities & Practice at the Manhattan New School (Heinemann, 1999) を見て いたら、あるページが目 にとまりました。
それは、293ページのAppendix 5 の 「先生が何を どの程度大切にしているのかを、生徒の目からみて評価する」とい う感じの、評価シートです。
「以下のような項目は、先生にとってどの程度、重要だと思いま すか?」 という 質問があり、「かなり重要の場合は1」、 「まあ重要の場合は2」、「それほど重要 でない場合は3」 を記入するようになっています。
その項目を見ていると、「好きな作家を見つけること」もあれば 「テストの成績」もあれば「美しい教室」 といった環境に関 わるものもあります。
WWに関して、こういうものをつくって、子どもの目から見て、 教師が大切だと思 っていることが伝わっているのかどうか尋 ねてみる、こういう評価も(別に学期末にこだわる必 要はな いと思いますが)ありなんだなと思いました。
なお、「ここに書かれているいろいろな項目から3つを選んで、裏にコメントをしてね」、という文も、この紙には書かれていました。
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上で紹介した Going Public: Priorities & Practice at the Manhattan New School も、とてもいい本です。保護者を巻き込む方 法もいろいろ載っています。
保護者の希望者に週に一度、6週間の ライティング・ワークショップをした話なども載っています(171-176ページ)。
もっとも保護者が6週間で終わってほしくない、ということで、数ヶ月続いたようです。 その効果として保護者との関係の変化、保護者が読み書きを大切に思うようになる、先生が子どもたちに教えていることがどういうことなのかを、自分が体験することを通して理解するようになる(172ページ)などが挙げられていました。
小坂さんが上で紹介してくれた質問表は、以下の通りです。
返信削除表△: 教師が大切にしていることは何ですか?
生徒(ないし保護者)の名前:
教師の名前:
それぞれの項目の重要度に応じて、最も重要3、まあまあ重要2、あまり重要ではない1を付けてください。(空欄には、教師が項目を加えてもいい。)
きれいな部屋
はじめたことはきちんと終わらせること
準備が良くできていること
人の言うことを良く聞けること
テストの点数
意見や考えや疑問をクラスの友だちと共有し合うこと
友だちと協力して学習すること
期限を守ること
わかりやすく書くこと
計画的に進めること
(出典:Going Publicの293ページ)
以下の表は、すでに『効果10倍の学びの技法』に紹介したものです(83ページ)
返信削除下の表は、Going Publicを執筆した校長が6年生に聞いたときの結果です。まともなリスト(特に学びに関連するもの)が出されないということは、しっかりと役割を果たしていないことの証明になってしまいます。その意味では、現在行われている学校評価の項目よりも、はるかにダイレクトのインパクトがあるということになります。
表3: 校長先生が大切にしていること
A男
・ 生徒たち
・ 書くこと
・ 先生たち
・ 地域
・ 本
・ 教えること
・ リラックスすること
・生徒たちが抱えている課題
・安全であること
・健康なこと
B子
・ きれいなこと
・ 読むこと
・ 生徒たち
・ 異なる文化
・ 楽しむこと
・ 先生たち
・ 学ぶこと
・ 書くこと
・ 満足していること
・ 権利と公平であること
出典: Going Publicの65~66ページを参考に作成
さらには、こんなアンケートをしてくれる校長がいたらいいと思いませんか? (これも、『効果10倍の学びの技法』
返信削除の83ページで紹介したものです。)
教師が必要なものは何かを明らかにするには、たとえば表2のような質問表が使えます。同じような質問は、子どもたちに対してもできますし、親を対象にもできます。
表2: あなたは何を必要としていますか?
・ 励ましてくれること
・ 平穏であること
・ 違いを尊重してくれること
・ プロの同僚の存在
・ より高い給料
・ 適切にサポートしてくれる校長の存在
・ 理解のある保護者たちの存在
・ 個人や同僚と授業の準備や振り返りができる時間が確保されていること
・ 時間割をある程度自由に変更できること
他に、必要と思うものを加え、重要度の高いものには○を付けてください。また、自分たちでなんとか満たせるものと、そうでないものにわけてみてください。
出典:Going Publicの295ページを参考に作成