132 いい本や大事なところは、繰り返して読んだり、あるいは何年か間隔をおいて読む。
135 2つのおもしろさ: 「わかるからおもしろい」と「わからないからおもしろい」
人間がものを書くときも、表現したいから書く場合と、秘匿したいから書く場合とがあるわけですね。2つがまじっている。読むほうは、その両方を考えながら読まなければならない。つまり読者は、著者の深層心理まで読み解く精神分析医にならなければならないわけです。
特に文学作品には、作者が見た夢という性格があるでしょう。精神分析医が夢の解釈をするように、それを読み解いていかなければ、表面だけ、字面だけで読んだといってもダメなんですね。
138 本は原則として忙しいときに読むべきものです。まとまった時間があったらものを考えよう。
誰かの名文句に、「書を捨てて街へ出よう」というのがあったでしょう。これは読書論としてたいへん有益ですね。・・・とにかく手ぶらで、ものを考えよう。
きょうは暇だから本を読もうというのは、あれは間違いです。きょう暇だったら、のんびりと考えなくちゃあ。考えれば何かの方向が出てくる。何かの方向が出てきたら、それにしたがってまた読めばいい。
そして、考えたあげく、これは読まなければならない本だとわかれば、下嫌いしていたサドでも、徳富蘇峰でも、その必要のせいでおもしろく読めるんですよ。
141~156 自分のホームグランドをもつ → 得意領域と言えるものをもつ
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