2013年10月16日水曜日

『思考のレッスン』⑥

 前回紹介したエルンスト・H・ゴンブリッチの本を探して読み始めました。『若い読者のための世界史』は、とてもいいです。この本、著者が25歳の1935年に書かれた本を50年後に復刊したものです。従って、最後に「50年後のあとがき」がついています。日本の教科書(日本史や世界史)もこういう形式で書かれたら、読む方にとってはありがたい気がしました。

 それでは、『思考のレッスン』に戻ります。(左側の数字は、ページ数です。)

126 日本の場合、外国とくらべて言葉の使い方が曖昧なんですね。「言葉のストライク・ゾーン」(その中に入っていれば、言葉の意味として正しいとみなされる範囲)が外国語の場合のほうがずっとはっきりしている。日本人の場合、ストライク・ゾーンが非常に朦朧としていて、投げる投手ごとに千差万別である。
 それだからなおさらですが、本を読む場合、言葉の使い方に注意しながら読むことが大切です。著者がその言葉をどのような意味で使っているかを、批判的、分析的に読む。・・・・それを考えないと、字面をなぞるだけに終って、行間を読む、眼光紙背に徹するということにはならない。紙の裏まで見通すという意味から、書を読むとき、字句を解釈するばかりでなく、行間にひそむ深い意味までよく理解することのたとえ

127 ニーチェの自叙伝的作品『この人を見よ』 安倍能成 << 手塚富雄 訳
  訳書は、比べ読みをしないとダメ!!
128 日本の評論は、文体を論じるということがほとんどない。日本の近代文化は文体を軽視する性格のものでした。
  しかし、文体に気を配って読まなければ、ほんとうに文章を理解することはできないんじゃないか、僕はそう思ってるんですね。
129 『ユリシーズ』を訳したときの紹介(祝詞、古事記、源氏物語、平家、西鶴、漱石、谷崎・・・と、文体をどんどん変えて訳したんです)


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