2018年7月13日金曜日

絵本ガイドも何度も美味しい

 6月2日のWW/RW便りに続き、今日も本を紹介する本、つまりブックガイドについて書きます。今日は、最近、入手した『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』(金原瑞人、ひこ・田中監修、西村書店、2018年)です。最初は町の図書館で借りたのですが、自分の手元に置いておきたくて、自分用に改めて購入しました。

 このWW/RW便りを書きながら、私はブックガイドというジャンルが好きなことに気付きました。その理由も考えながら、この絵本ガイドを紹介します。

1.絵本大好きの私は、もちろんいい絵本を知ること自体楽しいです。英語を教えていることもあり、ある本に書かれていたことをきっかけに、ここ10年ぐらいずっと、月に2000円、英語の絵本を買うことにしています。それで、さっそくこの絵本ガイドからも、原作が英語のものをチェックしました。ついでに職場の図書館にリクエストする本のリストも作成しました。

2.小さい時から書店が大好きでした。 中学や高校のときは、定期試験が終わった日に予算を決めて、本屋さんに行って、買う本を考えるのが楽しみでしたし、図書館でバラバラ本を見るのも好きです。ブックガイドは、書店や図書館に行く時間がないときは、その大好きな時間の疑似体験ができます。

3. この絵本ガイドからも、RWやWWへのアイディアがたくさん得られました。以下にいくつか紹介します。

3-1.ジャンルについての一つの視点が得られました。
➡ 今回、特に目にとまったのが、この本に書いてある「ジャンル」です。以下のジャンルに分けられていて、これらのジャンル別に、それぞれ複数の本が紹介されています。
「アート」「ナンセンス」「私は私」「恋愛と友情」「家族」「生と死」「平和と戦争 「歴史」「自然」「物語」

 「ジャンル」って、正直なところ、いろいろな説明方法があって扱いにくい概念だ、という印象をもつときもあります。でも、もし、教室に図書コーナーがあれば、こういうジャンル別に本が分けてあれば、選びやすいだろう と思いました。

3-2.キーワードという切り口で本を紹介することも学びました。
➡ この絵本ガイドでは、ジャンルの横には「キーワード」が書いてあります。 
 例えば『ゴールディ―のお人形』であれば、ジャンルは「私は私」、キーワードは「芸術、仕事、ものづくり」です。『百年の家』であれば、ジャンルは「歴史」で、キーワードが「変化、喪失、受容」。

3-3.曲者?「テーマ」がイメージしやすくなりました。
 この本のジャンルとキーワードを見ながら、「テーマ」という概念を思い出しました。「テーマ」は曲者です。抽象的な概念ですし、本のどこをさがしても、「この本のテーマは友情です」みたいには書かれていません。WWで教えている友人も、生徒が作品を書くとき、「どういうテーマで書いているの?(つまり、何を伝えたくて書いているの?)」という、テーマという概念の導入に苦労しています。でも、これらのキーワードやジャンルの例を見ていると、テーマという概念もイメージしやすくなる気がしました。

4.RWを実践している先生の教室には、 ポップカード風の本の紹介があったり(『読書家の時間』(新評論)の39~40ページ参照)、生徒によるお薦め本を置く場所があったりします。また、本を他の人にお薦めする本の紹介(『読書家の時間』(新評論)133~137ページ参照)もよく行われます。その教室ならではの本の紹介方法がたくさんあり、その教室で「ブームになる本」が生まれたりもします。そう思うと、市販のブックガイドは不必要???に見えてきます。でも、こういう読者に優しい仕立てのブックガイド★が数冊、教室にあるだけで、読みたくなる本の範囲が随分広がる気がします。

(★この絵本ガイドの場合、 本の構成としては、基本的には2ページで1冊紹介。最初のページが絵本の表紙と本情報。一番上に1~2行で絵本についてのまとめ?的な文があり、そして一番下にキーワードとジャンルが書かれています。2ページ目は絵本の紹介文です。2ページ目は本によっては本の中のページが紹介されていることもあります。見やすいです。)

➡学年が上がって、RWが行われている教室からそうでない教室で学ぶことになることもあります。本の紹介をしてくれる人がクラスにいなくなるとき、ブックガイドというジャンルの本とあらかじめ仲良くなっておくけば、本から離れてしまう一つの防止策?にもなります。

 ということで、今回の絵本ガイドも、何度も美味しいなと思いながら、バラバラ、楽しく読んでいます。

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