こんにちは。今日のWW便りは、見出しに書いた2つのトピックを簡単に書きます。
(1)カンファランスは問題解決ではない
自分でも「あ、違う」と感じつつも、リーディング・ワークショプ中に、学習者が分からないところの問題を、私が必死でなんとか解決しようとしたことがあります。これでは読み手を育てていない、私が解決するのではなくて、学習者が自分で解決できるような術を教えなくては。。。と思いました。
もちろん、ライティング・ワークショップも、今書いている作品をよくするだけでなくて、書き手を育てることを目指すので、上と同様のことをしないように注意しなくては、と思います。
そんな私ですので、「カンファランスとは、教えることであって、問題解決をすることではない」という言葉を見て、ドキっとしましたし、まさにその通りだと思いました。
これが出てきたのは、Writing Workshop: Working Through the Hard Parts (And They're All Hard Parts) という本 (National Council of Teachers of English, 2001) の157ページで、157-158ページにそのことが説明されています。この本は、Katie Wood Ray という人が書いています。この人も、教室の情景がはっきり分かる具体的ないい本を何冊も書いています。
157-158ページによると、カンファランスの目的は今ある問題を助けることではないし、教師の助けに生徒が頼ってしまうようになってはだめだということです。学期の初め頃には、よく問題を教師に解決してもらおうと、もってくる生徒がいるそうですが、「それは自分で解決できない? だって、自分で解決できるようになることは必要なんだよ」とまず言うようです。
「どうしても、本当に、教師の助けが必要」な生徒が、「カンファランスを希望する人の名前」を書く紙に自分で名前を書き込めるようにしている教室もあるそうです。しかし、このようなカンファランスをする場合、生徒が教師に依存してしまわないように注意する必要がありますし、そのようなカンファランスの数はごく限られたものにしておくことも必要なようです。
(2)カンファランスの4つの要素
上の本の160-169ページには、カンファランスの4つの要素が書かれています。
この4つの部分の最初の3つは、(1)観察して、(2)教えることを決めて、(3)教える、です。この3つは、ルーシー・カルキンズの書いた、書くことの教え方についての本、The Art of Teaching Writing を基にしています。
ルーシー・カルキンズの書いた、読むことを教えることについての本『リーディング・ワークショップ』(新評論、2010年)で、95−106ページにこの3つの要素の「読むこと版」が詳しく書かれていますので、これを読むとイメージしやすいと思います。
この3つに加えて、Katie Wood Ray は、4つめに「カンファランスの記録を取る」ことを挙げ、記録を取ることがいかに大切かを力説しています。
多くの人が言っているように、Katie Wood Ray も、それぞれの教師が自分にとって使いやすい記録の取り方をつくることが必要、でないと結局記録しなくなるから、と言っています。
Katie Wood Ray の場合は、ほとんどのカンファランスの終わりに、「じゃあ、○○○○のことを書いておくね」と言って、カンファランスで教えたことをまとめるとともに、記録しているようです。
なお、一人一人の子どもの記録が通して見やすようにしておくというのも大切だと言っています。
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