関西大倉中学校高等学校・堀内誠太郎先生の実践(WW/RW便り: 堀内先生の実践)紹介の第3弾です。
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本稿では、本校における「読書家の時間」をどのような環境で進めているかをまとめます。授業を行う空間である教室の環境、生徒の学びを支える授業冊子と読書記録という道具、そして人的環境として司書教諭との連携、以上3点について記します。
教室環境
本校では2022年に新たな大規模図書館が完成しました。この図書館で「読書家の時間」をやり始めた当初は、図書館のどこから本を探してきてもいいし、どこで読んでいてもいい、という形にしました。しかし、これは失敗でした。5万冊近くが並んでいる本棚から自分に合った1冊を選ぶというのは生徒にとって難しすぎました。また、教師が図書館全体を見渡すことができないので、本を読むのに消極的な生徒が教師の死角に集まっておしゃべりに興じるようになり、私は図書館のあちこちでモグラたたきをしているような状態になりました。
そこで、本棚も読む場所も限定しました。図書館内部に大きめの教室があるのですが、今は本を選ぶのも読むのもその教室内で完結する形にしています。教室内の本棚に、「読書家の時間」に適した本を集めて並べました。学期によって小説限定にしたりノンフィクション限定にしたりするので、それに合わせて教室内に並べる本も入れ替えています。ミニレッスンの内容に合わせて「『平家物語』特集」「『子どもの権利』特集」などのコーナーも特設しています。また、昨年度の生徒がブックトークした本を並べたり、書いたレポートを展示したりして、先輩から後輩へと学びやオススメ本が伝わるようにデザインしています。
机と椅子は全て前向きに並べて、静寂の中で読み浸る時間を過ごせることを優先しています。生徒がよりリラックスした姿勢でゾーンに入れるように、教室内に畳を敷いたりソファを置いたりするかは、今後の検討課題です。
授業冊子(紙)と読書記録(Googleスプレッドシート)
「読書家の時間」をやっていく中で、日常的に書かせたいのが「チェックイン」と「読書記録」です。「チェックイン」は、各生徒のその日の活動を教師が把握するため、「読書記録」は生徒自身が自分の読書傾向や読書量を把握するために書きます。この2つを生徒はよく混同して、こちらが「チェックインして」と指示したら読書記録をつけ始める生徒がいるので、たびたび注意する必要があります。
この2つをどういう形で書いてもらうかについてはかなり慎重に検討しました。いちいち書くという行為を面倒くさく感じる生徒は少なくありません。できるだけ生徒にとって負担が少なく、かつ我々がチェックしやすい形を模索した結果、紙の授業冊子(紙)と読書記録(Googleスプレッドシート)の2つを使う形にしました。
まず、授業冊子の中には、次のページがあります。時にはノートに書かせたいこともあるのですが、冊子の他にノートも持たせるのは煩雑なので、冊子の中にノートのページもできるだけ多く入れて、1冊で完結するようにしました。
読書家の皆さんに期待すること
「読書家の時間」のルール
ジャンル一覧表
チェックイン表(4ページ分)
読みたい本リスト
ノートのページ(20ページ分)
各学期の自己評価シートを貼るページ
冊子の表紙には10,000ページを目指してキリ番を達成したらシールを貼る場所を作っています。10,000ページ達成者にはキラキラの大きなステッカーを貼って祝福します。この冊子は毎回授業終わりに回収し、次の授業の始めに返却します。生徒は「読書家の時間」に参加するためにホームルーム教室から図書館へと移動してくるので、ホームルーム教室に置き忘れてくるリスクを避けるためです。この冊子の中で最もよく使用するのはチェックイン表ですが、チェックインをするのは授業のときだけなので、生徒が冊子を教室に持って帰らなくても特に困ることはありません。こちらがチェックしやすいように、チェックインしたらそのページを開いたままにして「読み浸る時間」に入るようにしてもらっています。私は彼らのチェックイン表を見ながら「前回読んでいた本はどうしたの?」「読書記録はつけた? 評価は10段階でいうといくつ?」などと話しかけてカンファランスしていきます。
もう一つの書くべきもの、読書記録については紙ではなくGoogleスプレッドシートを使用しています。それには次のようなメリットがあります。
生徒各自の端末からアクセスできるので、授業内でも授業外でもどこでも記入できる(特に長期休暇中の読書に最適)
本のジャンルはプルダウンで選べるようにしているので、生徒にとってわかりやすい
累計ページ数は数式によって割り出されるので、読んだページ数を足し算することに時間を取られない
教師もいつでも生徒の読書記録を見ることができる
読書記録を紙に書いてもらっていたときは、面倒くさくて書きたがらない生徒がそれなりにいましたが、スプレッドシートを使うようになってからは全ての生徒が(時間さえ取れば)読書記録をつけるようになりました。
読書記録は生徒が自身の読書量・読書傾向を把握するためのものですが、これを見ることで教師も、何冊読んでも評価がすべて「8(同じ数字)」の生徒、ジャンルを理解していない生徒、中断ばかりで1冊も読了できていない生徒など、声をかけるべき生徒を見つけることができます。
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