ここ一か月ぐらい、National Day on Writing(10月20日)関連のニュースを、書くことや英語関係のネット情報では見ることが多かったので驚きました。
これを、グーグルで翻訳すると「書く国民の日」と出ました。分からなくはありませんが、なんか政府が決める国民の休日の名前みたいです。私なら、「みんなが書く日」ないし「みんなで書くことをお祝いする日」と訳したいところです。
これはアメリカの、「日本国語学会」的なところが運営しています。https://whyiwrite.us/
(日本の学会にも、がんばってほしいので、書きました!!)
このホームページには、それに参加する方法などを含めて、書くことに関係する情報がいろいろ提供されています。
この間に私が見た中でもっとも気に入ったのは、いくつかのいい絵本を出していて有名なジャクリーン・ウッドソンの動画メッセージです。
その内容だけを打ち出したものが、下です。
My equation is
reading equals hope times change. This month, it’s writing equals hope times
change. When we write we can change the narrative. We can change the narrative
of the world. We can change our own narrative. We can create a more community-based
narrative as we share our stories. And all of that is so important to impacting
a greater good.
上記の英語を、グーグル翻訳を基に、少し分かりやすいように手を入れてみました。
「私の方程式は、読書=希望×変化です。今月は、書くこと=希望×変化です。私たちが書く時、ナラティブ(物語)を変えることができます。私たちは世界のナラティブを変えることができるのです。私たち自身のナラティブを変えることもできるのです。私たちがストーリーを分かち合うとき、よりコミュニティーベースのナラティブを作り出すことができます。
そしてこれらすべては、社会のより大きな利益に影響を及ぼすのに重要なのです。」
とても、パワフルなメッセージだと思いませんか?
日本の国語教育では、「書くこと」をこのように捉えているでしょうか?
(彼女は、読むことも、書くことも、「希望×変化」と捉えています!)
日本の作家たちの中には、それを感じる人もいますが、国語関係者にも、ぜひ同じような姿勢をもってほしいものです。そして、先生たちはもちろん。
書くことを祝うアプローチは、『作家の時間』の中で紹介されています。
第3章の「共有の時間」、および第8章の「出版」です。
今回の「みんなが書く日」ないし「みんなで書くことをお祝いする日」は、138~139ページで紹介されている2時間続きで行われた「作家の日」の実践に近いです。
日本の教育実践にまだ欠けているのは、子どもたちがとても好きなこの「祝う」というアプローチです。
「学びの原則」(https://projectbetterschool.blogspot.com/2012/03/plc_18.html)の一つに含まれていますから、子どもたちがよく学べるようになることは確実です。
いまは、「作家の時間」と「読書家の時間」の算数・数学、理科、社会に応用するプロジェクトも展開していますが、この祝うアプローチは、とても効果的であることが証明済みです。「数学者の時間」だと、一人ひとりの子どもがつくり出した問題を出版するや、それを互いに解き合う日という感じになります。子どもたちは、教科書やドリルの問題よりも、自分たちが考えてつくり出した問題の方が何倍も好きです! もちろん、つくる過程では、単に解くのとは違ったことをいろいろと考える必要があります。ましてや、良問とクラスメイトに言ってもらえるものにするには!!(これまで、日本で行われてきた算数・数学、理科、社会の実践に、このように祝うアプローチは含まれていたでしょうか?)
★ この「祝うアプローチ」を中心に据えると、子どもたちがあまり(まったく!?)歓迎していない既存の読書週間や読書感想文も、かなり違ったものになると思いませんか? 主催団体には、ぜひ転換していただきたいものです。
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