ここ1~2か月、読み聞かせについて何度か書いていますが、今日は【その3】として新学期に読み聞かせたい、お薦めの本です。
2018年3月2日のRWWW便りに登場した読み聞かせの名手、冨田先生と都丸先生からの情報を紹介します。
まず育休を終えて教室復帰する冨田先生からです。先生によると、「新学期、クラスで大切にしたいことや、新学期に達成したい目標など、どれも、絵本を使って考える種をまくことができます。春にまつわる学習に入る前に、学習の種もまいておきたいところです」ということです。
以下、春に読み聞かせたい本の紹介です。
(➔ 冨田先生からは、「なぜ、この本を選んだのかという理由」も教えていただきましたが、「なるほど」と思います。また、それぞれの本のお薦め学年は、選んだ理由の最後に書いてありますので、参考にしてください。)
◯「やまめとさくらます」
おくやまふみや 作 あさりまゆみ 絵 ポトス出版
強いヤマメはエサを実力で勝ち取り、弱いヤマメはエサが取れず、川下に逃げていきます。そこで、大海と出会い、弱いヤマメは体を変化させて、強くたくましく成長するのです。サクラマスへと変貌を遂げます。産卵のために川に戻ってくるサクラマス。そこには、かつて自分を追い払ったヤマメがいました。
弱いヤマメが逃げることで強くなって帰ってくる。逃げることで強くなるお話は、僕は何か、子どもたちにも当てはまるような気がしています。中学年ぐらいにおすすめ。
◯「ピンクのいる山」
村上康成 作・絵 徳間書店
ヤマメで思い出したのがこの本。冒頭から登場するかわいい主人公のヤマメは、すぐにつられて人間に食べられてしまいます。けれど、この本は、かわいそうとか、ひどいとか、そういう話ではないのです。自然が大きく、深く、慈悲深く感じられる、山に出かけたくなる一冊です。低学年でも高学年でもOKです。むしろ高学年に読み聞かせして、反応を楽しみたい本です。
◯「ライギョのきゅうしょく」
阿部夏丸 作 村上康成 イラスト 講談社
村上康成さんで続くと、僕はこれがおもしろいと思います。ライギョはタナゴを食べるとさかな学校で教えられるライギョ君。でも、タナゴは友達です。村上さんの本は、このような自然の深さ、関係性に着目させる本が多いですね。
このどうわがいっぱいシリーズは、絵本から脱皮するための大切な位置づけの本だと思っています。小さい子にも探しやすい背表紙の色やマークがありますので、低学年の子に目印を教えてあげてください。
◯「はちうえはぼくにまかせて」
ジーン・ジオン 作 マーガレット・ブロイ・グレアム 絵 もりひさし訳 ペンギン社
トミーくんは近所のみなさんのはちうえを預かることに。はちうえが大好きなトミーくんは家中がはちうえになって幸せ。でも、はちうえが育ちすぎてしまう夢を見て、彼は本を夢中で読んで、しっかりと育て方を調べます。生活科や鉢植えを育てる前に、読んではどうでしょうか?きっとみんな、育て方を調べてみたいと思うはず?
◯「エディのやさいばたけ」
サラ・ガーランド 作 まきふみえ 訳 福音館書店
◯「ソフィーのやさいばたけ」
ゲルダ・ミューラー作 ふしみみさを訳 BL出版
栽培関係でこちらもおすすめです。どちらも、絵本というよりは知識を授けてくれる本です。野菜畑を作る前に、読んでみてはどうでしょうか?魅力的な野菜の育て方も登場して、子どもたちの知的好奇心をくすぐるよな本です。僕達もこんなに自由な野菜づくりをやってみたいと思うのでは?ソフィーのほうが中高学年向きです。
◯「リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険」
◯「アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険」
トーベン・クールマン作 金原瑞人訳 ブロンズ新社
高学年ならば、こういう本の読み聞かせはどうでしょうか。少し長いですが、ちっぽけなネズミが空をとぶことに挑戦する生き様がかっこいいですよ。今年一年、無理だと思われていることに、勇気を持って挑んでみたい。幾度の失敗を乗り越えて、宇宙に旅立とうとするネズミから、勇気づけられたい。新しく迎える1年の目標を作る前に、この2冊を読んでみてはどうでしょうか。
次は都丸先生です。「以下の本は1~3年生の教室で考えているものの、本によっては高学年で使えそうなものもあるので、子どもたちに合う本を選んでもらえればと思います」とのことです。テーマ別にリストされているのも、便利です。
新学期に読み聞かせをしたい本
読むことの喜び
『としょかんたんていゆめきちくん』
『としょかんライオン』
『エリザベスは本の虫』
『よにもふしぎな本をたべるおとこのこのはなし』
『としょかんのよる』
『おはなしこねずみロミュアルド』
『オオカミだって…』
『ルラルさんのほんだな』
『本の子』
『ほんなんてだいきらい!』バーバラ・ボットナー
笑いで1日を始める
『ぜったいたべないからね』ローレン・チャイルド
『ちゃんとたべなさい』ケス・グレイ
✳2冊を比べて読んでもおもしろい。苦手な食べ物に対するアプローチの違い。
『うどん対ラーメン』
『でっこりぼっこり』
『はれときどきぶた』
『バナナじけん』
『メチャクサ』
『じごくのそうべえ』
『キャベツくん』
『いちにちおもちゃ』 シリーズでおもしろい。
みんなで考えてみよう
『あそこへ』マリー・ルイーズ・フィッツパトリック
『ぼくは…』三浦太郎
『ちっちゃな木のおはなし』ローレン・ロング
詩の言葉
『詩ってなんだろう』谷川俊太郎 『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』
言葉遊び
『だんながなんだ』
『さかさことばでうんどうかい』
『かばのさら・ばらのかさ』
『これはのみのぴこ』
『これはすいへいせん』
『どうぶつえんはおおさわぎ』
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