「読み聞かせ」は「私が行うこと」のレパートリーの中にはありませんでした。
ある時、ある研究会で小学校の先生が読み聞かせをしてくれたことがあり、その自然さと上手さに、本当にビックリしました。
周囲にいる読み聞かせ上手な人を見ていると、「読み聞かせのスキル」を特に意識することなく、自然にできている人も多いように感じます。こういう人たちは、上手なので子どもたちも喜び、子どもたちが喜ぶので授業の中での読み聞かせも増え、経験を積んでさらに上手になっていくという好循環ではないかと考え、羨ましく思ったりもたりもします。
(★少し脱線ですが、読み聞かせが上手で好きな先生たち3名――1年生、4年生、6年生――の、「年度始めの読み聞かせ鉄板?の本」が2014年4月11日のRWWW便り「3つのクラスの年度はじめの読み聞かせ」で紹介されていますので、ぜひご覧ください。https://wwletter.blogspot.jp/2014/04/blog-post_11.html)
さて、読み聞かせが自然に上手にできない私は、「読み聞かせは、才能ではなくて、誰でも努力すれば学ぶことが可能なスキル」ととらえたいです。
そんななかで目に留まったのが、中学生の子どもが低学年の子どもに読み聞かせをするので、読み聞かせのヒントを子どもに教えるという場面でした。そのヒントについては、「これは教師にも助けになりますね」的なことが書いてありましたので、自分の励みのためにも、以下紹介します。★★
この先生自身は、読み聞かせがとても上手なので、まず、自分の読み聞かせを生徒に観察させ、読み聞かせを上手にするために何か必要かを生徒にメモさせています。そして生徒の観察したことをクラスみんなでリストにして、必要に応じて先生も付け加え、それを、整理しまとめて、読み聞かせのガイドラインとして、生徒が使えるようにもしています。
さて、そこにある読み聞かせのヒントは以下です。上手な方は、「あ、普段、やっていることばかり」かもしれませんが、ざっと紹介します。
・自分で必ず事前に読み、限られた時間でうまくおさまるように(飛ばす箇所、要約する箇所なども含めて)、読む箇所と読み方を決める
・聞く方が落ち着いて聞く態勢になる前に、いきなりスタートしない。
・聞いている人に語りかける、できるだけアイ・コンタクトをして。
・普段の会話よりはゆっくり目に。
・大切な箇所は頭に残るように、その前後は少し間をあける。
・みんなにちゃんと聞こえる音量で。
・複数の声を使い分ける。登場人物の声で。
・音量も使い分ける。大き目の声、小さめの声など状況にあわせて。
・感情が伝わるように、表情も変える。
・聞き手を巻き込む、次に何が起こると思うかを尋ねてみる。
・イラストを見せたり、イラストについて話したりする。
・必ず、自分が気に入っているものを選んで読むこと。
・恥ずかしがらずに、自分が得たものを聞き手に伝える。
このリストを使えば、「これで私も読み聞かせ上手に!」と願っています。でも、まずは練習あるのみ。
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★ 2014年4月11日のRWWW便り「3つのクラスの年度はじめの読み聞かせ」では、書名、著者名、その本を選んだ理由などが書かれていますので、ぜひご覧ください。ここでは書名のみ挙げておきます。6年生でも短い絵本が出てきたりもしています。
1年生 『わたしとなかよし』、『クレリア えだのうえでおきたできごと』
4年生 『いつもちこくのおとこのこ ジョンパトリックノーマンマクヘネシー』、『ものぐさトミー』、『999ひきのきょうだいのおひっこし』、『じごくのそうべえ』
6年生『だから?』 、『どうして?』 、『変わり者 ピッポ』、『としょかんのよる』、『クジラの跳躍』)
★★上の教室の様子および読み聞かせのリストはナンシー・アトウェルのIn the
Middle の初版(1987年)の208~209ページから、ざっと訳で紹介しています。
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