2015年3月14日土曜日

RWとWWを行う教師への振り返りの質問



  学期末となり、今学期あるいはこの1年の自分の学びを振り返るための質問を、子どもたちに提示した先生も多いのではないでしょうか。

 

 私の知人の先生は、以下のような振り返りの質問を、学習者に尋ねるだけでなくて、自分にも質問して、その答えを書き出しているそうです。

 
1. 私ががんばったこと、努力したこと、熱心に取り組んだことは?
2. できるようになったことや変わったことは?
3. 嬉しかったことは?
4. 難しいと思ったことは?
5. 必要だと分かったことは?
★         


この知人の振り返りをみていて、(1)どの科目にも使える質問であり、(2)学習者だけでなくて、自分にも尋ねている点がいいなと思いました。毎年、どこかに記録しておいて、10年ぐらいまとめて振り返ると、自分の教師としての軌跡が分かるかもしれません。

 

 「振り返りの質問を、学習者だけでなくて自分にも尋ねる」ということを考えたときに、
RWやWWで子どもたちに尋ねる振り返りの質問のほとんどは、教師が自分にも尋ねてみるのにいい質問だと思いました。何しろ、教師は、「書き手、読み手のモデル」ですから、教師自身も、書き手・読み手としての自分の成長を振り返ることで、授業はパワーアップするはずです。

 

 そう思うと、例えば、2月6日のRWWW便りに紹介したアトウエル氏の、子どもたちのための振り返りシートからですと、以下のような質問は、教師が自問するのにもいい質問だと思いました。★★

 【WWについて】

「いくつ作品を仕上げましたか」「それらのジャンルは?」

「お気に入りの二つの作品を挙げて、それぞれについて自分がした工夫・優れた点を挙げると?」

「書き手として成長した点は?」

「来年度(あるいは来学期)の書き手としての目標をできるだけ具体的にーー例えば作品の数? 書く頻度?」

 

【RWについて】

「何冊読み終わりましたか?」 「それらのジャンルは?」

「その中のベストは?」

「自分にとってのベストの作品で、著者がしていた工夫や優れた点は?」

「読み手として成長した点は?」

「来年度(あるいは来学期)の読み手としての目標をできるだけ具体的に」

 
 また、WWとRWに取り組む教師が自分に尋ねる質問をもっと考えてみたいので、叩き台のつもりで、アトウエル氏の質問に加えて、「教師版の振り返りの質問」としてプラスしてもいいかも? と私が思うことを、以下*印をつけて書き加えました。


*「学習者から、書く、読むについて学んだことのベストは?」
*「新しく出合った、学習者に紹介するのによいメンター・テキストは?」
*「読み聞かせ本、考え聞かせ本のベスト3は?」

*「かなり成功したと思えるミニ・レッスンをいくつか挙げて、それぞれその理由を述べておくと?」

*「自立した書き手・読み手を育てるのに、もっとも貢献したと思えることは? その理由は?」
*「自立した書き手。読み手を育てるのにうまくいかなかったこと・障害となったことは?」

*「読み書きのつながりという点からもっともうまくいったことは?」


 

RWとWWの教師自身への、振り返りの質問は、引き続き考えたいと思っています。今後、ブレインストーミングしつつ、整理したり減らしたりしたいです。何か思いつく質問などあれば、教えていただければ嬉しいです。

 

*****
★ 上の質問は、ERIC(国際理解教育センター)の研修で、振り返りシートとして使っていたものが土台にあるそうです。他にも、振り返りの質問としては、以下のようなものもあるそうです。

・ 私が学んだのは、
・ 私が改めて学んだのは、
・ 私が気づいたのは、
・ 私が驚いたのは、
・ 私がガッカリしたのは、
・ 私がこれから実行しようと決めたことは、
・ その他、考えたことや書いておきたいことは、




★★Nancie Atwell著のIn the Middle 3版、Heinemannより2015年に出版。子どもへの振り返りシートは、WWが285286ページ、RWが291292ページ。

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