2024年4月5日金曜日

生徒に読む力と書く力をつけるのに、教科書をカバーする授業でいいのか?

  多くの先生にとって、学校で教えるということは「教科書をしっかりカバーする授業」を指しています。そして、ごく少数の教科書をカバーすることを良しとしない先生は「変わった先生」扱いをされることでしょう★。他のみんなが、教科書をカバーして、それとセットになっている業者テストを生徒たちにやらせることで一つの単元を終わらせ、次の単元に移っていくのに合わせませんから。

 この学校で主流であり続けている授業は、保護者も管理職も体験し、慣れ親しんでいるので(というか、それ以外の方法があり得るのか、とさえ思っていることでしょう!)安心できる方法ではあります。しかし、それは、生徒たちが書くこと、読むこと、聞く・話すこと(+学ぶこと、考えること、問題解決することなど)を好きになり、かつそれらの力をつける方法としては適しているでしょうか?

 そうした授業に対する生徒たちの反応は、「好きになれない」や「退屈」です。教師は教えたと思えても(教えた後にすぐ行われるテストで、それなりの点数は取れたとしても)、身につかない問題を抱えます。結果的に、教師も生徒たちも無駄な時間を過ごしているのではないのか、という違和感をもつことになります。あなたは、もったことはありませんか?

 それを払しょくする教え方の一つが、ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)の実践です。

 生徒たちが書くこと、読むこと、聞く・話すこと(+学ぶこと、考えること、問題解決することなど)を好きになり、かつそれらの力をつける方法として開発されましたので、教科書をカバーしてテストをする授業の課題は簡単に克服されます。

 しかも、日本での10年以上の実践を通して、学習指導要領をはるかに超える力を発揮することも証明されています★。それほど、学習指導要領は生徒の能力を過小評価している、ということです! 学習指導要領とライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)を比較した表をつくっていますので、ご希望の方はpro.workshop@gmail.com宛に資料請求してください。

 

 それだけではありません。

SELのスキル(https://wwletter.blogspot.com/2023/02/sel.html および https://selnewsletter.blogspot.com/2023/03/)やEQのスキル多く(https://docs.google.com/document/d/1OcT73YJAurfvj0f09dJ5PaWUGHRsJno_YPfjw83g8sw/edit)が身につきます。

・「思考の習慣」が身につきます(https://bit.ly/3XZmfbh)。

・4Cと言われるクリティカルな思考、創造的な思考力、協働する力、そしてコミュニケーション能力の「21世紀スキル」(や非認知スキルないしソフトスキルのほとんど)が身につきます。

・「社会人基礎力」のほとんどが身につきます。

 

 従来の教科書をカバーする読解と作文の授業をしていて、これらの大切なスキルのどれだけが身につけられるでしょうか?

 その意味でも、ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)の魅力は絶大です。

 

 なお、これまでも教科書の弱点については、繰り返し指摘してきましたので、ぜひ以下の2つの情報をご覧ください。

https://wwletter.blogspot.com/search?q=%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8

https://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8

 

 まだ取り組み始めていない方は、今年度こそは、教科書をカバーする国語の授業の代わりに、ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)に挑戦してみてください★★。生徒たちが待っています!

 

★だからといって、ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)が学習指導要領や教科書を無視しているわけではありません。目の前の生徒たちを無視して、学習指導要領や教科書に引っ張られ過ぎた教え方をするのではなく、目の前のいる一人ひとりの生徒たちを中心に据えて、学習指導要領や教科書にも配慮しつつ、結果的に1年の最後にすべてを押さえている教え方をしているのです。

これは、「教科書をカバーcoverするよりも、生徒たちがアンカバーuncoverする教え方の方が、教え方としてはレベルがはるかに上である」からきています。単に教師が提示するのではなく、生徒自身が明らかにする、見つけ出す、発見する、覆っていたものを取り除く教え方です。シュタイナー教育が注目されたり、最近では探究学習が注目されるのは、そのためです。

 

★★上で紹介した以外にも、ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)が、教科書をカバーする国語の授業よりも優れている理由がいくつかあります。

・一人ひとりの生徒がもっている「発達の最近接領域(ZPD)」を反映した形での授業が可能。ZPDについて詳しくは、https://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=ZPDを参照してください。それに対して、教科書(ないし一つの教材)しか扱わない授業は、生徒一人ひとりがもっている微妙に異なるZPDを無視した教え方しかできませんから、教師は「教えた」と言えますが、生徒サイドは「学んだ記憶にない」ということが起こりがちです。

ZPDの捉え方と似ていますが、教師は一人ひとりの生徒がもっている知識、情報、学習履歴、レディネス、性格や取り組みの姿勢、対人関係のつくり方、学び方、学ぶスピード、興味関心、こだわりなど微妙に違うことを知っています。そうしたものを考慮に入れた教え方をしようというのが「一人ひとりをいかす教え方」です。逆に、それらをあたかも同じと仮定して教えるのが教科書(ないし一つの教材)しか扱わない授業です。結果的に、生徒が夢中で取り組める割合は、極めて低いことになります。『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』と『一斉授業をハックする』を参照ください。

「見取りは大事」とは、多くの教師が口を揃えて言いますが、その実践となるととても寂しい現状があります。その理由は、教科書をカバーする(教師が一人がんばり、生徒たちはお客さんであり続ける)一斉授業は見取りととても相性が悪いことにあります。それに対して、ライティングとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)では教師が一斉に教える割合(=教師がミニ・レッスンで教える時間)は5分の1とか6分の1ぐらいに限定しているので、残りの時間は生徒を観察したり、カンファランスをしたりして見取りができ(=形成的評価に費やせ)ます。ライティングとリーディング・ワークショップ以上に、「指導と評価の一体化」を実現した教え方はないぐらいです!

・この最後の点は、教科書をカバーする授業とセットになっているテストという評価の仕方のおかしさにつながります。ここでは、二つの風刺画を紹介する形で紹介します。一つ目は、https://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=%E5%B9%B3%E7%AD%89で読める上の2つの記事をお読みください。もう一つは、以下のイラストです(教育の世界でも、このようなユーモアのセンスが使われるようにならないと、日本の教科書問題やテスト問題も改善しないのかもしれないと思わされます)。


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