2015年1月23日金曜日

評価についてのメモ(その1)


 「評価」--あまりに重要なトピックのために、私には逆にアプローチしにくいと感じる時もあります。教えることの根本に関わるトピックなので、「自分のクラスにすぐに、気楽に?使える手法」という感覚になれないから、かもしれません。

 

だから逆に気になるトピックでもあります。今日は、今読んでいる本の「評価」の章から、自分のメモと自分が感じたことを、3点ほど紹介します。またいつか引き続き紹介していきたいので、今日のRWWW便りは「メモその1」です。


 

 「評価」の章を読んだのは、RWやWWの分野をリードし続けている優れた実践者、ナンシー・アトウエル(Nancie Atwell)氏の『In the Middle』の第3版です。

 余談ですが、1998年出版の第2版から2014年出版の第3版に向けて、内容の80%が新しくなったということです。第3版の第1章のタイトルが「どのように教えるのかを学ぶ」で、ここから、著者のWWやRWとの出合い、従来型との葛藤などがよく分かり、『読書家の時間』(プロジェクト・ワークショップ編、新評論、2014年)の第10章「教師の変容」を思い出します。そして、内容の80%が新しくなったというものの、原点は同じで、そこから常に実践しながらより良いものを考え続けていることを感じます。またこの教え方の原則を、書くこと(WW)から読むこと(RW)へ、そして数学や歴史といった他教科へも応用されているのを感じます。

 

 さてこの本の第8章「評価」を読みつつの、自分のメモに戻ります。

 

(1)以前、記号による評価(A~D)をつけなればいけない小学校で教えていたときのことも少し書いてあります(308311ページ)。

 

そのときのチャレンジは、評価が子どもたちに行うように言ってきたことの反映であること


→ それぞれの子どもが、読み手、書き手として設定した目標に向けてどの程度進んだのかを、A~Dの評価を決める土台にした。

 

(↑ 目標設定や自己評価の大切さ、それをどのように、よりよく教えていくのかというところは、多くの教室に共通しているのではないかと思いました。ここからは応用可能なことがありそう。。。)

 

2)どんな学校で教えるにせよ、WWで提出される一つひとつの作品に個別に成績をつけることはしない。その理由は書き手としての成長には時間がかかるし、その成長過程は多岐に渡り、一つのパターンでまっすぐに進むわけでもないから。(300ページ)

(↑ そのためには子どもが作品を書き続けることが必要。WWの「時間の確保」が、評価とも関わると思った。評価から見えてくる、「時間の確保」の大切さ。)

 

3)アトウエル氏は、現在は自分が創立した学校で教えていることもあり、評価方法は、子どもの自己評価と目標設定に対して、教師の分析と目標設定を併せたもので、記号(A,B、C等)による評価はない(308ページ)。

(↑ こうなると、このままの方法をそのまま応用できないと感じてしまいます。とはいえ、この章を読んでいると、子どもの成長にも、教師の教え方にも、そして保護者との連携にも、この評価は素晴らしく機能しているので、またいつかじっくり紹介したいです。評価は子どもと先生の共同作業であることも感じます。)

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