2010年9月10日金曜日

書くことにおいて「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックとは?

8月27日のブログに、That Workshop Book (Samantha Bellnett著、Heinemann, 2007)で、他の人からの「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックが、作品をよくするとてもいい手段なので、そのことを教える、という話を書きました。

 同じく8月27日のブログに「私自身、『親切で、具体的で、助けになる』フィードバックの価値を実感したのは、比較的最近のことなのです」と書きました。実感したのは、やはりそれで自分の書いたものがよくなるのが分かるからです。

 少し前には、最初に書いたことが、何度もフィードバックをもらう中で、最終的にほとんど原型をとどめなかったこともありました。

 また、ごく最近では、「ここまで批判的に書いてもいいのかな」とか「こういうふうに書くと、どう受け取られるのかな」と、自分の書いたもののトーンというか、内容に大きく関わる部分でかなり迷うことがありました。それで、「親切で、具体的で、助けになる」フィードバック」をしてくれるのが分かっている人に送り、そのフィードバックのおかげで励まされて、書き上げられたこともあります。

 さて、先日、リーディング・ワークショップについて一緒に学んでいる先生たちに、私のブログに書いた原稿とその他の原稿を使い、ごくごく短時間(3~4分?)で、「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックを付箋に書いていただくという時間を持ちました(そのときに、その先生たちから、「親切で、具体的で、助けになる」に加えて、「言うべきことは言う」というフィードバックも大切だ、と学びました)。

 そこで今日は、「親切で、具体的で、助けになり、かつ、言うべきことを言うフィードバック」例と、それを受け取る側になったときのことを共有したいと思います。

 もちろん、下に書くことは、私の個人的な例です。「親切で、具体的で、助けになる」というフィードバック例は、人間関係やクラスの雰囲気にもよって、変わってくると思います。ライティング・ワークショップが動きだしたら、それぞれのクラスで、いいフィードバック例のリストをつくることがあってもいいのかもしれません。

 まずどんなフィードバック例があったかと言いますと、「質問する」、「選択肢を提示する」、「分かりにくい点、あまりいい表現ではないという点を指摘する」、「足りない点を指摘する」、「具体的にいい点を指摘する」などです。

★ 質問する。
 
「大切な友達」の手法(『作家の時間』69~72ページ参照)でも学びましたが、質問というのは、フィードバックのとてもいい方法だなと思いました。何よりも、フィードバックを受け取る側として、受け入れやすいし、考えさせてくれるのです。

 例えば、「文が長い。どこで切ればいいと思う?」と、答を本人に委ねる質問もありました。また「○○とは、人の名前ですか?」という質問から、読者にとっては分かりにくい点も、質問されることで気付くことができると分かりました。

★ 選択肢を提示する。

 よりよい単語や表現、よりよい語順など、あるいは「○○○○○○が、まわりくどいので、△△△△△△」のほうがいいのでは」と、一言、理由つきで、選択肢を提示というのもありました。

★ 分かりにくい点、あまりいい表現ではないという点を指摘する
 ある箇所に下線をひいて、「分かりにくい表現」、「不自然な表現」と書き込む形での指摘です。

★ 足りない点、あればいい情報を指摘する
→ 実は上の2点(①分かりにくい点、あまりいい表現ではないという点の指摘、②足りない点、あればいい情報の指摘)は、書いている本人にとっては一番気付きにくい点だと思いました。指摘する方は、もしかすると、こういう指摘したくないかもしれませんが、実は、これは指摘される方にはとても有り難い、と私は思いました。

★ 具体的にいい点を指摘する
 「良い出だし(書き出し)」とか「基準を明確にしてあるのが有り難い、自分で行うときの参考になるから」など、よいと思ったところを具体的に書いてくれている付箋もありました。
→ これは、「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックなのでしょうか? 私はそう思います。もちろん、まず、嬉しいですし、励みになります(なので、親切なフィードバックと言えると思います)。かつ、例えば、今後、大幅修正や大幅削除をするときに、「ここを残すか否か」という一つの判断材料にもなる、と思いました。

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