2012年7月20日金曜日

(自分の作品を)友達と共有する

WWでは、ピア・カンファランスや共有の時間を通して、自分の作品を友達に読ん
でもらう(あるいは自分が読み上げて、聞いてもらう)ということは、よく行われて
います。 

 もちろん、大切なことは、友達に自分の作品を共有すること「も」、楽しみにでき
る、いい学びの時間にすることです。

 『作家の時間』((プロジェクト・ワークショップ編、新評論、2008年)には、 友達の書いているものに「質問やコメントをする」一つのいい方法として、「大切な友達」が紹介されています。その手順は以下です(69ページ)。

①わからないことをはっきりさせるための質問をする。
②よい点の指摘をする。
③改善のための質問をする。
④ラブレター(好意的で建設的なメッセージ)を書く。

 『作家の時間』の70-73ページには、この方法を子どもたちがピア・カンファラン
スで使えるように教える方法が詳しく書かれていますので、ぜひ、一度お試しください。

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 「大切な友達」のバリエーションの一つとして、次のような方法もあります。これ
はRWの研修会に出席していたときに、教えてもらいました。そのときの方法は以下
です。これも、もちろん、WWやRWや、それ以外の学びにも使えます。

①ある人が発表したあとに、参加者に小さな紙が配られ、そこに参加者が質問(あるいはコ
メント)を書く。
②その紙を集めて、発表者に渡す。
③発表者はその紙から、自分でどの質問(コメント)に答えるのかを選び、自分で選
んだいくつかの質問(コメント)に答える。

 講演などの質疑応答の時間に、「こんなつまらない質問で時間を取らないで」と思
うこともありますし、質問者の自説を延々を聞かされて嫌になることもあります。

 しかし、上の方法ですと、発表者が限定された数の質問(あるいはコメント)選ぶ
ので、「発表者(が答えること)」が中心になります。

 RWでもWWでも、クラスのみんなに何かの成果を発表するときには、上の方法を
使ってみるのもいいかもしれません。「大切な友達」よりも短時間で導入できます
し、「いい質問とは?」ということをあらかじめ教えていれば、「いい質問をしよ
う」という練習にもなります。

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 共有の時間については、『ライティング・ワークショップ』(ラルフ・フレッチ
ャー、ジョアン・ポータルピ著、新評論、2007年)では、いくつかの方法が紹介され
ています。

 例えば、WW初日の作家の椅子に座った子どもに対して、次のような質問を子ども
たちに投げかけてみます。

● 今読み上げられた文章から、どういうことを学びましたか?
● 上手な点はどこですか?
● これを書いた人に、何か聞いてみたいことはありませんか?

 また、少数の子どもにみんなの前で読み上げてもらう代わりに、クラスの子どもた
ち全員に、自分の書いた一文を読み上げてもらう(お気に入りでも、書き出しの文で
も)という方法もあります(60ページ)。

 子どもたちの年齢が上がってくると、みんなの前で発表したがらないという問題も
起こりうるので、その場合は、ペアやグループでの共有という方法があることも紹介
されています(147ページ)。

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 リア・マーメルスタイン氏は、共有についての本★のなかで、共有について、いろいろな点から詳しく述べています。
 その中には、ペアや小グループでの共有の時間の方法も含まれていて、ペアでの共有のいい点としては、以下を指摘しています。

1.クラス全体での共有の時間に、先生が全体を教えていたからできたことが、今度
は先生の助けなしに、自分たちでやってみることができる。
2.クラス全体の共有には、なかなか貢献できない静かな子どもも貢献できる。
3.自分の書いたものに読者がいる。
4.クラス全体の共有の時間には参加していない子もいる(例えば、その場にはいる
が、他のことを考えていたり)が、ペアの場合は一人ひとりの子どもがより大きな
責任をもっているので、参加していない、という部分が減る。

(★ Leah Mermelstein, Don't Forget to Share, Heinemann, 2007. 84-86ページ
に、ペアで共有することのいい点が詳しく述べられています)。 

 夏休みになって、今学期の授業を振り返るときに、子どもたちが自分の作品をどのように共有していたかにも、目を向けて、そして、いい方法があればぜひ「共有」」してください。

1 件のコメント:

  1. 共有の時間の具体的なアイディアの共有ありがとうございます!
    文集と全体での共有しか一学期はできていなかったので、
    もう少し多様な共有の時間にしてよりよくしていきたいです。

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