2010年8月20日金曜日

低学年へのカンファランスの方法

 コロンビア大学のティーチャーズ・カレッジの読み書きプロジェクトを率いるルーシー・カルキンズ氏は、ドナルド・マレー氏の15分間のカンファランスを受けるために、月に一度、片道3時間30分も車を走らせていた、という有名な話があります。その年には、合計で10回ぐらいのカンファランスを受けたようですが、その10回のカンファランスが、書き手になる、ということを教えてくれたと言っています(The Conferring Handbook、IVページ)(Lucy Calkins, Amanda Hartmen, Zoё White, and The Unit of Study Coauthors、Heinemann, 2003)。

 (★ドナルド・マレー氏は、ピュッリツアー賞も受賞した優れた書き手ですし、ライティング・ワークショップのような教え方に多大なる貢献をした人です)。

 15分のために、片道3時間30分も運転したというこのエピソードを語ることで、それだけカンファランスが大切だということを言いたかったのだと思います。

 このエピソードが書いてある上の本では、前回のブログで紹介した(1)観察して、(2)教えることを決めて、(3)教える、というカンファランスの要素にのっとってーーそしてこの3つの最後に(4)つなげる、という要素もいれてーー、カンファランスの具体例が数多く書かれている本です。カンファランスの具体例の本と言ってもいいと思います。対象の子どもは、主に低学年です。

 上の4つのカンファランスの要素は、どのカンファランスでも必要だと思いますが、教え方にはいくつかの方法があるようです。この本のカンファランス例を見ていると、カンファランスの内容や方法が、いくつかの大きく分類され、それが、それぞれのカンファランス例に、それぞれ明記されていることに気付きました。

 カンファランスの方法については、4つぐらいに分類しています。その4つの方法は、ミニ・レッスンにも使えると述べ、以下のようにまとめています(VII - VIIIページ)ので、そのメモを共有します。

(1)低学年で使う頻度が高いのは「先生が導きつつの練習」

教師が教えたいことを伝え、子どもがそれをしてみるようにする。そのときに、その子がそれをできるように(あるいはより上手にできるように)一歩一歩導いて行く(簡単な助言をしたり、足場/土台をつくっていくような感じで)。できるようになるにつれ、先生の導きを減らす。そして終われば、今したことに名前をつけて、今後も使っていくように言う。

(2)「先生がやって見せる」

 教師が教えたいことを伝え、それをやって見せ、子どもに観察させる。それから子どもにバトンを渡す(子どもの番とする)。(このときに上記の「先生が導きつつの練習」も使うこともある)。そして終われば、今したことに名前をつけて、今後も使っていくように言う。

(3)「やることをはっきりと分かるように伝え、その例を示す」

 とてもとても短い講義のように、教えることを説明して、それについての例を示す。例えば、「書き手は写真家のようなもので、牧草地すべての写真を取る代わりに、焦点を決めて写真をとる」、そんな感じです。そのあとに、例えば、大きなトピックに取り組む中で、その中にある点に焦点を絞って書くことにしたクラスの子の例などを示す。

(4)(低学年ではあまり使われないが)「調べる/探求する」
 あることについて調べて/探求してみて、そこから学べる原則を推定する。





 

2010年8月13日金曜日

(1)カンファランスは問題解決ではない と (2)カンファランスの4つの要素

 こんにちは。今日のWW便りは、見出しに書いた2つのトピックを簡単に書きます。

(1)カンファランスは問題解決ではない

 自分でも「あ、違う」と感じつつも、リーディング・ワークショプ中に、学習者が分からないところの問題を、私が必死でなんとか解決しようとしたことがあります。これでは読み手を育てていない、私が解決するのではなくて、学習者が自分で解決できるような術を教えなくては。。。と思いました。

 もちろん、ライティング・ワークショップも、今書いている作品をよくするだけでなくて、書き手を育てることを目指すので、上と同様のことをしないように注意しなくては、と思います。

 そんな私ですので、「カンファランスとは、教えることであって、問題解決をすることではない」という言葉を見て、ドキっとしましたし、まさにその通りだと思いました。

 これが出てきたのは、Writing Workshop: Working Through the Hard Parts (And They're All Hard Parts) という本 (National Council of Teachers of English, 2001) の157ページで、157-158ページにそのことが説明されています。この本は、Katie Wood Ray という人が書いています。この人も、教室の情景がはっきり分かる具体的ないい本を何冊も書いています。

 157-158ページによると、カンファランスの目的は今ある問題を助けることではないし、教師の助けに生徒が頼ってしまうようになってはだめだということです。学期の初め頃には、よく問題を教師に解決してもらおうと、もってくる生徒がいるそうですが、「それは自分で解決できない? だって、自分で解決できるようになることは必要なんだよ」とまず言うようです。

「どうしても、本当に、教師の助けが必要」な生徒が、「カンファランスを希望する人の名前」を書く紙に自分で名前を書き込めるようにしている教室もあるそうです。しかし、このようなカンファランスをする場合、生徒が教師に依存してしまわないように注意する必要がありますし、そのようなカンファランスの数はごく限られたものにしておくことも必要なようです。

(2)カンファランスの4つの要素

 上の本の160-169ページには、カンファランスの4つの要素が書かれています。

 この4つの部分の最初の3つは、(1)観察して、(2)教えることを決めて、(3)教える、です。この3つは、ルーシー・カルキンズの書いた、書くことの教え方についての本、The Art of Teaching Writing を基にしています。

 ルーシー・カルキンズの書いた、読むことを教えることについての本『リーディング・ワークショップ』(新評論、2010年)で、95−106ページにこの3つの要素の「読むこと版」が詳しく書かれていますので、これを読むとイメージしやすいと思います。

 この3つに加えて、Katie Wood Ray は、4つめに「カンファランスの記録を取る」ことを挙げ、記録を取ることがいかに大切かを力説しています。

 多くの人が言っているように、Katie Wood Ray も、それぞれの教師が自分にとって使いやすい記録の取り方をつくることが必要、でないと結局記録しなくなるから、と言っています。

 Katie Wood Ray の場合は、ほとんどのカンファランスの終わりに、「じゃあ、○○○○のことを書いておくね」と言って、カンファランスで教えたことをまとめるとともに、記録しているようです。

 なお、一人一人の子どもの記録が通して見やすようにしておくというのも大切だと言っています。
 

2010年8月6日金曜日

デザイン(設計)・カンファランス

 こんにちは。今日は書き手とは選択していくものだ、なので、選択することを教えていくのもカンファランスの大切な要素の一つだ、そんな観点から、デザイン・カンファランスについて書きます。

 皆さんは今までどんなカンファランスをされてきましたか? 

 私も、うまくいかないときも多々ありますが、いろいろなカンファランスをしました。題材さがし/書く内容を決めるためのカンファランス、書きたいことが決まったときに、じゃあ、それをどういう形で書く?(例えば、詩にする? 一人称それとも三人称で書く?など)、書いている途中の作品を見ながら、よく書けているところをほめたり、ユーモアのところで思わずくすっと笑ったり、分かりにくいところを質問したり、どうやって終わるの?とか終わりかたは決まっているの?と尋ねたり、超大作になりそうなときは3部作もありだと提案してみたり、いろいろなツールや参考文献の使い方や調べ方を教えたり、もちろん言語事項に関わるカンファランスもたくさんしました。
 
 そんなことを考えながら The Art of Teaching Writing (New Edition)(Lucy McCormick Calkins著、 Heinemann, 1994) を読んでいました。

 ★ 彼女の書く本は、生き生きと読み書きに取り組む子どもたちの様子があちらこちらに出てくる本が多く、書かれていることも具体的なので、得るものが多いです。

 上の本の14章では、「書いている内容についてのカンファランス」、「デザイン・カンファランス」、「プロセス・カンファランス」、「評価のカンファランス」についていろいろと説明されています。

 自分のカンファランスを振り返るときに、自分のカンファランスも、自分なりの分類ができるのだと思いましたし、自分で自分のカンファランスを振り返って、分類してみるのも必要な気がしました。私も少しずつ自分なりの分類をつくっていきたいなと思っています。

 私はこの本のデザイン・カンファランスが、(238−241ページ)を読みつつ、これは自分が時々行うカンファランスの一つなので、これを一つの分類として使おうと思いました。

 デザイン・カンファランスとは、その作品のデザイン(設計)についてのカンファランスです。あたりまえのことですが、このカンファランスには、いろいろな段階があるなあと思いました。

 この本の(238−241ページ)によると、例えば、幼い書き手の場合、起こったことの順番がめちゃくちゃでわかりにくかったり、例えば自分の好きなこと(恐竜とか)について書く場合、恐竜の食べるもの、化石、また食べるもの、等々、カテゴリーにきちんと分類されていなかったりということはよくあるそうです。

 前者の場合は時系列でということを学ぶ必要があり、後者の場合だと、もちろん、はさみで切って情報を分類することも可能ですが、ごちゃごちゃになっている下書きを使って、そこから「見出し」をつくって分けていく、そんなこともできます。

 そのうちに、起こったことを時系列で書く必要がない(山登りの1日を書くときに、最後のシーンから始めてフラッシュバックで書くことも可能)ことも学んでいきます。

 また、あることについて書くときに1〜20まで書こうということがあれば、それを全部書かずに、例えば、1〜20のうち、9〜12に焦点を定めて、それについて書こうというようなことも、学んでいきます。

 また、書く形式ーー詩なのか、回想録なのか、絵本にするのか、手紙形式にするのかーーという選択肢もあります。

 私はこの箇所を読みながら、「書き手のもっている多くの選択、そして書き手がしていかなければいけない選択」ということも考えました。 

 『ライティング・ワークショップ』(ラルフ・フレッチャー & ジョアン・ポータルピ著、新評論、2007年)の「1日目を切り抜ける」(53ページ)に以下のような文があります。

 「『作家には決断が必要です。どうやって書き始めようか、どの単語を使おうか、読者は誰にしようか、どのくらいの長さにしようかと、作家には決めなければいけないことがたくさんあります...<略>』
 教師はここで語った「作家には決断が必要」というテーマを、その後のワークショップでも何度も繰り返して取り上げます」

 デザイン・カンファランスでは、書き手がよりよい「選択をできる」ように助けていくことが大切では?思いました。

 (もちろん、選択肢のレパートリーを持っているかどうかも問われてくるのですが。)

2010年8月4日水曜日

年間計画の立て方

昨日読んでいた本に年間計画の立て方が書いてあったので、メモを共有します。
5年生を題材にしています。

本のタイトルは、When WW isn’t Working? です。(数字はページ数)

第10章 授業計画をどう立てるか?

124 年間計画 ~ 最後は、雑誌作りで終わる。1年間学んだことの集大成。作品・出版の集大成でもあるので、最適。5週間掛かる。日本の6年生の卒業文集と似ている?(自立度は、まったく違うが!)
 ★ここから、逆さまに計画を立てる。つまり、雑誌作りに必要なことを年間かけて押さえていく。
 調査は、社会科や総合的な学習や理科と関連付けられる。物語が嫌いな子は、ノンフィクションで輝ける。他にも、回想録、説明文などを扱う必要がある。(どのジャンルを抑える必要があるかは、指導要領から明らかになる。単に教師がやりたいことではない。)
 年間計画の例は、資料 F。 (これを見てみたい方は、pro.workshop@gmail.comに連絡ください。)

125 ユニット計画
  ユニットの構造:①子どもたちがモデルをじっくり分析する~教師がモデルを示し、いい文章の基準/特徴を自分たちで明らかにする、②下書きを書く(練習する~言葉で話すのも効果的)、③修正する、④出版し、祝う。
  短いユニットでも、長いユニットでも、この構造は変わらない。

126 週単位の計画 (彼らの場合は、毎日WWをすることを前提にしています)
127 ~ 少しの時間も無駄にしないで、教えることは教える

128 1時間の計画 ~ 柔軟性が大切
  45分のWWと、30分のジャーナルと中身の共有が理想。

◆2人の教師の実践の紹介:
131 モデルを示しまくるRoberta ~ テーマを与えて、宿題で書いてきて、翌日何人かが紹介することを数ヶ月やった。みんなの書くレベルがアップした。(テーマは大枠で、その中で選択の自由があることが大切!)
132 子どもたちの作品を紹介した。それらに基づいて、いい文章の特徴をまとめる。
133 オウナーシップがあるからこそ、サイクルの最初から最後までやり通せる。その意味では、自分が選んだ題材であることがカギ。
 教師がモデルを示し続けるので、子どもたちも自分のを見せることに躊躇しない。
 月・火は、ミニ・レッスンに重点。水・木はひたすら書き、金は共有という時間の使い方もあり。

134 Miganの評価の仕方
・ 子どもたちが選んで提出した作品
・ 日々の観察、カンファランスの記録
・ これらによって、子どもの成長を見取り、自分の教え方も改善し続ける
・ 特に、書きたがらない子どもたちには手厚く接する
・ Megan is a teacher, a writer, and a mentor.
 情熱を持って、接することの大切さ。それが伝わってしまうから。
 情熱さえあれば、あとはついてくる。


■以上のポイントをまとめると:
・最後から考え始める(「自立した書き手」は何ができるか、から)
・逆さまに計画を立てる (これは、『効果10倍の学びの技法』の166~172ページで紹介していることです。)
・ユニットの構造というか流れを押さえると、子どもたちはよく学べる
・1時間の計画は柔軟に。毎日、力点をおいてやってもいい
・教師は情熱を持って、モデルを示しまくる!!!
・オウナーシップ(自分のものという意識)を子どもが持つことで、サイクルを回すことをいとわなくなる
・多様な角度から子どもを評価(見取り)続け、サポートする/自分の授業を改善し続ける

2010年7月30日金曜日

自分のメンター(師匠) となる作家

<コンピュータの設定が変わったために、コンピュータの苦手な私は、今日はこのブログへの書き込みに苦労しています。もし、すでに同じようなメールが配信されていましたらすみません。>

 前回のWW便りには、ミニ・レッスンの情報源としていくつか挙げ、その中の一つと
して「本」があることを書きました。

 今日はそれについて少し補足したいと思います。

 ライティング・ワークショップにおける本の大切さは、あちこちで書かれています
が、特にこの点についてしっかり書いてあるのが、この前から何度かWW便りで紹介し
たShelley Harwayneさんが書いた 
Lasting Impressions という本です
(Heinemann, 1992)。1学期、2学期。。。と学期が進むにつれ、ライティング・ワー
クショップにおける本の役割も変わってくる(2ページ)と言っています。

 いろいろな効果があるのですが、その中の一つとして、「自分のメンター(師匠)
となる作家・書き手が存在する」ということがあります。

 
Units of Study for Primary Writing: A Yearlong Curriculum というライティン
グ・ワークショップのシリーズ本があり、その5冊目が
Authors as Mentors です
(Lucy Calkins & Amanda Hartman著、Firsthand Heinemann, 2003).  

 ☆ これはミニ・レッスン、カンファランス、共有案が提示されている、実践者に優しい
本です。☆

 この 
Authors as Mentors (直訳すると、「メンター(師匠)としての作家」)と
いう*「ユニット」案を見ていて、思ったことをいくつか紹介します。

 *ユニットというのは、一つのテーマに基づいた一連の学びです。『リーディング・
ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著、新評論、2010年)の「編訳者まえ
がき」では、ユニットについて「子どもたちに達成してほしいことをどのような順番
で、どのくらいの期間取り組んだらいいかを考え、その内容と方法を決めていく」
(4ページ)と説明されています。

 私が
Units of Study for Primary Writing: A Yearlong Curriculum の5冊目、
Authors as Mentorsで いいなと思ったのは、最初は子どもたちに取り組みやすい作家
を選び、そこからその作家の書くプロセスや作家の技を学び(1~71ページ)、そ
の学びを活かして、新たな作家を自分のメンターにできるように学ぶという点です
(95~116ページ)。

 メンター・テキスト(自分の師匠となるような本)という言い方も使われています。

 例えば新しい作家の本を手にとり、その作家が行っていることに気づいたり(95-
101ページ)、それを使えるようにサポートしたり(103-110ページ)、自分の作品をよくするために、自分の必要に応じてメンター(である作 家、つまり本)に助けてもらう(111-116ページ)ということもできます。

 子どもたちにとって、ある作家の技に気づき、それを見習いたいと思えそうな、そ
んな本を教師は(できれば、いろいろと)知っておく必要があります。ですから、教師にとっては、自分の教えている子どもたちを思い浮かべながらの、夏休みの読書の楽し み?が増えますね!
 

2010年7月23日金曜日

ミニ・レッスンの情報源(を豊かにする) 

 夏休みに入った学校、夏休みに入るまであと何日か残っている学校など、地区によっていろいろだと思います。 

 一区切りしたところで、今後のミニ・レッスンに使えそうなことなどを整理しておいてもいいかもしれません。 

 In the Company of Children という ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップ両方について書かれたとてもいい本があります (Stenhouse, 1996、著者のJoanne Hindley は、前回のWW便りで紹介した Shelley Harwayne が校長先生のManhattan New School にも関わっていた人です)。

 著者のJoanne Hindleyは、ミニ・レッスンのミニ・レッスンの(資料)源として以下を挙げています(20-25ページ)

○ 自分の書き手としての経験

○ 本

○ 教える人のために書かれた本

○ 子ども、同僚、専門家

○ 子どもの書いている様子(子どもの作家ノート、カンファランスから分かったことなど)

***** 

 「明日の授業の準備」に追われない時期は、上のようなミニ・レッスンの情報源を「豊かにする」いい時期かもしれません。 

 例えば、 「自分の書き手としての経験」、これは『ライティング・ワークショップ』でも『作家の時間』でも、「教師はモデル」とか教師も子どもと一緒に書こう等々とあちらこちらで言われていることです。

 でも、どうして? これが必要なのでしょうか。 → 今朝、電車の中で読んでいた本の中に、「よく書けている優れた書き手が書いているときに行っていることを教える」という文が出てきて、なんだかとても納得しました(I Read it, But I Don't Get It, Cris Tovani, Stenhouse, 2000, p.5)。 

 書き手としての経験を共有できるように、「作家ノート」(あるいは自分に合った形のもの)を、この夏、活用したいものです。そして、9月からの、ミニ・レッスンの中に、「子どもたちよりも、ちょっと先輩の書き手」として、自分の経験も織り交ぜて教えていきたいです。

 「本」 ーー これはもちろん読むことと書くことのつながりは切り離せないので、いろいろ読んでおきたいです。 

 「書き出しを教えるのにいいかも」、「会話を教えるのにいいかも」、「自分と違った立場で書くのにいいかも」など、読み終わったあとでも、「書き手の目」で見直して、付箋を貼っておくのもいいかもしれません。

 でも、こういうことを記録するのはすぐに忘れてしまうものです。

 私は記録が下手なので、一つの方法として、自分の入っている学びのグループのメーリング・リストに発信します。

 そうすると、そこに記録が残るので後で探せますし、他の人も同じようなことをしてくれると、紹介できる本も増えます。

 WW関係で、教える人のために書かれた良書は、残念ながら英語で書かれたものが圧倒的に多いです。また、このWW便りでも少しずつ紹介していきたいと思います。 

 また、夏休み、子どもの作品もゆっくり見直して、そこからミニ・レッスンのアイディアを書きとめておくのもいいかもしれません。

 カンファランスのメモがうまく取れなかった人は、「書き手としての子ども」についてのメモを、一緒につくってもいいかもしれません。

 もっとも、作品だけだと、その子どもがどういうプロセスで、どういう方法で書いているのかが分からないので、横に「書いているプロセス」という欄をつくっておいて、その欄を授業が始まってから、しっかりメモしていくことも必要かもしれません。

2010年7月16日金曜日

子どもたちの目から見た、先生が大切にしていること

 学期の終わりに近づくと、アンケートや授業の評価をされる方も 多いと思います。

 授業の評価方法はいろいろとあると思います。 

 例えば、学期の初めと学期の終わりに同じ項目を尋ねて、変化を 見る場合もあると思います。 また、子どもたちに作品の自己評価や振り返りをしてもらうこと もあると思います。 そういえば、『作家の時間』(プロジェ クト・ワークショップ編、新評論、2008年)の資料編に は、「資料9 自分の作品をふりかえる」、「資料10 学期ごと に振り返る」  (206~207ページ)などもありました。 

 そんな「評価」のことを考えながら、Shelley Harwayne の  Going Public:  Priorities & Practice at the Manhattan New School (Heinemann, 1999) を見て いたら、あるページが目 にとまりました。 

 それは、293ページのAppendix 5 の 「先生が何を どの程度大切にしているのかを、生徒の目からみて評価する」とい う感じの、評価シートです。 

 「以下のような項目は、先生にとってどの程度、重要だと思いま すか?」 という 質問があり、「かなり重要の場合は1」、 「まあ重要の場合は2」、「それほど重要 でない場合は3」 を記入するようになっています。 

 その項目を見ていると、「好きな作家を見つけること」もあれば 「テストの成績」もあれば「美しい教室」 といった環境に関 わるものもあります。 

 WWに関して、こういうものをつくって、子どもの目から見て、 教師が大切だと思 っていることが伝わっているのかどうか尋 ねてみる、こういう評価も(別に学期末にこだわる必 要はな いと思いますが)ありなんだなと思いました。 

 なお、「ここに書かれているいろいろな項目から3つを選んで、裏にコメントをしてね」、という文も、この紙には書かれていました。

***  

 上で紹介した Going Public: Priorities & Practice at the Manhattan New School も、とてもいい本です。保護者を巻き込む方 法もいろいろ載っています。 

 保護者の希望者に週に一度、6週間の ライティング・ワークショップをした話なども載っています(171-176ページ)。

 もっとも保護者が6週間で終わってほしくない、ということで、数ヶ月続いたようです。 その効果として保護者との関係の変化、保護者が読み書きを大切に思うようになる、先生が子どもたちに教えていることがどういうことなのかを、自分が体験することを通して理解するようになる(172ページ)などが挙げられていました。