2010年8月27日金曜日

修正を教えるために、先生が書いている途中の自分の作品をつかって教えるミニ・レッスン (学習者同士でそれができるようになるために)

 こんにちは。

 8月20日の書き込み、ちょっとイメージしにくいという反応もいただいたので、もう少し補足したいと思いつつ日が過ぎてしまって申し訳 ありません。近いうちに、他の本も見つつ、もう少し補足できればと思っています。

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 さて、今日は「修正を教えるために先生が書いている途中の自分の作品をつかって教え る」ということについて、少し書きたいと思います。

 よい点を具体的にほめることは、『ライティング・ワークショップ』(新評論、 2007年)でも、推奨されています(41ページ、70-71ページ等)。しかし、教師から見てでき ていないと思う点をどのように扱っていくのかは、かなり工夫が必要だと思います。

 さて、That Workshop Book (Samantha Bellnett著、Heinemann, 2007)という本に、 よりよい修正(しかも子ども同士による)を教えるために、先生の書いたものを使 ってミニ・レッスンで教える、という方法が載っていましたので、紹介します。

 題材さがし、そして下書きをして、それで「完成!」と思う子どもが多いときに は、「修正してよりよくしよう」ということを教えるのには、絶好の機会だと著者は 言っています(125ページ)。

 (以下はこの本の125-130ページからです)。

 それで、「どうやって書き終わった(この作品は完成した)って分かるの? 近く の人と話してみて」と言って、それから子どもたちの発言を基に、クラスで「書き終わったとは?」というリスト をつくります.

(この本に出ているリストを見ると、例えば、「文法を直した」、「チェックリスト をつかった」、「ツールをつかった」等々と書いてあります。
もちろん、こういうこ とは一人でも二人でもできますが、特に友達に読んでもらうことを意識して書かれている印象はありません。人に読んでもらうのを意識した項目は一つだけで、それは 「いろいろなツールを使った」という項目のしたに、「辞書、類語辞典、エキスパー ト、メンター・テキスト」と書いてあって、このエキスパートは、クラスの子で自分よ り、ある分野が得意な子を意識しているのかもしれません)。

 それから先生は自分の書いている途中の作品を取り出します。そして「先生にとっ て、書いている作品をよりよくする最善の方法は、「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックを、その作品にもらうことだ、といいます。

 そして、先生の作品をみんなにその場で読んでもらって、「親切で、具体的で、助けになる」フィー ドバックを一つ、付箋に書いて貼ってもらいます。

 そしてそのあと、子どもたちもそのミニ・レッスンで学んだことをお互いにしてみます。

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→ 「完成した」と思っている子どもたちに、「言語事項を直しなさい」、というのは簡単かもしれません。

 しかし、「作品をよりよくするために(校正でなくて)修正をする」ことを教えるのは、やはり修正してよくなったと実感しないと難しいと思います(修正と校正の違いについては、『ライティング・ワークショップ』(新評論、2007年)の85-88ページをご覧ください)。

 日常生活で、書いている作品をよりよくする最善の方法は、「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックを、その作品にもらうこと」という経験が、教師も生徒も意外に少ないのかもしれません。

 教師自身が、自分の書いているものについて「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックを誰かにする、あるいはしてもらう、そういう仲間が大切かも、と思いつつ読みました。というのは、私自身、「親切で、具体的で、助けになる」フィードバックの価値を実感したのは、比較的最近のことなのです。

 そして、実感すると、それはとても強力なので、益々そう思うのかもしれません。

 そういう仲間がいる人は、ぜひ「仲間にフィードバックをもらう前の作品」と「フィードバックをもらった後の作品」を、実際に子どもに見せて、その価値を熱く語るのもいいのではないかと思います。

2010年8月23日月曜日

番外編: WW出版事情

 WW(ライティング・ワークショップ)に関する本は、日本語でまだ2冊しか出ていません。『ライティング・ワークショップ』(ラルフ・フレッチャー他著)と、それをベースに日本での実践をまとめた『作家の時間』(プロジェクト・ワークショップ編著)です。
 正確には、2.6冊ぐらいと言うべきかもしれません。★
 0.6冊には2冊の本が含まれています。0.1冊分ぐらいは『アメリカの表現教育とコンピュータ』(入部明子著)の中に、WWとしてではありませんが、1970年代から90年代の初頭にかけてのアメリカの作文教育としておおざっぱに紹介されています。
 もう一冊は、正直読んでいませんので、0.1か0.9かわかりません。単純に間をとって0.5にしただけです。本のタイトルは『作文カンファレンスによる表現指導』(木村正幹著)で、カンファランスの仕方の紹介および自分の実践が紹介されています。★★

 それでは、本家のアメリカではどうか、ですが、1983年★★★に最初の本Writing: Teachers & Children at Work, by Donald Gravesが出版されて、1990年ごろからは、翻訳したくなるような本が毎年少なくとも10冊ぐらい出版され続けています。★★★★
 最近の傾向としては、WW全体を扱ったものよりも、作家ノート、メンター・テキストの使い方(本物の作家の作品をミニ・レッスンやカンファランスに使うこと)、小学校低学年でノンフィクションを書く、カンファランスの仕方、修正の仕方、評価を指導にいかに活かすかなど、WWの諸要素を扱ったものに移行しているのが特徴です。
 これは、実践する先生たちのニーズに応えていると同時に、実践している執筆者たちの関心がそういうところに向いている表れだと思います。(この状況は、RWにも同じように言えます。)
 とにかく、それらを読んでいると、WWが進化し続けているのが伝わってきますし、書いている人たちが楽しんで学び続けていることも伝わってきます。そして、その奥の深さも感じさせてくれます。さらに、新たに実践する/書く人たちもドンドン増えていることもです。(他にも、いろいろと気づかせてくれることはあるのですが、「書くこと」以外なので秘密にしておきます。)

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★ 子どもを対象に限定した時は、です。
  大人が対象なら、https://sites.google.com/site/writingworkshopjp/teachers/osusumeで紹介している『あなたも作家になろう 』と『魂の文章術 』がお薦めです。

★★ このように、全体の一部だけを切り取って導入するのは、日本の大きな特徴のようです。RW(リーディング・ワークショップ)の領域では、有元さんがブッククラブを、足立さんがリテラチャー・サークルを紹介しています。
 府川源一郎編著の『読解力UP!小学校全体で取り組む「読書活動」プラン』(明治図書)という本があります。この中には、RWの要素がすべて含まれています。しかし、すべてバラバラでやっているので、残念ながら子どもたちの読む力はつきません。教師はやった気になれ、子どもたちも何かをした体験は記憶に残るかもしれませんが。
 トータルに扱うことが大切なのですが、ブツギリ(単元/教材/言語活動)・アプローチが大好きな日本にとって、これは一番苦手なことのようです。しかし、ある意味では、RWもWWも、難しいことはないわけです。すでに活動としては日本にも存在しているわけですから。そもそもの目標は何か、主役は誰かを設定し直せれば、いいだけなので。
 RWの翻訳本と、府川さんの本を比較読みしてみると、おもしろいかもしれません。

★★★ 実は、この本が出るまでには、15年ぐらいの助走期間があります。この点に興味のある方は、『アメリカの表現教育とコンピュータ』(入部明子著)を読んでください。また、pro.workshop@gmail.comに連絡をいただけると、その本では物足りないところを情報提供します。

★★★★ ということは、現時点でのWWに関する英語と日本語の情報格差は、100対1以上あるということになります。そして、今のままでは広がる一方です。

2010年8月20日金曜日

低学年へのカンファランスの方法

 コロンビア大学のティーチャーズ・カレッジの読み書きプロジェクトを率いるルーシー・カルキンズ氏は、ドナルド・マレー氏の15分間のカンファランスを受けるために、月に一度、片道3時間30分も車を走らせていた、という有名な話があります。その年には、合計で10回ぐらいのカンファランスを受けたようですが、その10回のカンファランスが、書き手になる、ということを教えてくれたと言っています(The Conferring Handbook、IVページ)(Lucy Calkins, Amanda Hartmen, Zoё White, and The Unit of Study Coauthors、Heinemann, 2003)。

 (★ドナルド・マレー氏は、ピュッリツアー賞も受賞した優れた書き手ですし、ライティング・ワークショップのような教え方に多大なる貢献をした人です)。

 15分のために、片道3時間30分も運転したというこのエピソードを語ることで、それだけカンファランスが大切だということを言いたかったのだと思います。

 このエピソードが書いてある上の本では、前回のブログで紹介した(1)観察して、(2)教えることを決めて、(3)教える、というカンファランスの要素にのっとってーーそしてこの3つの最後に(4)つなげる、という要素もいれてーー、カンファランスの具体例が数多く書かれている本です。カンファランスの具体例の本と言ってもいいと思います。対象の子どもは、主に低学年です。

 上の4つのカンファランスの要素は、どのカンファランスでも必要だと思いますが、教え方にはいくつかの方法があるようです。この本のカンファランス例を見ていると、カンファランスの内容や方法が、いくつかの大きく分類され、それが、それぞれのカンファランス例に、それぞれ明記されていることに気付きました。

 カンファランスの方法については、4つぐらいに分類しています。その4つの方法は、ミニ・レッスンにも使えると述べ、以下のようにまとめています(VII - VIIIページ)ので、そのメモを共有します。

(1)低学年で使う頻度が高いのは「先生が導きつつの練習」

教師が教えたいことを伝え、子どもがそれをしてみるようにする。そのときに、その子がそれをできるように(あるいはより上手にできるように)一歩一歩導いて行く(簡単な助言をしたり、足場/土台をつくっていくような感じで)。できるようになるにつれ、先生の導きを減らす。そして終われば、今したことに名前をつけて、今後も使っていくように言う。

(2)「先生がやって見せる」

 教師が教えたいことを伝え、それをやって見せ、子どもに観察させる。それから子どもにバトンを渡す(子どもの番とする)。(このときに上記の「先生が導きつつの練習」も使うこともある)。そして終われば、今したことに名前をつけて、今後も使っていくように言う。

(3)「やることをはっきりと分かるように伝え、その例を示す」

 とてもとても短い講義のように、教えることを説明して、それについての例を示す。例えば、「書き手は写真家のようなもので、牧草地すべての写真を取る代わりに、焦点を決めて写真をとる」、そんな感じです。そのあとに、例えば、大きなトピックに取り組む中で、その中にある点に焦点を絞って書くことにしたクラスの子の例などを示す。

(4)(低学年ではあまり使われないが)「調べる/探求する」
 あることについて調べて/探求してみて、そこから学べる原則を推定する。





 

2010年8月13日金曜日

(1)カンファランスは問題解決ではない と (2)カンファランスの4つの要素

 こんにちは。今日のWW便りは、見出しに書いた2つのトピックを簡単に書きます。

(1)カンファランスは問題解決ではない

 自分でも「あ、違う」と感じつつも、リーディング・ワークショプ中に、学習者が分からないところの問題を、私が必死でなんとか解決しようとしたことがあります。これでは読み手を育てていない、私が解決するのではなくて、学習者が自分で解決できるような術を教えなくては。。。と思いました。

 もちろん、ライティング・ワークショップも、今書いている作品をよくするだけでなくて、書き手を育てることを目指すので、上と同様のことをしないように注意しなくては、と思います。

 そんな私ですので、「カンファランスとは、教えることであって、問題解決をすることではない」という言葉を見て、ドキっとしましたし、まさにその通りだと思いました。

 これが出てきたのは、Writing Workshop: Working Through the Hard Parts (And They're All Hard Parts) という本 (National Council of Teachers of English, 2001) の157ページで、157-158ページにそのことが説明されています。この本は、Katie Wood Ray という人が書いています。この人も、教室の情景がはっきり分かる具体的ないい本を何冊も書いています。

 157-158ページによると、カンファランスの目的は今ある問題を助けることではないし、教師の助けに生徒が頼ってしまうようになってはだめだということです。学期の初め頃には、よく問題を教師に解決してもらおうと、もってくる生徒がいるそうですが、「それは自分で解決できない? だって、自分で解決できるようになることは必要なんだよ」とまず言うようです。

「どうしても、本当に、教師の助けが必要」な生徒が、「カンファランスを希望する人の名前」を書く紙に自分で名前を書き込めるようにしている教室もあるそうです。しかし、このようなカンファランスをする場合、生徒が教師に依存してしまわないように注意する必要がありますし、そのようなカンファランスの数はごく限られたものにしておくことも必要なようです。

(2)カンファランスの4つの要素

 上の本の160-169ページには、カンファランスの4つの要素が書かれています。

 この4つの部分の最初の3つは、(1)観察して、(2)教えることを決めて、(3)教える、です。この3つは、ルーシー・カルキンズの書いた、書くことの教え方についての本、The Art of Teaching Writing を基にしています。

 ルーシー・カルキンズの書いた、読むことを教えることについての本『リーディング・ワークショップ』(新評論、2010年)で、95−106ページにこの3つの要素の「読むこと版」が詳しく書かれていますので、これを読むとイメージしやすいと思います。

 この3つに加えて、Katie Wood Ray は、4つめに「カンファランスの記録を取る」ことを挙げ、記録を取ることがいかに大切かを力説しています。

 多くの人が言っているように、Katie Wood Ray も、それぞれの教師が自分にとって使いやすい記録の取り方をつくることが必要、でないと結局記録しなくなるから、と言っています。

 Katie Wood Ray の場合は、ほとんどのカンファランスの終わりに、「じゃあ、○○○○のことを書いておくね」と言って、カンファランスで教えたことをまとめるとともに、記録しているようです。

 なお、一人一人の子どもの記録が通して見やすようにしておくというのも大切だと言っています。
 

2010年8月6日金曜日

デザイン(設計)・カンファランス

 こんにちは。今日は書き手とは選択していくものだ、なので、選択することを教えていくのもカンファランスの大切な要素の一つだ、そんな観点から、デザイン・カンファランスについて書きます。

 皆さんは今までどんなカンファランスをされてきましたか? 

 私も、うまくいかないときも多々ありますが、いろいろなカンファランスをしました。題材さがし/書く内容を決めるためのカンファランス、書きたいことが決まったときに、じゃあ、それをどういう形で書く?(例えば、詩にする? 一人称それとも三人称で書く?など)、書いている途中の作品を見ながら、よく書けているところをほめたり、ユーモアのところで思わずくすっと笑ったり、分かりにくいところを質問したり、どうやって終わるの?とか終わりかたは決まっているの?と尋ねたり、超大作になりそうなときは3部作もありだと提案してみたり、いろいろなツールや参考文献の使い方や調べ方を教えたり、もちろん言語事項に関わるカンファランスもたくさんしました。
 
 そんなことを考えながら The Art of Teaching Writing (New Edition)(Lucy McCormick Calkins著、 Heinemann, 1994) を読んでいました。

 ★ 彼女の書く本は、生き生きと読み書きに取り組む子どもたちの様子があちらこちらに出てくる本が多く、書かれていることも具体的なので、得るものが多いです。

 上の本の14章では、「書いている内容についてのカンファランス」、「デザイン・カンファランス」、「プロセス・カンファランス」、「評価のカンファランス」についていろいろと説明されています。

 自分のカンファランスを振り返るときに、自分のカンファランスも、自分なりの分類ができるのだと思いましたし、自分で自分のカンファランスを振り返って、分類してみるのも必要な気がしました。私も少しずつ自分なりの分類をつくっていきたいなと思っています。

 私はこの本のデザイン・カンファランスが、(238−241ページ)を読みつつ、これは自分が時々行うカンファランスの一つなので、これを一つの分類として使おうと思いました。

 デザイン・カンファランスとは、その作品のデザイン(設計)についてのカンファランスです。あたりまえのことですが、このカンファランスには、いろいろな段階があるなあと思いました。

 この本の(238−241ページ)によると、例えば、幼い書き手の場合、起こったことの順番がめちゃくちゃでわかりにくかったり、例えば自分の好きなこと(恐竜とか)について書く場合、恐竜の食べるもの、化石、また食べるもの、等々、カテゴリーにきちんと分類されていなかったりということはよくあるそうです。

 前者の場合は時系列でということを学ぶ必要があり、後者の場合だと、もちろん、はさみで切って情報を分類することも可能ですが、ごちゃごちゃになっている下書きを使って、そこから「見出し」をつくって分けていく、そんなこともできます。

 そのうちに、起こったことを時系列で書く必要がない(山登りの1日を書くときに、最後のシーンから始めてフラッシュバックで書くことも可能)ことも学んでいきます。

 また、あることについて書くときに1〜20まで書こうということがあれば、それを全部書かずに、例えば、1〜20のうち、9〜12に焦点を定めて、それについて書こうというようなことも、学んでいきます。

 また、書く形式ーー詩なのか、回想録なのか、絵本にするのか、手紙形式にするのかーーという選択肢もあります。

 私はこの箇所を読みながら、「書き手のもっている多くの選択、そして書き手がしていかなければいけない選択」ということも考えました。 

 『ライティング・ワークショップ』(ラルフ・フレッチャー & ジョアン・ポータルピ著、新評論、2007年)の「1日目を切り抜ける」(53ページ)に以下のような文があります。

 「『作家には決断が必要です。どうやって書き始めようか、どの単語を使おうか、読者は誰にしようか、どのくらいの長さにしようかと、作家には決めなければいけないことがたくさんあります...<略>』
 教師はここで語った「作家には決断が必要」というテーマを、その後のワークショップでも何度も繰り返して取り上げます」

 デザイン・カンファランスでは、書き手がよりよい「選択をできる」ように助けていくことが大切では?思いました。

 (もちろん、選択肢のレパートリーを持っているかどうかも問われてくるのですが。)

2010年8月4日水曜日

年間計画の立て方

昨日読んでいた本に年間計画の立て方が書いてあったので、メモを共有します。
5年生を題材にしています。

本のタイトルは、When WW isn’t Working? です。(数字はページ数)

第10章 授業計画をどう立てるか?

124 年間計画 ~ 最後は、雑誌作りで終わる。1年間学んだことの集大成。作品・出版の集大成でもあるので、最適。5週間掛かる。日本の6年生の卒業文集と似ている?(自立度は、まったく違うが!)
 ★ここから、逆さまに計画を立てる。つまり、雑誌作りに必要なことを年間かけて押さえていく。
 調査は、社会科や総合的な学習や理科と関連付けられる。物語が嫌いな子は、ノンフィクションで輝ける。他にも、回想録、説明文などを扱う必要がある。(どのジャンルを抑える必要があるかは、指導要領から明らかになる。単に教師がやりたいことではない。)
 年間計画の例は、資料 F。 (これを見てみたい方は、pro.workshop@gmail.comに連絡ください。)

125 ユニット計画
  ユニットの構造:①子どもたちがモデルをじっくり分析する~教師がモデルを示し、いい文章の基準/特徴を自分たちで明らかにする、②下書きを書く(練習する~言葉で話すのも効果的)、③修正する、④出版し、祝う。
  短いユニットでも、長いユニットでも、この構造は変わらない。

126 週単位の計画 (彼らの場合は、毎日WWをすることを前提にしています)
127 ~ 少しの時間も無駄にしないで、教えることは教える

128 1時間の計画 ~ 柔軟性が大切
  45分のWWと、30分のジャーナルと中身の共有が理想。

◆2人の教師の実践の紹介:
131 モデルを示しまくるRoberta ~ テーマを与えて、宿題で書いてきて、翌日何人かが紹介することを数ヶ月やった。みんなの書くレベルがアップした。(テーマは大枠で、その中で選択の自由があることが大切!)
132 子どもたちの作品を紹介した。それらに基づいて、いい文章の特徴をまとめる。
133 オウナーシップがあるからこそ、サイクルの最初から最後までやり通せる。その意味では、自分が選んだ題材であることがカギ。
 教師がモデルを示し続けるので、子どもたちも自分のを見せることに躊躇しない。
 月・火は、ミニ・レッスンに重点。水・木はひたすら書き、金は共有という時間の使い方もあり。

134 Miganの評価の仕方
・ 子どもたちが選んで提出した作品
・ 日々の観察、カンファランスの記録
・ これらによって、子どもの成長を見取り、自分の教え方も改善し続ける
・ 特に、書きたがらない子どもたちには手厚く接する
・ Megan is a teacher, a writer, and a mentor.
 情熱を持って、接することの大切さ。それが伝わってしまうから。
 情熱さえあれば、あとはついてくる。


■以上のポイントをまとめると:
・最後から考え始める(「自立した書き手」は何ができるか、から)
・逆さまに計画を立てる (これは、『効果10倍の学びの技法』の166~172ページで紹介していることです。)
・ユニットの構造というか流れを押さえると、子どもたちはよく学べる
・1時間の計画は柔軟に。毎日、力点をおいてやってもいい
・教師は情熱を持って、モデルを示しまくる!!!
・オウナーシップ(自分のものという意識)を子どもが持つことで、サイクルを回すことをいとわなくなる
・多様な角度から子どもを評価(見取り)続け、サポートする/自分の授業を改善し続ける