2026年4月10日金曜日

生徒を読むこと好きにする10の方法 ― すべての(教科の)教師と、保護者・管理職ができるサポート

 教師として、私は生徒たちに「読むことを好きになってもらうこと」に夢中でした。私自身、本を読むことが大好きで、子どもの頃からそうでした。自分の子どもにも本を読むことを好きになってほしいという思いは同じで、実際にそうなっています。自分が「使命」に取りつかれていることはよく分かっていますが、それだけ価値のある使命だとも確信しています。ここでは、どんな教科を教える教師でもこの使命に参加できる10の方法、そして保護者や管理職がどのように支援できるかを紹介します。

 

1.  読むこと。

まずはとてもシンプルな第一歩です。子どもたちに読むのを勧めたいなら、私たち自身も読まなくてはなりません。楽しみのために、情報を得るために、説明を読むために、人とつながるために――とにかく読むこと。最近よりも、ほんの少しだけ多く読んでみましょう。

 

2.  読んだ体験を共有すること。

同僚、友人、生徒たちと読んだ本の話をしましょう。何を読んでいるのか、その本から何を得たのか、どんな本をおすすめしたいのかを伝えます。
 私は教師として、生徒たちに自分が読んでいる本のことを意識的かつ定期的に話していました。どこで読んでいるか(「お風呂で読むの!」)も話し、読んだ本を学校に持っていき、抜粋を読んで聞かせ、朝読やリーディング・ワークショップの「ひたすら読む」時間には自分も一緒に読み、週末に読むことができるのを待ちきれないことや、ブッククラブでの話し合い、夫と読み聞かせ合っている物語のことなども話しました。こうした行動を通して、「読み手はどんなふうに本と関わるのか」を見せるのです。

最近、Goodreads ★というサービスを知りました。読んだ本を共有したり、おすすめをもらったり、友人が書いたレビューを読んだりできて、とても楽しくて、読書と(読んだことの)やり取りは本当に相性抜群だと改めて感じました。もしあなたが Goodreads を使っているなら、ぜひつながりましょう。あなたが何を読んでいるのか、ぜひ知りたいです。子ども向けに同じようなサービスがあるのかどうかも気になっています。誰か知っていますか。★★

 

3.  生徒同士が読書を通じて交流できる場をつくる。

ブッククラブや読書会などを設定しましょう。多くの生徒(特に男子)は、読んだ本や文章をめぐって仲間とやり取りすることで理解が深まり、読書がぐっと楽しくなります。大人はそのことをよく知っています(私たちはブッククラブに参加したり、Goodreads に何時間も費やしたりしますよね)。だからこそ、子どもたちにも同じような体験をさせてあげましょう。

 

4.  Read-a-Thon(読書マラソン)を企画する。

これは、保護者や管理職が中心となって準備できる素敵なイベントです。息子の学校でも最近Read-a-Thonが行われ、彼にとって一年で一番のハイライトになりました。子どもたちはパジャマを着て、枕やお気に入りのぬいぐるみを学校に持ってきて、好きな本を読み返したり、「チャレンジ本」を選んだりしました。保護者はおやつを用意し、先生や管理職も読み聞かせをしました。とても楽しく、コミュニティーづくりにもつながり、しかも多くの資金も集まりました。

 

5.  校外学習に出かける。

読書を「社交的でワクワクするもの」にする、もうひとつの方法です。地域の図書館、大学図書館、本屋さんを訪れてみましょう。目的は本を借りたり買ったりすることではありません。何千冊もの本に囲まれ、美しいページに触れ、紙の上に広がる無限の可能性を感じ、「知りたい」「探検したい」という気持ちが湧き上がる――その体験こそが大切なのです。

私の家族は、週末にいろいろな本屋を巡る小さな旅をよくします。それをひとつの冒険にして、「良い本屋ってどんな本屋だろう?」と話し合ったりして、ただただ楽しい時間になります。こうした校外学習は、保護者が企画しやすく、管理職も支援・後押ししやすいイベントです。

 

6.  オーディオ・ブックを聴く。

生徒たちにもオーディオ・ブックを聴く機会をつくりましょう。短い抜粋を流してみるのも良い方法です。私にとって、オーディオ・ブックは「読書」に含まれます。
 文字を読む力(デコーディング)や流暢さを鍛えるわけではありませんが、語彙が増え、理解のための方法★★★を使い、物語を楽しんだり情報を得たりできます。私が聴いたオーディオ・ブックの中には、紙の本を読んだとき以上に心に残っているものもあります。
 耳で聴くことで、頭の中が自由になり、場面を思い浮かべて強いイメージをつくることができたからです。(リチャード・ライトの『ネイティヴ・サン : アメリカの息子』、上岡伸雄訳、新潮社、2023年)はその一つで、本当に素晴らしい体験でした。

 

7.  作家を招いて話をしてもらう。

これも管理職や保護者が支援しやすい活動です。本物の作家の話を直接聞くことは、子どもたちに大きな影響を与えます。できれば、生徒たちと似た背景をもつ作家であればなおさら、読むことや書くことについての話が深く響きます。

 

8.  読書と社会的・歴史的な問題を結びつける。

私は最近、ハーパーズ誌でとても興味深い記事を読みました。マリで、イスラム武装勢力がトンブクトゥを占拠した際、人々が古代の聖なる文書をどのように隠して守ったか、という内容です。本や読書は、常に政治と深く関わってきました(禁書の歴史や、奴隷が読み書きを禁じられていたことなどを思い出してください)。読書の重要性には、広い歴史的・政治的背景があることを生徒に伝えることで、読書への理解と価値づけがより深まります。

 

9.  特定の集団に固有のニーズを学ぶ。

読み書きを教える立場にある人は、特に支援が必要な対象にどのように教えるかについて、専門的な学びを深める必要があります。私が中学校での読み方の教え方を大きく変えるきっかけになった本の一冊が、ウィルヘルム&スミスの Reading Don't Fix No Chevys です。男子を教えるなら、この本は必読です。同じくらい大きな影響を受けたのが、A. Tatum Teaching Reading to Black Adolescent Males でした。すべての学習者のニーズに応えることが、私たちの役割です。

 

10.  読むスキル★★★★を教える。

最後に、私はすべての教科の教師が読むスキルを教える責任を担うべきだと考えています。教科ごとに扱うテキストのジャンルは異なり、それぞれに合った読み方があります。だからこそ、教師は「読むスキルをどう教えるか」について研修を受け、生徒に指導できるようになる必要があります。

子どもたちは、読めなければ読むのを楽しめません。
誰だって、ものすごく難しいことを好きにはなれません。

読書への前向きな気持ちを育てると同時に、「読めるようになるためのスキル」も与えなければならないのです。

 

私たちにできることは、まだまだたくさんあります。教育委員会のトップから教室の教師、管理員さん、保護者会まで、みんなが関われます。このリストを「20の方法」に増やしたくなるほどですが、いったんここで区切って、あなたのアイディアもぜひ聞かせてください。

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生成AIの時代は、アイディアを増やすことは容易です。いいのや、もっともらしいのを10でも、20でも挙げてくれます。大事なのは、その中で「自分にとって大切なものと、大切でないものは何かを選択し、その判断に基づいて行動する」という意味でのクリティカルな思考です!

 

出典:https://www.edutopia.org/blog/cultivating-love-reading-students-elena-aguilar  (この記事は、『教師のためのアート・オブ・コーチング』の著者エリーナ・アギラ―さんによって2013年2月13日に書かれた記事です。)

 

★日本では、読書メーターが一番近く、他にブクログやLibrizeなどがあります。

★★10年以上前に、Spaghetti Book Clubhttps://www.spaghettibookclub.org/)というのがあるのを知り、その日本版をスタートするのを画策しましたが実りませんでした!

 他にも、https://www.biblionasium.com/https://www.dogobooks.com/https://www.krkb.org/http://www.kids-bookreview.com/などもあるようです。どなたか日本版をつくりませんか?

★★★理解(解釈)のための方法には、関連づける、イメージする、質問する、推測する、要約する、何が重要かを判断する、自分の理解をモニタリングし続ける、クリティカルに読むなどが含まれます。これらが詳しく紹介されている本に、『「読む力」はこうしてつける』と『理解するってどういうこと?』があります。

 ちなみに、この記事が書かれたのは13年前の2026年です。日本でもようやくオーディオ・ブックが流行ってきましたが、アメリカでは13年前すでに学校教育に当たり前に導入されていたようです。

★★★★読むスキルには、読む前に内容を予測したり、要点を押さえたり(Skimming)、目的を設定したり、読んでいる最中に、精読したり、文章構造をつかんだり、語彙の推測をしたり、注釈をつけたり、読み終わった後には、要約したり、言い換えたり、質問づくりをしたり、読書ノートに書いたり、共有したり、次の本を選んだりすることなどが含まれます。日本で読むスキルとして扱われるのはどちらかというとこちらの方が中心で、上記の「理解(解釈)のための方法」の方は手薄です。

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