2026年5月8日金曜日

生徒が読むのを好きになる12の方法

 読むことを好きになる心を育てるには、まず「読む理由」を与え、生徒が本にワクワクできるようにすることから始まります。

 

1.  読んだ体験をふり返る。

私たちは、楽しいと感じたり、価値があると思ったりすることしか続けません。子どもが「学びがあった」「物語に夢中になれた」といった前向きな読みの体験をしたときには、その体験を言葉にできるよう導きましょう。どんなふうに感じたのか、何が良かったのかを考えたり話したりすることで、「本を読むことは自分にとって良いものだ」という実感が心に刻まれ、また読んでみようという気持ちにつながります。

 

2.  オーディオ・ブックを聴く。

オーディオ・ブックには、たくさんのメリットがあります。読むために必要な「機械的なスキル」★はいったん脇に置いて、物語の展開や登場人物、声のアクセントに集中でき、物語の世界に没頭できます。読むことに苦手意識のある子にとっては、これはご褒美のような体験です。年齢に合った本に時々アクセスできるようにする方法としても効果的で、読書への興味を引き出すきっかけになります。

 

3. 読む理由を見つける。

目的が見えないことを、私たちは進んでやろうとはしません。
子どもたちが「なぜ読むのか」を考える機会をつくればつくるほど、読書への主体的な関わりが高まります。私が中学校で教えていた頃、毎年最初の授業で「Why Read?(なぜ読むの?)」という活動をしていました。生徒たちに「読む理由」をできるだけたくさん挙げてもらうのです。これがとても楽しくて、クラス同士で「どちらが多く理由を出せるか」を軽く競わせると、6年生らしいエネルギーが湧き上がりました。出てきた理由は教室の壁に一年中掲示していました。

  →『「読む力」はこうしてつける』の41~45ページ

 

4. 言葉へのワクワクを生み出す。

子どもと一緒に読むとき、毎回ひとつかふたつ「ワクワクできる言葉」を見つけてあげましょう。新しい言葉でも、使ってみたいと思う言葉でも、あるいは使わないかもしれない言葉でも構いません。音の組み合わせが面白かったり、気持ちや場所をぴったり表す言葉を見つけたりする喜びを味わわせます。その言葉を声に出して繰り返し、いろいろな文脈で使ってみる。ただ遊ぶように、楽しむように扱えば十分です。一度の読書で取り上げる言葉は多すぎないように。ひとつかふたつで十分です。読書とは、つまるところ「言葉」の世界なのです。

 

5. 男の子が必要とするものを学ぶ。

私が中学校で読みの指導をしていた頃、マイケル・スミスとジェフリー・ウィルヘルムの Reading Don't Fix No Chevys を読んでから、読む教え方が劇的に変わりました。この本のアイディアを実践すると、男子生徒たちの読むことへの興味と理解が一気に高まったのです。同じアプローチは、私自身の息子を育てる中でも役立っています。要するに、ノンフィクションや実用的な内容のテキストをたくさん提供することです。これが彼らにとって「読んでみたい」と思える入り口になり、実際に息子にも効果がありました。

 

6. 教育的なグラフィック・ノベルを読む。

子どもたちには、教育的なグラフィック・ノベルを含む、さまざまなジャンルの本を提供しましょう。特に人気が高く、非常によく書かれている作品としては、

  • Resistance(ナチスに抵抗したフランスのレジスタンス運動を描いた三部作)
  • Boxers and Saints(ボクサー反乱を描いたジーン・ルエン・ヤンの三部作)★★

があります。私の息子は、これらの作品を何度も繰り返し読んでいます。

 

7. 本を何度も読む。

多くの幼い子どもは、同じ本を何度も読んでもらうことが大好きです。この習慣は、子どもが大きくなってからも続けてよいものです。年長の子どもにも、同じ本を繰り返し読むことを「許可」してあげましょう。そして、再読する中でどんな体験をしているのか尋ねてみます。

  • 今回はどんな新しい発見があった?
  • 前とはどんなふうに見え方が変わった?
  • 今回特に良いと思ったところはどこ?

こうした問いかけが、読む体験をより深く、豊かなものにしていきます。

 

8. 子どもたちの意見を聞く。

子どもたちに、「どうしたら読むのをもっと好きになれると思う?」と尋ねてみましょう。読むことを好きになるプロセスに、彼ら自身を「主体的な参加者」として巻き込むのです。何にワクワクするのか、どんなときに読むのが楽しいと感じるのかを聞いてみると、驚くほど多くのヒントが得られます。実際、次の提案は、私が12歳の息子に意見を聞いたときに出てきたものです。

 

9. 物語について話す。

読み聞かせや一緒に読んでいるとき、途中で立ち止まって「今何が起きている?」と話してみましょう。登場人物について語り合ったり、次に何が起こりそうか予想したり、他の経験や本とつなげたりするのも効果的です。これらは基本的な「理解するための方法」ですが、同時に子どもを物語の世界に深く引き込む方法でもあります。

 

10. 読み方そのものを教える。

私が6年生を教えていた頃、「どうすれば生徒が読むのを好きになるか」をテーマに3年間のアクションリサーチを行いました。その中で意外だったのは、生徒に「読み方そのもの」を具体的に教える必要があるという発見でした。物語の面白さや言葉の美しさ、登場人物の成長、ノンフィクションから得られる知識――それらを楽しむだけでは不十分だったのです。子どもたちは、とても難しいことを好きにはなれません。だからこそ、彼らの読書レベルを把握し、読むスキルの抜けを埋める支援をする必要がありました。

 

11. “読者としての姿を見せる。

教師や保護者は、子どもの前で実際に本を読みましょう。読書について話し、なぜ読むのかを語り、自分の生活や世界と読んだことを結びつけてみせます。読むことが生活を豊かにしていることを、具体的な場面で示すのです。たとえば、レシピを読んで料理を作るとき、家具を組み立てるとき、インターネットで疑問を調べるとき――「読む力」がどれほど役に立っているかを自然に伝えられます。

 

12. 読書に関わるお出かけをする。

図書館へ校外学習に行く(保護者なら週末に一緒に行く)。本屋さんに行って、ただぶらぶらしながら本を眺める。歩きながら、子どもと一緒に「何が目に留まる?」「どのタイトルが気になる?」「どんな表紙が好き?」と話してみましょう。本の裏表紙を読んだり、ページをめくったり、普段行かない棚に迷い込んだりして、読書の世界を「探検」します。宝探しゲームのようにしても楽しいです。

  • 切手収集の本を探してみよう
  • 古代ローマについての本を見つけよう
  • 自分と共通点のある人の回想録を探してみよう

こうした遊び心が、読書への興味を大きく広げます。

 

最後に

あなたの生徒やお子さんにとって、どんな方法が読むことを好きになるきっかけになりましたか。ぜひコメント欄で共有してください。

 

出典:https://www.edutopia.org/blog/12-ways-nurture-love-reading-elena-aguilar

(この記事は、『教師のためのアート・オブ・コーチング』の著者エリーナ・アギラ―さんによって2016年2月12日に書かれた記事です。4月10日の記事の続編的な位置づけです。)

 

★これは、4月10日に紹介した10番目に書いてある「読むスキル」の方です。本に没頭するためにはもう一つの「理解(解釈)のための方法」を使いこなさないと、楽しんで読むができません!

★★ このシリーズ2冊の邦訳はありません。代わるものとして、

・『はだしのゲン』(中沢啓治)

・『マンガで読むナチスの時代』シリーズ 汐文社

・学習まんが 世界の歴史シリーズ(3つぐらいの出版社から出ている)

『マンガ版 100de名著』シリーズ(NHK出版)

・『学習まんが人物館』シリーズ(小学館) などがあります。

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