子どもたちに、映画やビデオづくりの課題を出すとイキイキします。
子どもたちは、すでにマルチ・メディア時代に生きていますから。
そうなると、従来の印刷された文字媒体だけの学習環境から、多様なメディアを活用する学習環境への転換も求められています。
When Writing with
Technology Mattersという本では、マルチ・メディアを使う効用として、以下の10項目が紹介されています。
1 目的/成果品は大切。同時に、プロセス(過程での学び)も大切
魅力的な成果品(映画づくり)があるので、子どもたちは過程をいとわない。平気で乗り越えてしまう子たちが多い。発表前の1週間ぐらいは寝るのも惜しんで。
2 コミットメントの違い
これは多分に、魅力ある成果品(映画づくりとビデオづくり)がもたらしている。ハードルが高い分(本当の対象に向けての製作物なので)、打ち込み方が違う。子どもたちの中には、睡眠時間3時間というような子たちも結構いた。そうしないと完成しなかったから。
3 批判的思考、創造性、問題解決、意思決定がふんだんにあった ~ 一人で、チームで
成果品の発表の日程だけが決まっていて、残りのスケジューリングはすべて任されていたので、自分たちでやらない状態に置かれていた。それが、社会人基礎力のすべてを満たすことにも。
4 探究スキル ~ すべてのメディアから情報収集し、それを加工して発信する力
書く前の一時期だけでなく、常日頃行うものに転換する。
5 協力して事に当たれる力
個人でやれることとチームとしてできることとの違い ~ 個人執筆・分担執筆から共同執筆の時代へ
6 教師以外の本当の対象に発表することの大切さ
YouTubeに瞬時に載せられる時代!! 「テストにパスすればいい」というレベルとは違う。切実感が。一夜漬け(二夜漬け)でこなせるレベルとは。 本当のフィードバックが、さらなる学びにつながる。
7 修正する(し続ける)ことの大切さを認識
まさに、re-visioning(修正し続ける=絶えず、ビジョンを考え続ける)のプロセスになっている。これは、1~6すべてがあったから? 単に下書きの後でするというのではない!
8 たくさんのジャンルに触れ、かつ使いこなす機会
9 教師のスタンスは大切
子どもたちはできると信じないとできない。みんな違うことをしているんだから。子どもたち相互に学び合えることも。
10 エンパワーする(元気づける)アプローチ
みんな学んでいることが違う。同じ部分もあるが。いいところを伸ばすアプローチ。教師も学べるアプローチ。そして、その元気を教室の外ともシェアする!!
上記の本で具体的に紹介されているプロジェクトの事例は、以下の2つです。
なお、注目していただきたいのは、これらをする過程で、しっかりと読むことと書くことが位置づけられていることです。それらを目的として位置づけるのではなく、手段として。そうすると、子どもたちは違和感なく(というか、抵抗感なく)取り組んでしまうのです。目的である映画をつくるために。
① 小学校高学年の「映画づくり」プロジェクト
・読み ~ 小説を読み、ブッククラブをし、ブログに書いた。RW
具体的には、たとえば『テラビシアにかける橋』や『ギヴァー』(『ギヴァー』もこの秋には映画が公開されるので、本と映画の比較のレッスンも可能になります。)
・書き ~ 小説をベースにシナリオを書く。WW
・実際に映画づくり ~ Window’s
movie makerを活用
② 中学校の歴史を書くプロジェクト ~ 時代は中世からルネサンスが対象
・読み ~ この時代の小説を読んで、ブッククラブをし、探究プロジェクトのテーマを挙げる。 RW
・探究 ~ 本とオンラインの両方を使って調べる。歴史の授業
・書き ~ 多様なジャンルで調べて発見したことをまとめる(個人とチーム・プロジェクト) WW
・ビデオづくり ~ 時代について知ってもらうためのビデオの製作
参考:When Writing with Technology Matters, by Carol Bedard and Charles
Fuhrken
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