「カンファランスの新たな可能性」の連載第5回目です。
出典は、Let's Talk: Managing One-on-One,
Peer, and Small-Group Conferences, by Mark Overmeyer の「パート2 生徒同士の話し合い」です。
日本でライティング・ワークショップを導入し始めた時から、カンファランス(特に、生徒数が多いクラスで教師が一人で全員をやり続けること)は大きな課題だと言われ続けてきました。
それを乗り越えるいい方法が、この生徒同士による「ピア・カンファランス」です。
第5章 ピア・カンファランス
79 誰にとっても価値がある。
しかし、教師によるカンファランスとの違いも認識しておく。
作家の椅子などのやり取りを見ながら、誰が金魚鉢でピア・カンファランスのモデルを示すのがいいのかを見定める。
80 ミニ・レッスンで教えていくことも可能。本物の作家たちもしていること。
「何について話せるか?」
81 単に「読んでみて」と言わずに、見てもらう方が(アドバイスがほしい方が)特に何についてアドバイスがほしいかを言う(焦点を絞る)。そうすることで、見るほうも楽になる/言いやすくなる。
教師はピアではないので、モデルを示すのはおかしい!!
練習をさせて、うまくやっているペアを見つけて、金魚鉢で見本を示してもらう。
83 いいピア・カンファランスで、書き手と聞き手がしていることのリスト
書き手: ・何についてアドバイスがほしいかを言う。
・作品(下書き)のコピーを聞き手に渡す。
・作品を読み聞かせる。
・聞き手のアドバイスをメモする。
聞き手: ・よく聞く。
・はっきりしないところを尋ねる。
・以下のような仮定の文章でアドバイスする。
~するといいかもしれない。
~できるかもしれない。
もし~したらどうだろう。
2つの成果がある。
①聞き手のアドバイスを採用して、よりよい文章になる。
②自分が聞き手を体験することで、よりよい文章を書けるようになる。
つまり、書き手だけでなく、聞き手にとってもメリットがある。(←これは、教師にはない、とても貴重な成果!!)
85 はっきりさせるための質問は、大人よりもうまい → 大切な友だち
86 どこについてのアドバイスがほしいかを書き手が提示するのも、とても効果的
また、言語事項よりも内容に焦点を当てるのが、成功の鍵。
これに関しては、出来・不出来の差がない(少ない)から。誰もが、ストーリーをもっている。
内容に焦点を当てると、みんな基本的には同じレベルで話し合える。
言語事項に関しては、アドバイスを鵜呑みにしがちなので、とても危険 !!!
言語事項のカンファランスは、教師に任せる。あるいは、それが得意な子に??
ピア・カンファランスの主導権は、常に書き手がもっている。
87 ピアの組み合わせのいろいろ: 決まったペア、誰でも、日を決めてみんなでする、参加しないという選択肢も、など。
88 ピア・カンファランスが機能しているのか否かは、チェックする(評価してもらう)
→ 常にチェックしながら、進める。固執する必要はない。機能していないなら、やらない。書き手をサポートすることが目的で、弊害があるなら時間の無駄。全員がする必要もない。
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