2023年4月8日土曜日

「パンダ読み」ならぬ「パンダ書き」のお薦め

 今日の投稿は、一つの作品に取り組んでいる間に、その作品以外の書くことに取り組むこと、つまり「パンダ書き」(あるいはレインボー書き)を、ライティング・ワークショップで紹介することについてです。

 「パンダ読み」(あるいはレインボー読み)というのは、『改訂版 読書家の時間』(新評論、2022年)で「複数の本を同時に読むことを教えるミニ・レッスン」(61-63ページ)で登場しています。3種類ぐらいの本の面白さを楽しんでいる教師が、白と黒が代わりばんこに出てくることにたとえて「パンダ読み」と呼んでいます。また、虹色みたいに様々な楽しさを味わえるので、「レインボー読み」と言う人がいることも紹介しています。

 私は「パンダ読み」を日常的に行っています。考えてみると「パンダ書き」もそうです。書くことにおいて、いろいろな長さや目的のものに同時進行的に取り組み、その複数のものの間を行ったり来たりしている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、「パンダ書き」は、ライティング・ワークショップのミニ・レッスンのトピックとして、私はこれまで考えたことがありませんでした。

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 「パンダ書き」を考えるきっかけになったのは、『Writing Clubs』(★1)で、「サイド・プロジェクト」が紹介されていたことが、きっかけです。「サイド・プロジェクト」は、メインで取り組んでいる作品が順調にいっていないとき、あるいはメインで取り組んでいるものから少し休憩をとりたい時に、取り組みます。

 充実感一杯の、頑張ったプロジェクトが終わり、そのあとすぐに「しっかりした次の作品」に多大なるエネルギーをかけるのが難しいような時期も、サイド・プロジェクトの出番です。次の作品に向けてうまくスタートできない子どもも、サイド・プロジェクトがあることで、「途切れることなく」書き続けていくことができます。ライターズ・ブロックと言われる、書き手が行き詰まってしまう状態になったときも、サイド・プロジェクトがあれば、書き続けることができます(『Writing Clubs』123ページ)。

 また、子どもたちが、安心して、書くことにおける冒険や遊びができるような「やってみる」時間を設けるという方法もあります(『Writing Clubs』123ページ)。新しいジャンルや新しい作家の技を学んだ時など、それを使うとどうなるのか、一場面あるいは一部に限ってやってみるということもできます(『Writing Clubs』113ページ)。この「やってみる時間」は、作品を完成させるというプレッシャーを感じずに書いてみる、書くことを楽しむことが目的です。好きなように、安心して書くことを楽しむ時間を、時折、確保することで、書く楽しさを(再)発見できれば、もっと書いてみようと思えます。そしてもっと書いていけば、もっと上手になっていくという好循環に繋がりそうです。

 いろいろな種類や目的の書くことがある中で、パンダ書きやレインボー書きは、「途切れずに書く」「書く楽しさの再発見」のサポートという観点で、導入を考えてみてもいいように思います。

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★1 著者はLisa EickholdtとPatricia Vitale-Reilly、Stenhouse より2022年に出版。この本は、ここしばらく読んでいることもあり、2023年3月11日土曜日の投稿「書き手の目で読む 〜メンター・テキストを使う二つのタイミング」、2023年3月24日金曜日の投稿「ジャンルごとのユニット vs 自ら選択したジャンルで書くという喜び」でも紹介しています。


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