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2012年6月22日金曜日

「作家クラブ」と「ピア・カンファランス」



 今週のRWWW便りも、引き続き、作家クラブについてです。

 ここしばらく、「作家クラブ」と「ピア・カンファランス」の違いと共通点を考えています。まだ考え始めたばかりのことですので、フィードバックで違う視点などをいただけると、とても嬉しいです。

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 いいピア・カンファランスの条件は、いい作家クラブの必要条件だと思います。

 「書き手の助けとなるフィードバックができるか」あるいは「そうでないフィードバックしかできないのか」、この違いは、ピア・カンファランスにおいても、作家クラブにおいても、成否の大きな要件になりそうですから、これは大きな共通点のはずです。

 では違いはなんでしょうか? 

1)(共通の)書くテーマ???

→ 先週のRWWW便りで紹介された表によると、作家クラブでは「グループ内で合意を形成して書くテーマを決め、テーマをどのように書くかは各自が決める」となっています。

 ただ「グループのメンバーがそれぞれに違うテーマで書く」という作家クラブも現実には多いと思いますし、私自身は、それぞれに違うテーマで書くという作家クラブにも、興味をもっています。となると、「共通の書くテーマが決まっているかどうか」は、ピア・カンファランスと作家クラブの決定的な違いにはならないように思います。

2)メンバー???

→ 同じ表には、「一定期間、つくられたグループ内で合意をもとに書くテーマを決める」ともあります。ただ、ピア・カンファランスでも、メンバーをある程度固定して行う(複数回、同じメンバーでピア・カンファランスをする)ことも行われています。ですから、これも、ピア・カンファランスと作家クラブとの決定的な違いにはならないように思います。

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 おそらく、実際にある作家クラブの中には、「固定メンバーでのピア・カンファランス」に近いものもあると思いますし、それはそれで素晴らしい価値があるとは思います。

 しかし、ブッククラブの実践を読んだり、聞いたりしていると、個人ではつくりだせないもの、ピア・カンファランスだけではつくりだせないもの、つまり、チームでしかつくりだせないもの、が創造されているのも感じます。

 それは作家クラブでも同じはずです。

 ピア・カンファランスだけでは達成しにくいものとしては、以下があるのかなと、現時点では考えています。

 ○ 目標を共有する

→ たとえ、違うテーマで書いていても、学ぶ仲間と「次回までにここまで書く」、「次回に集まったときは***を行う」という目標がつくれるので、それに向けて頑張れる。

 (「次回集まったときは***を行う」の***のところは、学年やクラブによって異なると思います。例えば低学年や詩を書いているときであれば、作家クラブで集まったその場で他の人が書いたものを読めるので、「読んで話し合う」ことを行うことになります。しかし、高学年になって長いものを書いているときには、「集まる前に原稿を渡して、仲間の原稿に対してどういう作業をしてくるのかを決めて、それを行う」、ということもあるように思います。)

 ○ 一緒にチームとしての(あるいは書き手としての)問題を乗り越える

→ 作家クラブで行われていることの中の一つで面白いと思うのが、「筆が進まなくなるスランプ」への対処(あるいはスラスラ書き続ける練習)です。書き手として、多くの人が、多かれ少なかれぶつかる壁も、作家クラブという場をつかって乗り越えていくこともできそうです。

 また、ブッククラブ同様、チームとして問題があるときは、それも一緒に乗り越えていくというチャレンジもあります。

 ○ 話し合いを通して、(他の書き手から自分と違う視点を学ぶだけではなくて)、チームで新たな考えを創造する。

→ 上のことはブッククラブの醍醐味だと思います。同様に、(ピア・カンファランスのパートナーとしてではなくて)「作家クラブの一員」として話し合うなかで、考えてもなかった新たな考えも創造できるのではないでしょうか。

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 前回のRWWW便りで紹介されたボパット氏の作家クラブについての本★には、「先生の作家クラブをつくる」というセクションもあります。

 オンラインで、同じ学校で、違う学校の人とで、同じ学年で等々、作り方や集まり方も様々に考えられるようです。

 そして、ボパット氏は、「作家クラブに参加することで、多くの先生たちは、書き手としての自分、そして書くことを教える教師としての自分への見方が変わる。書くことを他の人に共有することの大切さを(再)確認し、書くことの楽しさを再認識し、作家クラブの体験から自分の教え方の振り返りができる」と述べています。

 もし、ご自分の周囲で作家クラブをつくられた方がいらっしゃれば、また、そこから得たことなどを教えていただけると嬉しいです。 

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 ★ ボパット氏の本情報は以下で、「先生が作家クラブをつくる」ことについては、その169−171ページ、上で引用した文は171ページにあります。

Jim Vopat, Writing Circles, Heinemann, 2009.


2012年6月8日金曜日

作家クラブをはじめよう!


 前回のRWWW便りを読んでいると、「作家クラブ」が可能にしてくれることは相当に魅力的です。

 例えば、F先生はブッククラブについて、「優れた読み手が使っている効果的な読み方を体験していきながら、読書の楽しさをたくさん感じることができるんです」と述べています。

 ここから考えると、作家クラブを導入することで、「優れた書き手が使っている効果的な書き方を体験していきながら、書くことの楽しさをたくさん感じることができるんです」ということになります。

 また、前回のブログには、「ブッククラブだけを導入することで、読むことについての態度や習慣は大きく変わります」という文もあります。

 ここから考えると、「作家クラブだけを導入することで、書くことについての態度や習慣は大きく変わります」ということになります。

 たしかに、作家クラブがあることで、ブッククラブと同じように、「この日までにここまで書く」という目標もできます。

 また、他の書き手から自分とは違う書き方や視点(もしかすると自分が知らなかった効果的な書き方も)を学ぶこともできます。

 そして、書くことが孤独な作業にならないので、一人では書き上げられないもの/書き続けられないものが,書けます。

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 とはいえ、私自身は、自分の授業に作家クラブを導入したことはありません。
 
 そこで、ブッククラブを踏まえつつ、作家クラブを教室で導入する場合、どんな感じになるのかを、今日のブログで考えてみたいと思います。

<作家クラブ導入に向けての準備>

○ 『リーディング・ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著、新評論、2010年)を見ていると、ブッククラブは、何の準備もなしに、いきなり導入しても、あまりうまくいかないようですし、それまでにできるようになっておいたほうがいいこともいくつかあるようです。

 ブッククラブの準備として、たとえば、共通の短い読み物を使って、クラス全体でその本について話し合いをしたり、印をつけたりします(228ページ)。また、ブッククラブをうまく進める話し方が身に付くように短編を使って教えることもあります(229ページ)。

 → 上記を踏まえて考えると、作家クラブ導入に向けての準備期間もあったほうがよさそうです。

 たとえば、クラス全体で、それぞれの作家ノート等を使って、短く書く時間を持つ。その書いたことについて、クラス全体や小グループで話し合う時間をとる。

 最初は、その時間に先生も書いて、それについてクラス全体からコメントをもらうのもいいかもしれません。

 *どんな話し合いでもそうですが、この準備期間は、話し合いの方法や、助けになるコメントの仕方などを学ぶ時間でもあります。

 * この準備段階に、優れた書き手が使っている効果的な書き方やツールも使うと、作家クラブでも使えるように思います。題材さがし、下書き、修正、校正など、様々な段階での効果的な書き方から、厳選して、それを子どもたちが体験できるようにすると、有益だと思います。

 * 助けになる効果的な書き方やツールの選択ですが、これは、教師が、自分自身の書くことを振り返って厳選するといいと思います。ちなみに私にとっての、一番のツールは作家ノートです。これを使い始めて、書くことについての態度や習慣は大きく変わりました。

 
<そして実施>

○ ブッククラブの参加者たちは「次に集まる時間を決め、それまでに、読んでくる箇所を決め、話したいポイントに付箋を貼ってくる」ことをよく行っていると思います。

→ 作家クラブの参加者たちは、「次に集まる時間を決め、それまでにどういうものをどの程度持ってくる(書いてくる)のかを決める。自分がアドバイスを欲しいポイントがあれば、そこに付箋を貼ったり、メモをしたりする、という感じでしょうか。

 * 例えば、作家クラブの参加者たちが書いてくるものが、詩であれば、その場で(つまり、作家クラブ開催の当日に)、読むことも可能だと思います。

 ただ、それぞれが長いものを持ってくる場合は、「集まる○日前に、お互いに渡して、それまでに読んできて、人の書いたものの、いい点や質問、もっと聞きたい点などに付箋を貼って準備してくる」など、違う準備が必要かもしれません。

 上の準備期間を経たあとでも、「作家クラブ」本格導入の前に、まずは「詩に浸るユニット」で作家クラブをする、など、短いもので「ミニ作家クラブ」みたいな感じで試してみてもいいのかなとも思います。

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 ブッククラブ導入の前に、先生たちでブッククラブをつくって、まずは自分が体験する人も多いようです。作家クラブも、教師がまず体験してみるのもよさそうです。

 作家クラブをはじめましょう!