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2012年7月13日金曜日

レイ・ブラッドベリとリーディング・プロジェクト



 ここ3回は、連続してレイ・ブラッドベリについてのRWWW便りでした。この3回を読んで、私はレイ・ブラッドベリの本を読み始めています。

 それだけではなくて、「レイ・ブラッドベリ2」に書かれていたことのおかげで、リーディング・プロジェクトについても二つのことを考えました。

 リーディング・プロジェクトについては、『リーディング・ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著、新評論、2010年)の12章(208−215ページ)に説明されています。わずか8ページの短い章ですが、とてもいい章です。

 先生たちが冗談めかして、リーディング・プロジェクトを「本を読むことを土台にした生活を築く学習」と呼んでいる(209ページ)とも書かれています。

 ではレイ・ブラッドベリから、リーディング・プロジェクトについて考えた二つのことを、以下に短く書きます。

(1)リーディング・ワークショップの成否は、好き嫌い


ブラッドベリ・ 小学校から高校までの時代にも図書館には行っていた。夏には昼間ずっと入り浸っていた。よく雑誌を勝手に持ち出して、読んで、また勝手に棚へ戻した。・・・学校へ行くよりはるかにおもしろいさ。自分で読みたいもののリストを作って、誰に何を言われるのでもないんだ。うちの子どもたちが宿題として読まされる本を見ていると、こんなことで成績をつけられるのか、そういう本が好きじゃない子はどうなるんだ、なんてね。
パリス・レヴュー・ それが大事だということですすね。自分の好き嫌いで決めてよい。
ブラッドベリ・ そうだよ、それがすべて。★

 リーディング・プロジェクトの成否に大きく関わるのは、まさに「自分の好き嫌い」という気がします。


 『リーディング・ワークショップ』には以下のような文もあります。

 「リーディング・プロジェクトを、子どもたちの情熱や望みをうまく引き出す機会にしましょう。自分で選んだ秀逸なサイエンス・フィクション作家による素晴らしい作品からその世界を探求すること、教師から与えられた本、あるいは一定の難易度の本ならどれでもいいので読むことを考えてみてください。この違いは歴然としています。
 リーディング・プロジェクトの利点は他にもあります。自分の興味に基づいているので、子どもたちの多様性が見えてきます。いったんリーディング・プロジェクトを実施してみると、その前はみんながほとんど同じものを読んでいたように感じるくらいです」(212ページ)

(2)リーディング・プロジェクトから生活の一部(習慣)に

 「一晩に一篇のエッセイを読むことを千夜続ける。また、一晩一篇の詩を千夜。一晩一篇のストーリーを千夜。そうすれば千夜で三千のメタフォーが頭の中にある」★★
 
 これもRWWW便り「レイ・ブラッドベリ2」で紹介された言葉です。

 「一晩に一篇のエッセイ、一晩一篇の詩を千夜、一晩一篇のストーリーを千夜」となれば、もうこれは生活の一部だと思います。これが千夜で終わったとは思えないので。

 もし、夏休みに、上の縮小版(例えば、一晩一篇の詩 × 40日)をリーディング・プロジェクトとして取り組み、それが気に入れば、そのうちに、そのリーディング・プロジェクトは生活の中の織り込まれていくことと思います。

 リーディング・プロジェクト=「本を読むことを土台にした生活を築く学習」というのは、本をよむことを土台にした生活づくりの「きっかけ」でもあるからだと思います。


*****

★『ブラッドベリ、自作を語る』 368ページ
★★ 『ブラッドベリ、自作を語る』 285ページ

2012年7月2日月曜日

レイ・ブラッドベリ 2


『ブラッドベリ、自作を語る』の続きです。この本は、ブラッドベリ研究者のサム・ウェラーが亡くなる前の作家をインタビューする形式を取っています。(数字は、ページ数)

●2人作家クラブ
ウェラー・ 作家修業の上で、最も重要な役割を演じてくれたと言ってもいいリイ・ブラケットについてお願いします。
ブラッドベリ・ 日曜日ごとにヴェニス(ロスアンジェルス郊外)であって、僕のへたなストーリーを読んでもらって、彼女のうまいストーリーを読ませてもらった。(283)

●書く題材はどこから?
ウェラー・ もし若い作家にアドバイスするとしたら、オリジナルの人物やストーリーを思いつくために、どんなことをしたらよいとお考えでしょうか?
ブラッドベリ・ アンテナを張りめぐらすんだね。とにかく読みなさい、というのが処方箋だ。一晩に一篇のエッセイを読むことを千夜続ける。また、一晩一篇の詩を千夜。一晩一篇のストーリーを千夜。そうすれば千夜で三千のメタフォーが頭の中にある。それがアンテナになる。それだけアイディアがつかまえやすくなる。そうやって出てくるもんなんだ。まず自分の人生があって、自分に取り込んだメタフォーが加わって、栄養たっぷりのミックスが頭の中にできあがる。そういうことをしなかったら、頭の中に何がある? もともとの経験しかないじゃないか。それじゃ足りない。実体験を持ってなんかいられないさ。自分で作る気にならないと。
ウェラー・ いまの処方箋ですが ~千の詩、千のエッセイ、千のストーリーという、それだけあればアイディアが湧いて出るようになりますか?
ブラッドベリ・ 保証はしないよ。かならず火花が散るとはかぎらない。頭の中にたまったガラクタに反応していく能力を、僕は神様にもらったと思ってる。ただ、いろんなものを貯め込んで、おもしろがっていなさい、ということだけは人に向かっても言える。(285)
◆ ちなみに、ブラッドベリは高校卒業後27歳までの約10年間、ロスアンジェルスのダウンタウンの中央図書館で週に2,3回、夜に行っていたそうです。「図書館さえあれば、それだけで教育になる」と言い切っています。★


★ ブラッドベリ・ 小学校から高校までの時代にも図書館には行っていた。夏には昼間ずっと入り浸っていた。よく雑誌を勝手に持ち出して、読んで、また勝手に棚へ戻した。・・・学校へ行くよりはるかにおもしろいさ。自分で読みたいもののリストを作って、誰に何を言われるのでもないんだ。うちの子どもたちが宿題として読まされる本を見ていると、こんなことで成績をつけられるのか、そういう本が好きじゃない子はどうなるんだ、なんてね。
パリス・レヴュー・ それが大事だということですね。自分の好き嫌いで決めてよい。
ブラッドベリ・ そうだよ、それがすべて。(368)