前回のRWWW便りを読んでいると、「作家クラブ」が可能にしてくれることは相当に魅力的です。
例えば、F先生はブッククラブについて、「優れた読み手が使っている効果的な読み方を体験していきながら、読書の楽しさをたくさん感じることができるんです」と述べています。
ここから考えると、作家クラブを導入することで、「優れた書き手が使っている効果的な書き方を体験していきながら、書くことの楽しさをたくさん感じることができるんです」ということになります。
また、前回のブログには、「ブッククラブだけを導入することで、読むことについての態度や習慣は大きく変わります」という文もあります。
ここから考えると、「作家クラブだけを導入することで、書くことについての態度や習慣は大きく変わります」ということになります。
たしかに、作家クラブがあることで、ブッククラブと同じように、「この日までにここまで書く」という目標もできます。
また、他の書き手から自分とは違う書き方や視点(もしかすると自分が知らなかった効果的な書き方も)を学ぶこともできます。
そして、書くことが孤独な作業にならないので、一人では書き上げられないもの/書き続けられないものが,書けます。
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とはいえ、私自身は、自分の授業に作家クラブを導入したことはありません。
そこで、ブッククラブを踏まえつつ、作家クラブを教室で導入する場合、どんな感じになるのかを、今日のブログで考えてみたいと思います。
<作家クラブ導入に向けての準備>
○ 『リーディング・ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著、新評論、2010年)を見ていると、ブッククラブは、何の準備もなしに、いきなり導入しても、あまりうまくいかないようですし、それまでにできるようになっておいたほうがいいこともいくつかあるようです。
ブッククラブの準備として、たとえば、共通の短い読み物を使って、クラス全体でその本について話し合いをしたり、印をつけたりします(228ページ)。また、ブッククラブをうまく進める話し方が身に付くように短編を使って教えることもあります(229ページ)。
→ 上記を踏まえて考えると、作家クラブ導入に向けての準備期間もあったほうがよさそうです。
たとえば、クラス全体で、それぞれの作家ノート等を使って、短く書く時間を持つ。その書いたことについて、クラス全体や小グループで話し合う時間をとる。
最初は、その時間に先生も書いて、それについてクラス全体からコメントをもらうのもいいかもしれません。
*どんな話し合いでもそうですが、この準備期間は、話し合いの方法や、助けになるコメントの仕方などを学ぶ時間でもあります。
* この準備段階に、優れた書き手が使っている効果的な書き方やツールも使うと、作家クラブでも使えるように思います。題材さがし、下書き、修正、校正など、様々な段階での効果的な書き方から、厳選して、それを子どもたちが体験できるようにすると、有益だと思います。
* 助けになる効果的な書き方やツールの選択ですが、これは、教師が、自分自身の書くことを振り返って厳選するといいと思います。ちなみに私にとっての、一番のツールは作家ノートです。これを使い始めて、書くことについての態度や習慣は大きく変わりました。
<そして実施>
○ ブッククラブの参加者たちは「次に集まる時間を決め、それまでに、読んでくる箇所を決め、話したいポイントに付箋を貼ってくる」ことをよく行っていると思います。
→ 作家クラブの参加者たちは、「次に集まる時間を決め、それまでにどういうものをどの程度持ってくる(書いてくる)のかを決める。自分がアドバイスを欲しいポイントがあれば、そこに付箋を貼ったり、メモをしたりする、という感じでしょうか。
* 例えば、作家クラブの参加者たちが書いてくるものが、詩であれば、その場で(つまり、作家クラブ開催の当日に)、読むことも可能だと思います。
ただ、それぞれが長いものを持ってくる場合は、「集まる○日前に、お互いに渡して、それまでに読んできて、人の書いたものの、いい点や質問、もっと聞きたい点などに付箋を貼って準備してくる」など、違う準備が必要かもしれません。
上の準備期間を経たあとでも、「作家クラブ」本格導入の前に、まずは「詩に浸るユニット」で作家クラブをする、など、短いもので「ミニ作家クラブ」みたいな感じで試してみてもいいのかなとも思います。
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ブッククラブ導入の前に、先生たちでブッククラブをつくって、まずは自分が体験する人も多いようです。作家クラブも、教師がまず体験してみるのもよさそうです。
作家クラブをはじめましょう!
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