2020年9月25日金曜日

ハック・シリーズ第4弾

 これまで『成績をハックする』『宿題をハックする』『教科書をハックする』と出してきましたが、訳者の阿部良子さんが、4冊目の紹介文を送ってくれましたので、下に貼り付けます。


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『子育てのストレスを減らす10の「魔法のことば」』が来月出版されます。著者は元教師で現在は「執筆コーチ」兼教育関連ウェブサイトの編集者です。彼女が二児の母として子育てに関するいろいろな問題に直面したとき、「ただ繰り返し唱える」ことでその困難を切り抜ける助けになった「魔法のことば(原書ではmantra)」が10章の各タイトルとなっています。おそらくこの「魔法のことば」によってストレスがすっかりなくなるとお考えの方はいないと思いますが(その通りです!)、子どもと長く付き合う中で大人も成長していくためには、これらのことばと次の二点が不可欠であると著者は述べています。

1.子どもの発達段階を客観的に見て、その時のその段階に合わせた対応をすること
2.「子育てノート」に記録をつける習慣をもつこと

 「子育てノート」は「子どもの成長アルバムのようなもの」です。子どもができるようになったことを記録するだけでなく、子どもがやがて「一人の自立した責任感のある大人」となれるように、様々なスキルを身につけるためのヒント集や計画表としても機能します。それぞれの章(具体的な「問題」で始まり「魔法のことばが実際に唱えられている事例」で終わります)には「記録シート」というひな形がありますから、書き方に悩むこともありません。

 さらに、題名からは想像がつきませんが、この本の「親と子」の関係を「教師と生徒」と読み替えることによって、生徒とのかかわり方についてもヒントが得られるようになっています。

 子どもの質問に必要以上に答えてはいないか(4章)
 子どもの嘘にどう対応し、信頼関係をどのように築くか(7章)
 子どもに対する頼み事や指示を繰り返さずに済むには(8章)
 子どもによるデジタル機器の使用を(どのように)制限すべきか(9章)

など、親(や教師)として気になりつつも、日常をやり過ごすことを優先してじっくり考えてこなかったテーマと向き合うよい機会となるでしょう。記録をつけることを習慣にすることで、私たちが子ども(や生徒)に対して持つ期待や不安の内容がより明瞭になるだけなく、子ども(や生徒)にいつか話したいと思っている難しい話題(死や性など)について準備することも、彼らが達成できたことを後から振り返ることも簡単にできます。

 この本が一般的な子育て本と異なる点のひとつに、読者に自分自身のことを親(や教師)である前に一人の独立した大人として考えるよう促しているところがあります。例えば、デジタル機器の使用に関して私たちは親として子どもをどう管理するか、その効果的で(可能ならば)子どもとの対立を生まないような方法を知りたいと思いがちです。しかし著者やその友人が実際に試して親子で効果を実感したのは意外な方法でした。残念(かつ当然)ながら、簡単にうまくいく特効薬ではありませんが、一人の大人としても実践してみたいと思わせてくれる新しい発想であることは間違いありません。

 子育てにおいても学校現場においても、最近は動画や写真に記録を残すことが一般的になっていますが、紙のノートやスマートフォンを用いて記録をつけることで、子どもと自分自身の変化や成長をよりいっそう実感できるはずです。そして、その習慣は子どもとよりよい関係を築くために欠かせないものとなることでしょう。

 

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 ということで、学校で教える方々にも十分(すぎるぐらい!?)に参考になる本です。

 そういえば、『イン・ザ・ミドル』を書いた、あのナンシー・アトウェルさんも子育ての後にライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップへのアプローチの仕方がだいぶ変わったと本の中で書いていました。それほど両者の間には深い関係があります。

 この本も、教師には授業やクラス運営に、管理職や教育行政に携わる方には学校経営にそのまま使える/応用できるハックばかりだと思います。みんな、子/人育て(そして、自分育ても?)をしているのですから、当然ですね!!

 (ちなみに、この本の原題は『子育てをハックする』です。しかし、それでは読者対象にアピールしないだろうということで、主タイトルとサブタイトルを逆にしました。)


 

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