2023年9月1日金曜日

気に入った作家の本に出会ったら、集中的にその作家の本を読んでみる!

 欧米の読む教育のなかで、大事にされていることの一つが作家に焦点を当てて読む方法です(あなたも好きな作家はいるはずで ~ 外れが少ない作家というか、その作家の作品ならほとんど気に入ってしまうような存在です)。それを、小学校の低学年の段階からすることが、読むことを好きになり、かつ読む力をつけるためにとてもいい方法と捉えているからです。

 なぜ、作家に焦点を当てて読むことが効果的なのかを説明したサイトを見つけましたので紹介します。

1.読む力をつけるのに役立つ

 作家に焦点を当てて読むことは、たくさん読むことを意味します。その結果、子どもたちはスラスラ読めるようになります。それによって、教師はどのくらい各生徒が読めているのかを判断しやすくなり、どんな作家を選んで読むのが最適かを提案しやすくもなります。(それがうまく子どもに受け入れられると、さらに読む量と読む力は増します。)

2.クリティカルな思考力をつける

 作家に焦点を当てて読むことで、子どもたちはその作家にこだわりのあるテーマを比較したり、文章(や、絵本の場合は、イラスト)を分析したり、作家自身の人生と作品で描かれている登場人物たちの人生を結び付けたり、作家の作品と読み手である子ども自身の生活等を比較したりするので、クリティカルな思考力の練習になります。(ここで言っている「クリティカルな思考力」は「批判的な思考力」とは違います。「(自分にとって)何が大切で、何は大切でないかを見極める力」のことです。)

3.書く力も向上する

 焦点を当てた作家は、読み手である子どものメンター(よき先輩)になります。子どもは、作家が作品で書いている文章が憧れになり、そのように自分も書きたくなります。そのように好きな書くスタイル(ジャンル、主人公、背景等々)を見つけることは、子どもが書く際の自信にもなります。

4.いい(そして、より深い)本との関係を構築する

 子どもは焦点を当てた作家と深い絆を見出し、それは極めて個人的な関係を築き、とても満足のいく経験を提供します。子どもは、その作家が影響を受けた他の作家や作品にも手を伸ばして読み始める可能性もあります。

5.読み手のコミュニティーを形成する

 子ども一人ひとりのこだわりのある作家を紹介し合うことで、教室レベルではもちろん、学校レベルでも、相互に刺激し合う読み手のコミュニティーの構築につながります。

6.多様な異なる形の作品の「声」やスタイルに出会えるチャンスを提供する

 子どもも、大人と同じように、(ノンフィクション、シリーズ本、ファンタジー、サイエンスフィクションなど)特定のジャンルの本が好きです。作家に焦点を当てることは、それらの自分の枠を超えるのに役立ちます。ニューベリー文学賞を受賞したロイス・ローリー、シンシア・ライラント、アヴィ(検索するのが難しい作家ですが、「アヴィ、児童文学作家」で探してみてください)などは複数のジャンルで作品を書いています。

7.情報リテラシー(収集)能力を強化する

 作家に焦点を当てて読むことの大事な側面の一つは、子どもが好きになった作家について調べることです。情報リテラシー(収集)能力には、どこで必要な情報をどう探せるかや、見つけた情報の信ぴょう性を判断するものなどが含まれます。 

8.学校での生活を楽しいものにする

 「作家に焦点を当てた読み」は、楽しいので、生涯にわたって読み続ける読み手を育てます。特に、読むのが苦手な子や読み始めて間もない子たちにとっては、受け入れられやすい読み方です。 

 以上のほかにも、教科で扱いやすい方法であることや、教科横断のアプローチにも適していることなどが紹介されています。

 

 なお、出典のサイト(左側)には、作家に焦点を当てた読み(作家研究)をする際の

  ・目的と目標の設定の仕方

  ・作家の選び方

  ・選んだ本の読み方と反応の仕方

  ・作家研究の仕方

  ・作家研究の関連資料

  ・パトリシャ・ポラッコを題材にした作家研究の例

なども紹介されており、作家に焦点を当てた読み(作家研究)に挑戦してみたい先生にとっての貴重な情報が網羅されています。

 

出典: https://www.readingrockets.org/books-and-authors/author-study-toolkit/10-reasons-do-author-study

 

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