2023年5月27日土曜日

多彩な作品のある作家が惹きつける、多様な読者たち 〜作家についての学びの可能性

  森絵都氏の『カラフル』(文藝春秋、2007年)は、その登場人物の多くが多面的に描かれていて、私のお気に入りの1冊です。同じ著者の『にんきもののひけつ』(童心社、1998年)などの「にんきものの本」シリーズが図書コーナーにある教室も少なくないと思います。氏の本をいろいろ読んでいる間に、『おいで、一緒に行こう 福島原発20キロ圏内のペットレスキュー』(文藝春秋、2012)も手に取りました。こちらは、題名からわかるようにノンフィクションです。

 多くの著作がある森絵都氏ですが、『カラフル』『にんきもののひけつ』『おいで、一緒に行こう 福島原発20キロ圏内のペットレスキュー』では、長さも難易度もテーマも異なります。

 5月13日の投稿の最後に紹介したカーメン・アグラ・ディーディ氏は、『黄色い星: ユダヤ人を守った国王とデンマークの人たちの物語』(ビーエル出版、2021年)と『チェシャーチーズ亭のネコ』(東京創元社、2014年)の2冊が邦訳されているようです。この2冊、難易度もテーマも題材も大きく異なります。

 お気に入りの作家が「森絵都」(あるいは「カーメン・アグラ・ディーディ」)という子どもたちが、「好きな作家についての学び」を、作家別に集まる小グループで行うことがあれば、多様な子どもたちが集まれるかもしれません。

 作家についての学びは、「好きな作家」という共通点があるので、大いに盛り上がって終わることもあるでしょう。それはそれで楽しそう!です。

 でも、『にんきもののひけつ』と『おいで、一緒に行こう 福島原発20キロ圏内のペットレスキュー』が好きな子どもが同じグループにいると、学びの可能性はさらに広がりそうです。例えば…

・一人の作家が多彩な本を書いていることがわかる。 

→ 一人の作家の好き嫌いは1冊だけで判断しない方がいいことがわかる。

→ ここから物事や人を一面だけで判断しないことまでも、学べるかも?

・これまで手に取ろうと思わなかったジャンルやタイプや難易度の本に興味が広がる可能性がある。

→『黄色い星: ユダヤ人を守った国王とデンマークの人たちの物語』がちょうどいい難易度の子どもが、『チェシャーチーズ亭のネコ』をいきなり読むのは難しいかもしれません。でも、『チェシャーチーズ亭のネコ』という動物が会話するようなファンタジー的な要素のある本が好きな子どもが、『黄色い星: ユダヤ人を守った国王とデンマークの人たちの物語』という歴史を題材にした本(ノンフィクションではありませんが、史実との関連については最後に著者が説明しています)を読むきっかけになるかもしれません。

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 私はこれまで、多彩な本のある作家の紹介は難しいなあと思っていました。自分の中で、それぞれの作品に対して好き嫌いがあるので、「この本を最初に読んでしまうと、この作家を続けて読むことがないだろう」みたいな構えができてしまっていました。ですから、その作家で一番読みやすそうな本、その作家が好きになってくれそうな本を勝手に決めて、「一人の作家の多彩な作品」よりも「読みやすそうな作品」に焦点を当てていたように思います。

 『Writing Clubs』(★1)という本の中では、作家についての学びを行う際、その作家が多様なジャンル、長さの本を書いていることが大切にされています。この本のおかげで、多彩な作品のある作家だからこそ、多様な読者たちを惹きつけられるという価値に目が向きつつあります。

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→ リーディング・ワークショップやライティング・ワークショップで「作家について学ぶ」時間をとり、その時に選択する作家の中に、多彩な作品のある作家を数名入れることもできそうです。

→ また、教室の図書コーナーの「作家」での配架の一部に、時にはあえて、一人の作家で、ジャンルやタイプの異なる本を数冊おき、それぞれの本が好きな子どもにポップを書いてもらってもいいかもしれません。

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 『Writing Clubs』で、作家の学びに使える著者として紹介されていたリストの中には、英語では300冊以上の著作があるジェーン・ヨーレン、200冊以上著作のあるイブ・バンティング、100冊以上の著作があるシンシア・ライラントなども紹介されていました。イブ・バンティングは前回の投稿で紹介されていた名作絵本『スモーキーナイト』(岩崎書店, 2002年)の著者でもあります。この3名の著作は、邦訳もある程度出ています。多彩な作品のある作家リストについては、回をあらためて紹介できればと思っています。

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★1 『Writing Clubs』の著者はLisa EickholdtとPatricia Vitale-Reilly、Stenhouse より2022年に出版。125-147ページに、一人の作家について協働で学ぶことが詳しく説明されています。

2023年3月11日土曜日の投稿「書き手の目で読む 〜メンター・テキストを使う二つのタイミング」、2023年3月24日金曜日の投稿「ジャンルごとのユニット vs 自ら選択したジャンルで書くという喜び」、2023年4月8日土曜日の投稿「『パンダ読み』ならぬ『パンダ書き』のお薦め」でも紹介しています。

2023年5月20日土曜日

「再読」はエンゲージメントを高める行為である

 『理解するってどういうこと?』の第7章には「自分たちの考えと知識が発展していくさまを描くことのできる子どもたちでいっぱいの授業の特徴」が七つ示されています。そのなかに、読み直すこと(再読)にかかわる項目がありました。

 「・教師は、意図的に読み直すモデルを示したり、すでにもっていた知識や考えや意見を確認したり、発展させたり、修正したりするのに、読み直すことがどれほど威力があるかを示している。教師は、子どもたちも読み直しをするように促している。」(『理解するってどういうこと?』255ページ)

  「読み直す」(再読する)ことは、自分の「考えと知識が発展していくさまを描く」ことと縁がないように思えるかもしれませんが、ここでは「読み直すことがどれほど威力があるか」を教師が示していることが「自分たちの考えと知識が発展していくさまを描く」うえで大切な条件になると書かれています。

 最近刊行された永田希さんの『再読だけが創造的な読書術である』(筑摩書房、2023年)には、再読することが重要な理由について、こう書かれています。

 「再読――つまり書物を繰り返し読むと、最初に読んだとき(あるいは何度目かに読み返したとき)と次に読むときとのあいだに、ほかのことを読者が経験する時間がさしはさまれることになります。ほかの本を読んで知識を得たり考え方が変わるということでもいいでしょうし、体調が変わるだとか、住んでいる地域の季節が変わるだとか、学校や勤め先の環境が変わるということもあるでしょう。人間関係で新しい友人知人ができたり、あるいは関係が悪化したり、誰かを亡くしたりする経験もあります。

 そういった経験がさしはさまれることで読者自身が変化して、それからかつて読んだ本を読み返すとき、人間の基本機能である「自分に都合の良いことだけを読み取る」が働いたとしても、かつては自分の状況が変化しているので、以前には気づかなかった部分に意識がつけられる可能性があります。

 読書や再読を繰り返すうちに、自分の読み取れる内容が変化することにも繰り返し気づかされることになります。読書に慣れ、再読に慣れるとは、書かれていることが変わっていないのに、読むたびに読みとられる内容が変化することを知るということでもあるのです。

 かつて読んで意味不明だった部分について、前よりもわかるような気がする場合にかぎらず、以前にわかったつもりになっていた部分がわからなくなってしまう場合もあります。ここで自分の頭が悪くなったと考えるのは、ときには正しい場合もあるかもしれませんが、ひとつにはかつてわかったつもりになっていた部分について解像度が高まった結果として理解困難な部分に気づけるようになったのかもしれません。初読時に「簡単なこと」として読み飛ばしていた箇所について、より精確に近い読みかたができるようになったということです。」(『再読こそが創造的な読書である』73-75ページ)

  永田さんの言う「読むたびに読みとられる内容が変化することを知る」ことはとても大切です。「読み取られる内容が変化する」ということは、本や文章そのものが変わるということではありません。繰り返し読むことによって、読んでいる自分自身が「変化」したということを「知る」ということでもあります。「再読」とはそのように読者自身を「再読」することなのです。そうした「変化」を実感した時にこそ、いま読み直している本や文章が読者自身にとってかつてないほど面白く思われるのです。だからこそ永田さんは「再読」が「創造的な読書術」であると言っているのです。

 永田さんは何かを理解することの本質を言い当てているように思われてなりません。既にわかっていることとは違ったことに気づくためには、わかったと思っている自分自身の見方や考え方が変わる必要があるからです。わかっていることが実は何もわかっていないのだというつもりで対象を捉えなおすことから、豊かな理解が生まれると言っているように思われてなりません。永田さんの言うことを、どのようにすれば私たちは実感することができるのでしょうか。

エリンさんは次のような問いを日々自らに問うべきだとも言っています。

 「さまざまな本や考えに自分たちを変えてくれる力があることを、私たちは子どもたちにはっきりと伝えているでしょうか? 自分がこれまでもっていた力を修正し、新しい考えを受け入れた大切なプロセスを、子どもたちのためにはっきりとモデルとして示せているでしょうか?」(『理解するってどういうこと?』257ページ)

  本や文章を読むことについて書かれていることは確かなのですが、それにとどまりません。本や文章にかかわりながらそれらが「自分たちを変える力」を持つという実感をどのように持つことができたかということを共有することは、本や文章の面白さを各々の読者がどのように発見したのかを知ることでもあります。それは、本や文章やものごとに対する自分自身の好奇心を発見することでもあります。対象との「エンゲージメント(engagement)」を高める、すなわち本や文章やものごととの結びつきを強めるためには、対象にかかわる自分自身がどのように「変化」したかを見極めるやり方を共有することです。

そのための方策の一つが『理解するってどういうこと?』には書かれています。

 「たとえば、「今日はグループで、この本のなかで一番大切なことを見極めてください」と言うかわりに、「イブ・バンティングの『スモーキー・ナイト』について、何が大切かを見極めることは、人々について、あるいは人々のあいだの争いについて、今までとは違って考えさえたのは何かを判断するのにとても助けになるツールです」あるいは、「まずは、この本のなかで一番大切なことは何なのかについてグループで話し合ってください。その後で、それらのことが、自分たちがこれまでに知っていたり、思い込んでいたりしていたことをどういうふうに変えたのか話し合ってください」、「自分の本を読みながら、ノートの2つの欄の左側には自分がその本で大切だと思うことを書き出してください。その右の欄のほうには、『スモーキー・ナイト』で起こったことについて考えたことや、感じたこと、思い込んでいたことを、左側に書き出した大切なことがどのように変えたのか書いてください」と言うことができるでしょう。

 このような投げかけ方を少し変えるだけで、まったく異なるレベルでしっかりと考え抜いた発見や理解を促進していくことができるでしょう。」(『理解するってどういうこと?』256ページ)

  このような「投げかけ方」の工夫によって、『スモーキー・ナイト』を再読することができます。そして、「読み直す」(再読する)ことで、『スモーキー・ナイト』のどこが大切だと一人ひとりが考えたかを知ることができ、それだけでなく、一人ひとりが捉えた「大切だと思うこと」によって各々がどのように「変化」したのかを知ることができます。再読しながら「自分たち」がどのように変化したのかを知ることで『スモーキー・ナイト』への「エンゲージメント」が高められ、「面白さ」を見出す道を知り、「しっかりと考え抜いた発見や理解」を手にすることができるのです。

 おそらくこれは、本や文章を読むことだけにとどまりません。

2023年5月13日土曜日

著者の声に乗って、著者の名ガイドで本を楽しむ 

 音楽と動物と英語の好きな方は、以下のリンクから、著者(John Lithgow)による、ノリノリの(?)英語の読み聞かせ『Never Play Music Right Next to the Zoo』(Simon & Schuster Books for Young Readers; Book and CD版、2013年)で、楽しいひとときはいかがでしょうか? 俳優でもある著者の「名ガイド」とも言える読み聞かせのおかげで、絵本自体は6分強で、決して短いものではありませんが、私は思わず、最後まで視聴してしまいました。

https://storylineonline.net/books/never-play-music-right-next-to-the-zoo/

  読み聞かせの名手と言われているメム・フォックスは、あるインタビューの中で、彼女が『こんにちは あかちゃん』(主婦の友社、2009年)を書いた時のエピソードを語り、この絵本の一部を、自ら読み聞かせてくれています。絵本の読み聞かせは、英語で2分ぐらいですが、初めて観た時に、その上手さにびっくり。読み方を表面的に真似しようとしても、おそらく、わざとらしくなるだけだと思います。私にはこういう読み聞かせは到底できないだろうと思いました。

 メム・フォックスの読み聞かせを視聴していると、ライティング/リーディング・ワークショップの優れた実践者アトウェルが、授業で詩を読みあげる時に次のように言っていることを思い出します。

「毎朝、詩を紹介し、詩のコピーを配布し、私が音読する時に目で追うように言います。私が読む時にはできる限りのニュアンスが伝わるように、前もって読む練習をします。それは生徒が私の声に乗って詩の世界に入り、その意味するところを私の声から聞き取り、どうやって経験豊かな読み手が詩を理解しているのかを、彼らが観察できるようにしたいからです」(『イン・ザ・ミドル』アトウェル、三省堂、114ページ)。

 私にとっては、著者(あるいは経験豊かな読み手)による読み聞かせは、「こういう読み聞かせができるようになりたい」という「真似をしたい目標」ではありません。むしろ、教師自身がその本の世界を体験するために、著者(あるいは経験豊かな読み手)が招いてくれている入口です。その入り口のドアをあけ、著者の名ガイドでその本を楽しむ。それが、その後、わざとらしくない自分の読み聞かせにつながっていくように考えています。

 今日は、すべて英語による動画ですが、邦訳の出ている本から、著者による読み聞かせのお薦めを、いくつか紹介します。よろしければ隙間時間にどうぞ!

・メム・フォックスによる『ポスおばあちゃんのまほう』(朔北社、2003年)

原題はPossum Magic。https://memfox.com/video-library/から「Mem Fox Book Reading - Possum Magic, Whoever You Are, Ten Little Fingers and Ten Little Toes」をクリックすると、この動画で読まれる最初の本です。3冊目は『こんにちは あかちゃん』。

・メム・フォックスによる『こんにちは あかちゃん』(主婦の友社、2009年)

原題はTen Little Fingers and Ten Little Toes

https://www.readingrockets.org/books/interviews/fox (このインタビューは14部に分かれています。5つ目Three little kissesでこの本を書いた時にエピソードが語られ、14つ目のTen Little Fingers and Ten Little Toes のところが読み聞かせです。あるいは上のサイトの3冊目でも読まれます。

・デボラ・マルセロによる『びんに いれてごらん』(光村教育図書、2022年)

原題は In a jarです。 以下、ライブイベントの中での読み聞かせですので、動画の 10:56あたりから観てください。引っ越しした友達に瓶に入れて送れるものは? 大好きな絵本の1冊です。

https://www.readbrightly.com/brightly-storytime-live-spring-into-stories-together/

・ダグ カンツによる『まいごのねこ: ほんとうにあった、難民のかぞくのおはなし』(岩崎書店、2018年)

原題はLost and found cat

https://www.kidlit.tv/2018/01/read-loud-lost-found-cat-true-story-kunkushs-incredible-journey/

(→ 読み聞かせに加え、以下、著者のインタビューの動画もあります。絵本の読者に説明してくれるような、読者にやさしいインタビューです。)

https://www.kidlit.tv/2018/01/storymakers-doug-kuntz-lost-found-cat/)

・ジョン シェスカによる『三びきのコブタのほんとうの話』(岩波書店、1991年)

原題は The true story of the three little pigs

https://www.kidlit.tv/2017/01/read-loud-true-story-three-little-pigs/

邦訳が出たのが1991年ですから、ロングセラー絵本の1冊です。

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 最近、カーメン・アグラ・ディーディという作家が気になっています。まだ邦訳は2冊しか出ていないようです。『黄色い星: ユダヤ人を守った国王とデンマークの人たちの物語』(ビーエル出版、2021年)と『チェシャーチーズ亭のネコ』(東京創元社、2014年)です。

 この2冊の著者読み聞かせは見つけられませんでした.

 私が、カーメン・アグラ・ディーディに興味を持ったのは、彼女が『Wombat said come in』(Quinlin Books, 2022)を紹介している、以下の動画でした。

https://www.kidlit.tv/2022/09/storymakers-with-carmen-agra-deedy-wombat-said-come-in/

 著者の読み聞かせや紹介の名ガイドは、他の本にもつながっていくようです。




2023年5月5日金曜日

授業をさらに前へ進めたいと思うあなたにおすすめの本。 生徒が生き生きと学び、力をつけられるヒントがあります!

 訳者の一人の飯村さん(宮城県、現在公立中学校の教頭先生)が学びの中心はやっぱり生徒だ!「個別化された学び」と「思考の習慣」』(ベナ・カリック+アリソン・ズムダ著飯村寧史ほか新評論、2023の紹介文を書いてくれました。

 「学びの中心はやっぱり生徒だ!」と言われても、まだまだ教師主導の授業が多いのが現状ではないでしょうか。一人一台端末が実現し、ICTを用いた実践がどこでも見られるようになりました。しかし、それでも、従来型の授業の形の延長としての使い方が多いのだと思います。そろそろ、次の段階へ行きたい、脱皮したい、と考えている先生も多いのではないでしょうか。

 私は中学校の国語を担当していました(でも、いまも特別支援学級の国語2時間をもっています)。私もまた、ICTの利用によって、授業の可能性が格段に広がったように感じた教師の一人です。Googleクラスルームや、ロイロノートを学校で使用できるようになり、生徒の意見や文章の共有がとても簡単になりました。また、録音や録画の機能を用いれば、音声言語表現についても、これまで以上に授業に組み入れやすくなりました。生徒は他の生徒の意見や考え、表現方法を見て、そこから学び、振り返りも簡単に共有できるようになりました。まさに、授業にイノベーションが起こっているような気がしていました。

 しかし、一方で、こうした学びを進めていながらも、本当に生徒主体になっているのか、生徒に力がついているのか、ということについては常に気になっていました。まさに最初に述べたように、これまでの教師主導の授業の延長に過ぎないのではないか、と疑わしくさえ思えてしまうのです。ですから、生徒が生き生きと活動する中であっても、手がかりになるようなもの、すなわち、生徒の道しるべとなり、さらに教師にとっては成長の目安となるような確固たるものがほしい、と強く思うのです。

 本書は、まさにそういう教師のための本だと思います。

 手がかりとなるのは4つの特徴、そして、16の思考の習慣です。

 4つの特徴とは、「声」、「共創」、「他者との共同構築」、「自己発見」です。生徒中心の授業に共通する特徴を集約したものです。これらの特徴がある授業は、もちろん教師主導にはなりませんし、しかも、生徒が見せかけの主体性を発揮するものでもありません。本当の意味での主体的な学びが実現できます。

 生徒の内なる「声」をいかし、生徒が教師と共に創る学び。生徒や学校外の人も含めて共同で学ぶ体制をつくり、活動の中で自分の願いや特性に気づいていくという授業。そんな理想的な学び・授業を組み立てるヒントがたくさんあります。

 そして、16の思考の習慣は、生徒に学ぶうえで、人生を生きていくうえで、是非とも身につけてもらいたい習慣を指します(下図あるいはhttps://bit.ly/3XZmfbh参照出典:『学びの中心はやっぱり生徒だ!―個別化された学びと「思考の習慣」』p.28-29生徒は、教科内容の学びを通してこれらの習慣を育み、身につけていくことを目標にしていくのです。

 これらを取り入れて授業を組み立てれば、生徒中心の授業にグッと近づきます。どうでしょう? やってみたくなりませんか?

 本書には、様々な実践例が紹介されています。どれも生徒中心の学びを実現したものであり、4つの特徴がどのように入っているのか、そしてどういう思考の習慣を重視した授業なのかがよくわかります。こうした例をもとに、自分の授業を見直してみれば、足りなかったパズルのピースが見えてくるはずです。

 数年前に謳われるようになった「主体的・対話的で深い学び」から、最近よく耳にする「個別最適な学び」、「協働的な学び」まで、文科省はいろいろ提言してきましたが、本書を通して作る学びは、まさにそれらを実現するものです。

 自分の授業に物足りなさを感じ、一歩前に進みたいと思う教師の皆さんに、ぜひおすすめしたい本です。

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