2022年11月4日金曜日

SELを扱う際に使える本

 いま、『学びはすべてSEL(仮題)』という本を翻訳中です。

 IQよりもEQが大切と言われたのは、すでに30年近く前です。しかし、日本は依然テストの点数がすべて。SELの本は、すでにhttps://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=selが出ていますが、あと半年以内に追加で3冊出る予定です。それほど大切です! 一人ひとりの生徒と世界の未来は、EQSELにかかっていますから。

 『学びはすべてSEL(仮題)』では、SELを以下の5本の柱で扱っています。

アイデンティティーとエイジェンシー(第2章) ― 強みの認識、自信、自己効力感、成長マインドセット、忍耐力とやり抜く力、レジリエンス。

感情調整(第3章 ― 感情の識別、自己の感情認識、衝動コントロール、満足の遅延、ストレス・マネジメント、コーピング。

認知調整(第4章)― メタ認知、注意、目標設定、問題の認識と解決、支援の要請、意思決定、時間の管理と計画。

社会的スキル(第5章)― 向社会的スキル、シェアリング、チームワーク、関係構築、コミュニケーション、共感、人間関係の修復。

公共心(第6章)― 他者尊重、勇気、倫理的責任、市民の責任、社会的な正義、サービス・ラーニング、リーダーシップ。

  どれも、欠かせないスキルだと思いませんか? そして、いまの日本の教育で、これらのスキルはどれほど磨かれているでしょうか?

 WWRWは、https://sites.google.com/site/writingworkshopjp/writingworkshop/answers/mudai-12で紹介しているように、かなりの部分の練習が(意図することなく、自然に)できている優れた教え方・学び方ですが、上記のテーマを設定しても扱えることが『学びのすべてはSEL』では分かります。そして、巻末にはそれらを扱う本(絵本と児童文学)のリストが紹介されています。

以下に紹介するのは、このブログでも何度か書いてくれている島根県立大学の中井悠加さんが同僚たち(大学付属絵本図書館「おはなしレストランライブラリー」の尾崎智子さんと内田絢子さん)の協力を得て作成してくれた追加のリストです。

 

●アイデンティティーとエイジェンシーに使える本(絵本と児童文学)

『「いたいっ!」がうんだ大発明ばんそうこうたんじょうものがたり』                 バリー・ウィッテンシュタイン/文、光村教育図書 

100歳ランナーの物語:夢をあきらめなかったファウジャ』シムラン・ジート・シング文、バルジンダ・カウル絵、金哲彦監修、おおつかのりこ訳、西村書店

『111本の木』リナ・シン文/マリアンヌ・フェラー絵/こだまともこ訳、光村教育図書

『あたまにつまった石ころが』キャロル・オーティス・ハースト文/ジェイムズ・スティーブンソン絵/千葉茂樹訳、光村教育図書

『ありがとう、フォルカーせんせい』パトリシア・ポラッコ作・絵、香咲弥須子訳、岩崎書店

『サディがいるよ』サラ・オレアリー文/ジュリー・モースタッド絵/横山和江訳、福音館書店

『ジブリルのくるま』市川里美作、BL出版

『すうがくでせかいをみるの』ミゲル・タンコ作/福本友美子訳、ほるぷ出版

『数字はわたしのことば:ぜったいにあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン』シェリル・バード文、バーバラ・マクリントック絵、福本友美子訳、ほるぷ出版

『せかいはふしぎでできている』アンドレア・ベイティー作/デイヴィッド・ロバーツ絵/かとうりつこ訳、絵本塾出版

『その手に1本の苗木を : マータイさんのものがたり』クレア・A.ニヴォラ作、柳田邦男訳、評論社

『二平方メートルの世界で』前田海音文/はたこうしろう絵、小学館

『はつめいだいすき』ピップ・ジョーンズぶん、サラ・オギルヴィーえ、福本友美子訳、BL出版

『牧野富太郎ものがたり:草木とみた夢』谷本雄治文、大野八生絵、出版ワークス

『わたしのそばできいていて』リサ・パップ作/菊田まりこ訳、WAVE出版

『時計つくりのジョニー』エドワード・アーディゾーニ作/あべきみこ訳、こぐま社

『耳の聞こえないメジャーリーガー  ウィリアム・ホイ』ナンシー・チャーニン文/ジェズ・ツヤ絵、斉藤洋訳、光村教育図書

『虫ガール : ほんとうにあったおはなし』ソフィア・スペンサー, マーガレット・マクナマラ文/ケラスコエット絵/福本友美子訳、岩崎書店

 

●感情調整

『〈きもち〉はなにをしているの?』ティナ・オジェヴィッツ文/アレクサンドラ・ザヨンツ絵/森絵都訳、河出書房新社

『アルド・わたしだけのひみつのともだち』ジョン・バーニンガムさく/たにかわしゅんたろうやく、ほるぷ出版

『いっしょにおいでよ』ホリー・M・マギー文/パスカル・ルメートル絵/なかがわちひろ訳、廣済堂

『あかつき うそ』谷川俊太郎詩/中山信一絵 主婦の友社

『エイドリアンはぜったいウソをついている』マーシー・キャンベル文/コリーナ・ルーケン絵/服部雄一郎訳、岩波書店

『おこる』中川ひろたか作、長谷川義史絵、金の星社

『かいじゅうたちはこうやってピンチをのりきった : 不安・こわい気持ち』新井洋行著/森野百合子監修、パイインターナショナル

『かなしみがやってきたらきみは』エヴァ・イーランド作/いとうひろみ訳、ほるぷ出版

『きもち』谷川俊太郎ぶん、長新太え、福音館書店

『きもち』ジャナン・ケインさく/いしいむつみやく、少年写真新聞社

『こころのおと』ピーター・レイノルズぶん・え/なかがわちひろ訳、主婦の友社

『しあわせなときの地図』ズザンナ セレイ、ほるぷ出版

『ジャックのどきどきモンスター』サム・ズッパルディ作/福本友美子訳、光村教育図書 

『すてきってなんだろう』アントネッラ・カペッティぶん/メリッサ・カストリヨンえ/あべけんじろう, あべなお訳、きじとら出版

『でっかいでっかいモヤモヤ袋』ヴァージニア・アイアンサイドさく/フランク・ロジャースえ/左近リベカ訳、そうえん社

『どうしてなくの?』フラン・ピンタデーラ文/アナ・センデル絵/星野由美訳、偕成社

『トゲトゲくんは ね、』クォンジャギョンぶん/ハワンえ/いくたみほ訳、パイインターナショナル

『どんなきもち?』ミース・ファン・ハウトさく/ほんまちひろ訳、西村書店東京出版編集部

『まちがいなんてないよ』コリーナ・ルウケン絵と文/島津やよい訳、新評論

『わたしのいちばんあのこのいちばん』アリソン・ウォルチ作、パトリス・バートン絵、薫くみこ訳、ポプラ社

 

●認知調整

『アカシア書店営業中!』濱野京子作、森川泉絵、あかね書房

『エーミールと探偵たち』ケストナー作 ; 高橋健二訳、岩波書店

『おにいちゃんとぼく』ローレンス・シメル文/フアン・カミーロ・マヨルガ絵/宇野和美訳、光村教育図書 

『ケイン、きょうもよろしくね』ソンギヨク, ペクウンジュ文/シンドゥヒ絵/高橋昌子訳、新日本出版社

『コリンのお店びらき』ひこ・田中文/山西ゲンイチ絵、BL出版

『しーっ! : ひみつのさくせん』クリス・ホートン作/木坂涼訳、BL出版

『ちいさなしまのだいもんだい』スムリティ・プラサーダム・ホールズ文/ロバート・スターリング絵/なかがわちひろ訳、光村教育図書

『チョコレート戦争』大石真作/北田卓史絵、理論社

『どうぶつせんきょ』アンドレ・ホドリゲス, ラリッサ・ヒベイロ, パウラ・デスグアウド, ペドロ・マルクン作/木下眞穂訳、ほるぷ出版

『はちうえはぼくにまかせて』ジーン・ジオンさく/マーガレット・ブロイ・グレアムえ/もりひさし訳、ペンギン社

『ピトゥスの動物園』サバスティア・スリバス著/宇野和美訳/スギヤマカナヨ絵、あすなろ書房 

『ビワイチ!:自転車で琵琶湖一周』横山充男作、よこやまようへい絵、文研出版

『ブロード街の12日間』デボラ・ホプキンソン著/千葉茂樹訳、あすなろ書房 

『ほんとうのことをいってもいいの?』パトリシア・C.マキサック文/ジゼル・ポター絵 ;ふくもとゆきこ訳、BL出版

『メガネをかけたら』くすのきしげのり作/たるいしまこ絵、小学館

『ライオンのしごと』竹田津実作/あべ弘士絵、偕成社

『ライオンをかくすには』ヘレン・スティーヴンズ作/さくまゆみこ訳、ブロンズ新社

 

●社会的スキル

『あかいほっぺた』ヤン・デ・キンデル作/野坂悦子訳、光村教育図書

『あたし、うそついちゃった』ローラ・ランキンさく/せなあいこ訳、評論社

『貸出禁止の本をすくえ』アラン・グラッツ著/ないとうふみこ訳、ほるぷ出版

『きつねと私の12か月』リュック・ジャケ原作、フレデリック・マンソ絵、さくらゆき訳、そうえん社

『きみなんかだいきらいさ』ジャニス・メイ・ユードリーぶん、モーリス・センダックえ、こだまともこ訳、冨山房

『けんかのきもち』柴田愛子文、伊藤秀男絵、ポプラ社

『小学校がなくなる』麻生かづこ作/大庭賢哉絵、文研出版

『その魔球に、まだ名はない』エレン・クレイジス著/橋本恵訳、あすなろ書房

『チェクポ : おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ』イ・チュニぶん/キム・ドンソンえ/おおたけきよみ訳、福音館書店

『なかなおり        ヘルヤ・リウッコ=スンドストロム文・陶板、稲垣美晴訳、猫の言葉社

『ぼくが見える?』パクジヒ作/おおたけきよみ訳、光村教育図書

『みんなから見えないブライアン』トルーディ・ラドウィッグ作/パトリス・バートン絵/さくまゆみこ訳、くもん出版

『くべえまってろよ』灰谷健次郎作/長新太絵、文研出版

 

●公共心

『「危険なジェーン」とよばれても』スザンヌ・スレード文、アリス・ラターリー絵、小林晶子訳、岩崎書店

『えんぴつとけしごむ』カレン・キルパトリック, ルイス・O・ラモス・ジュニア文/ヘルマン・ブランコ絵/高畑正幸訳、KADOKAWA 

『おんなじ、おんなじ! でも、ちょっとちがう!』ジェニー・スー・コステキ=ショー作/宮坂宏美訳、光村教育図書

『さっちゃんとなっちゃん』浜田桂子さく・え、教育画劇

『せかいでさいしょに ズボンをはいた 女の子』キース・ネグレー作/石井睦美訳、光村教育図書

『ひとりひとりのやさしさ』ジャクリーン・ウッドソン文/E.B.ルイス絵/さくまゆみこ訳、BL出版

『ふたりおなじ星のうえで』谷川俊太郎文/谷本美加写真/塚本やすし絵、東京書籍

『ブライディさんのシャベル』レスリー・コナー文/メアリー・アゼアリアン絵/千葉茂樹訳、BL出版

『ほらぴったり』ナオミ・ジョーンズぶん/ジェームズ・ジョーンズえ/ROY訳、ブロンズ新社

『マララとイクバル:パキスタンのゆうかんな子どもたち』ジャネット・ウィンターさく、道傳愛子やく、岩崎書店

『みんなとちがうきみだけど』ジャクリーン・ウッドソン作/ラファエル・ロペス絵/都甲幸治訳、汐文社

『ヤクーバとライオン勇気』ティエリー・デデュー作、柳田邦男訳                 講談社

『レッド : あかくてあおいクレヨンのはなし』マイケル・ホール作/上田勢子訳、子どもの未来社

『みんなにやさしく』パット・ズィトゥロウ・ミラーぶん/ジェン・ヒルえ/ドリアン助川やく、イマジネイション・プラス 

『やましたくんはしゃべらない』山下賢二作、中田いくみ絵、岩崎書店

 

    このリストは増やしていきたいので、いい本がありましたら、ぜひ pro.workshop@gmail.com 宛に教えてください。お願いします。

★ このリストは随時更新していきますので、最新のリストは

https://docs.google.com/spreadsheets/d/e/2PACX-1vS_cqoO1OnMIqJzMTAhIbd-UZZTNLZZY-STwjYf9UJg2XvCN5JHLg-PbphrteMzz_-a8F9eRmbce1Om/pubhtml をご覧ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿