2013年10月9日水曜日

『思考のレッスン』③

レッスン2: 考え方を励ましてくれた3人 + 一人

3人は、中村真一郎、バフチン(ジョイスも高く評価している)、山崎正和
+1は、吉田健一 (吉田秀和も、レトリックを含めて、頻繁に出てきた)

81 バフチンの『ドストエフスキー論』の2本柱は、ポリフォニー理論とカーニヴァル理論。
82 登場人物それぞれが語る、語り合い、対話によって醸し出されるシンフォニーのようなものが、ドストエフスキーの語りたい内容だととるわけですね。これがポリフォニー理論です。
   カーニヴァル理論というのは、文学には非常に大事な喜劇的文学の流派があって、その流派の根底にあるものは、カーニヴァルによって影響され、つくられた文学形式であるというものです。 ← よくわからない!
   現代日本には、文学は人生の真実を追求し、それによってためになるものでなくてはならないという科学主義的な文学観がはびこっている。それとまったく対立する、いわば「祭祀的文学観」があるんだ、それが大切なんだといってるわけですね。 ← これなら、わかる

88 僕は、「われわれのために書く」あるいは「自己と他者との関係のために書く」というのが、文学のほんとうのあり方だと思うわけです。それが自分と他人の分裂してしまったところが、日本文学の不幸だと思うんですね。

   さらに言えば、「われわれのために書く」というのは、「共同体のために書く」と言い直してもいいわけですね。柿本人麻呂も、紫式部も、近松門左衛門も、芭蕉も、共同体のために書いていたわけです。そういう幸福があじわいにくくなっているのが現代ですね。

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