2013年10月7日月曜日

『思考のレッスン』②

33 (山形県の)鶴岡というどんより澱んだ、保守的な町に育ったもんだから、僕は、自由にものを考えるということにたいへん憧れたわけですね。← ある意味で、日本中がそんな具合だった? いまも??  それやこれや、いろいろなことが重なって、新しいことを考える人間に対する敬愛の念を強く抱くようになりました。大勢を占める意見に対して同調しないで、異を唱える人を、偉いなあと思うようになったんです。

36 大勢の人が言っていることと違うことを言う、他の人とは違う考え方をする人に共通する生癖は、そのころから現在まで、僕の中でずっと続いているんですね。

47 昭和時代の日本人は、マルクシズムを重視しすぎて、そのために大きな損失を被ったんじゃないかなあ。・・・同情すべき点も多々あると思いますよ。あの軍人支配の国で、一体どうすればまともな社会になるかを考えれば、ついふらふらとマルクシズムに引かれる気持ちもわからぬではない。

50 僕のものの考え方に新味があるとするならば、一つには、そういった政治中心的な、つまりイデオロギー論的な把握というものを初めから避けている。そういうものに興味を感じないというところが大きいんじゃないでしょうか。

  シャーロック・ホームズに代表されるイギリスのアマチュアリズム = 玄人以上の素人 ← とてもデューイのアプローチに近いものがあるので驚き

53 日本は、実に非文学的な国 = レトリックを捨てたから


55 レトリックの欠如。言われてみれば当たり前のことなんだけれども、これで行くと、われわれの文明の性格がたいへんよくわかるし、それからさらに現代生活の問題点が実によく心に迫る。 (英語でピーチ・メルバが、現代日本では「すぐりのジャム・桃・バニラアイスクリーム・キャラメル和えアーモンド」になる。「ピーチ・メルバ」という言葉のもつポエティックな喚起力がまったくない。)

0 件のコメント:

コメントを投稿