2011年1月6日木曜日

読者(の存在)は強し

 あけましておめでとうございます。

 今年最初のWW便りは1月7日という予定でしたが、明日(1月7日)がちょっとばたばたしそうな日なので、1日フライングで今年最初のWW便りを書き込みます。

 「生徒は、自分の作品に興味をもってくれる読者宛に、自分の作品が出版されると分かると、書くことにおけるあらゆる面において、今までよりも頑張る」

 ごつごつした私訳ですみませんが、上の文はレジー・ラウトマン(Regie Routman) という教育者が述べているものです


(出典: Heinemannから 2005年に出版された Writing Essentialsという本の 204ページ)

 この引用に書かれていることを実感したのが、12月の最後のWWの時間でした。

 私はこの日を「出版の日」にしました。

 今学期、決して順調にいったとはいえないWWのクラスでしたが、この日はとても楽しかったです。その理由は、上の引用の通り、「今までよりも頑張る」生徒が何人かいたからです。

 クラスのみんなの前で読むと分かったとたんに、いままで、あまり修正にも興味がなく、「あとは先生、直して」(苦笑)みたいな生徒も、「ここを変えたい」とか「これを付け足したい」など、今までに見せてくれなかった面を見せてくれました。

 まさに「読者(の存在)は強し」です。

 逆に言うと、今まで、読者を意識させるのが足りなかったなあと、つくづく反省させられた時間でもありました。

*****

 さて、WWの出版について、少し書きたいと思います。

 WWのサイクルには「出版」が含まれています(『ライティング・ワークショップ』 82ページの図をご参照ください)。

 もちろん、すべての作品が結果として出版までいきつくとは限りません。でも題材さがしの段階から、実は出版(読者)が意識されているのでは?と思います。

 出版は、WWでは、いわゆる紙ベースの出版だけでなくて、「読者に向けて発信すること」と考えてよいと思います。

( 『ライティング・ワークショップ』88-89ページをご参照ください。特に89ページの注5では、 「本書で『出版』」が意味することは、書かれた作品が書き手以外の読者に読まれること全般を含みます。これは、いわゆる紙媒体の出版だけに限定されません。「出 版」には口頭の発表も含まれます<後略>」と書かれています。

 ですから、クラス内での口頭発表や、他のクラスや他 の学年に行って、自分の作品を読むことも出版と考えられます。クラス内で文集をつくることも可能ですし、学級便りを子どもに書いてもらうこともできるかもしれません。また、RWとWWを両方されている先生であれば、お薦め本のポップカードなども一つの形としていいかもしれません。

 読者はクラスメートでも、家族(例えばおばあちゃんにお誕生日のカードを書く)でも、あるいはもっと広い読者でもいいのです。要は読者を意識して書く、そして読者によって書き方を変える、これがポイントのように思います。

 なぜ、WWは出版にこだわるのでしょうか。

 それは、できるだけ「本当に書く」ことを教室の中にいれようとしているからだと思います。

 そして、「本当に書く」ときに、本当の読者のいない作品はあるでしょうか?

 上で紹介したレジー・ラウトマン氏は、上で紹介した本の8ページに、「子どもたちが素晴らしい書き手になるために大切にしたい5つのこと」というリストを挙げ、 その一番最初の項目で次のように述べています。

 「私が、常に読者を心においている書き手であることを、はっきりと示す(時には、読者は私自身)、そして、自分の書くプロセス、思考のプロセスをはっきりと見 えるようにする」

 読者を意識させることで、子どもたちの取り組み方が変わってくる気がします。もっと読者・出版を意識させたい、これが私の今年のWWの目標の一つです。

1 件のコメント:

  1. 「読むのは、教師だけ」というのは、「本当に書く」
    うちには入らないんだろうな~、と思いつつ読みました。

    また、「読むのは、自分だけ」というのもちゃんと
    含まれているのがいいと思いました。

    でも、読者意識と出版意識には、微妙に違いがあるん
    でしょうね。

    返信削除