今回は、私の好きな映画「サン・ジャックへの道」を紹介します。
気に入っている理由はいろいろありますが、その一つは、映画の内容がブッククラブ(あるいは、作家クラブ)をしているのと似ていると思うから、です。
たまたま一人のリーダーの元に8人のメンバーが数十日間、フランスのル・ピュイから、ピネレー山脈を越えて、スペイン北部を横断し、サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着する物語です(サンティアゴはスペイン語、サン・ジャックはフランス語で同じ場所のことです)。なんと、1495キロ!!(1日平均30キロとして、50日かかります。)★
サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着するのは、1冊の本を読み上げること。
出発地点から到着地点のたくさんの出来事は、本にまつわる話し合い。
出発前に集合するまでは、各メンバーが引きずっている人生そのもの、事前の読みに相当するのかな?
道中の「ブッククラブ」は、全員で行われることもありますが、ほとんどはペア読書ないしグループ読書の形で行われます。それも、1回や2回ではなく、時間的な余裕はいっぱいあるので(50日間!)、繰り返し繰り返し行われます。
そして、最終地点は、サンティアゴ・デ・コンポステーラのカテドラル(大聖堂)ではなく、フィニステレ(「地の果て」という意味)の大西洋に面した浜辺だったのですが、リーダーを含めて参加者全員が出発した時とは見事なぐらいに変わっていたのです。
ブッククラブ(や作家クラブ)も、こうありたいな~、と。
ぜひ、ご覧ください。
★なんといっても、千年以上の歴史をもつ巡礼路ですから、それ自体が「選りぬかれた本」という感じです。通過する町々や景色や巡礼者を支援する人々が物語のハイライトになっています。
★★英語圏では(もちろん日本語圏でも)見られない、フランス語圏のユーモアを随所に見られることも、この映画をお薦めする大きな理由の一つです。
★★★最近、フランス・スペインの国境付近からの同じルート(この場合は、約800キロ)を名優マーティン・シーンが歩く映画「星の旅人たち」(原題 The Way)も見ました。「サン・ジャックへの道」でも「星の旅人たち」でも言えることは、同伴者こそがすべて、ということです。ブッククラブや作家クラブも、同じです。
★★★★自分で歩いた人の記録:
http://takesitamura.cocolog-nifty.com/blog/cat15593952/index.html
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