協力者の一人の都丸先生が、新刊の紹介文を書いてくれましたので、掲載します。
20年間の教員生活の中で、1年生を担任したのは一度だけです。
国語の授業では、ライティング・ワークショップやリーディング・ワークショップの学び方を実践しました。クラスの子は、「書きたいこと」を自ら見つけ、「書くこと」を楽しむようになりました。また、「読むこと」においては、時間が経つのも忘れるくらい夢中になって本を読むようになりました。学年が終わる頃には400冊以上の本を読んだ子もいたほどです。
私にとってはたった一度の1年生の担任でしたが、子どもたちの読み書きのへの意欲や成長に驚かされた1年間になりました。
まだ下訳の段階であった『国語の未来は「本づくり」』の原稿を読ませてもらったとき、自分の想像をはるかに上回る子どもたちの姿に圧倒されました。
この本で紹介されている子どもたち(5歳~8歳)の「読み書き」の成長には目を見張るものがあります。彼らは知っています。「書くこと」が自分の中だけで完結するものではないことを。書いたものが読者に届くことによって、自分をとりまく周囲の人々に影響を与えることを。
「本づくり」は子どもたちが「読み書き」を夢中になって学び合い、互いに高め合えるコミュニティーの形成につながっています。
私たち教師は日々、子どもたちに読み書きを教えています。
そして、悩んでいます。
どうしたら子どもたちが読み書きに夢中になれる学び方ができるのでしょう?
どうしたら読み書きを楽しむコミュニティーをつくることができるのでしょう?
同じような悩みをもつ先生方に、ぜひこの本を手に取って欲しいと思います。
この本は、小学校に入学したばかりの1年生に「文字が書けないから」と、書く機会をつくらないのはもったいないことに気づかせくれます。たとえ線一本でも、紙の上に何かを書けるのであれば、それは本の始まりです。
この本を書いた先生たちは教えてくれます。「書き手」の視点から本を読む機会があれば、たとえ未就学児であっても何かを書くためのヒントを得られることを。(絵を描くことも「本づくり」には含まれています)
この本は、「書くことが見つからない」と嘆く子どもたちに読み書きを教える際に役立つ多くの事例が紹介されています。それだけではありません。教師が一方的に教えるだけでなく、教室の子どもたちが考えた「書けない状態」を脱するためのアイディアの共有の仕方まで得ることができます。
もう一度1年生を担任する機会があるならば、私は「本づくり」を4月から行います。子どもたちは、過去のクラス以上に、読み書きが好きになることでしょう。
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都丸先生の紹介では、この実践、あたかも小学1年生でしかできないように書かれていますが、本の中では小2でも小3でも、幼稚園でもできることが紹介されています。そして、若干の応用で、小4以上や、中学・高校でもできます(そうした方が、生徒たちは国語が好きになりますし、国語のスキルを確実に身につけます!)し、英語等の他教科で実践することも可能です。(教科書をカバーするという、決して効果的ではない教え方から逃れることができれば! それは、教師が教科書にお付き合いする見本を示し続けることにしかなりませんから、生徒たちは「勉強がお付き合いでするもの」という捉え方を上塗りするだけで、主体的に学びに取り組む選択肢を奪われたままになります。そんなこと、やりつづけていいのでしょうか? もちろん、教科書を無視する必要はありません。選択肢として生徒に提供すればいいのですから。選ぶ生徒は、ほとんどいないと思いますが・・・)
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