2019年11月22日金曜日

RW第Ⅰ期の生徒たちの様子を踏まえた第Ⅱ期の構想


新潟の佐藤さんのRW実践を、http://wwletter.blogspot.com/2019/11/blog-post.htmlで紹介しました。かなりの反響がありました。「自分もやれると思った」「生徒の生の声を送ってほしい」など。
その後、佐藤さんから以下のメールをもらいました。

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今回、RWをやって、その後の生徒の所感をGoogleフォームで集めたのは以前お話ししたとおりです。

RW以外でも、今年度の3年生は、総合の時間(内容は修学旅行、キャリア)の単元ごとの振り返りでGoogleフォームを活用しています。RWの振り返り入力で6回目くらいだと思います。

そうした中で、生徒に大きな変化がありました。
家でゆっくり自分の学習を振り返ることができる。好きな時間に。(生徒のフォームへの入力時間は個人によって相当に違います。)
回答の文章の長さが、どんどん長くなります。書きたいことを書くようになります。
回答を印刷して共有するので、書いていいことかどうか、自分で精査するようになります。
回答を印刷して共有するので、コメントを入力すればするほど、他者のコメントへの関心が高まります。
スマホ、またはPCから入力するので、書字に不安のある生徒でも安心できます。
書くことが自然になります。
授業のことについてコメントを求めるので、RWで培った、自分なりの意味を実際に構築する場面として活用できます。もちろん自分への期待も!
などなど。
特に、次の授業への期待についてコメントを求めると、本当に自分がしたいことを書いてくるようになりました。それを受けて、授業を作っていくことができます。これは生徒も教師もWin Winだと思います。

主体的で対話的って、こういうことかな、と思います。
生徒が勝手に主体的になっていきます。

今後なんですが、こんなことを考えています。

Googleフォームでの振り返りと、その共有を繰り返していく。
私がブログを開設して、生徒の作品や、授業のことを公開していき、生徒にコメントを求めることを繰り返していく。またはGoogleドキュメントの共同編集を使う。
③①からへの流れに慣れることができて初めて、子どもたちはSNSTwitterやインスタ)で学習内容の交流ができるようになる。

こういう国語の授業があってもいいのではないかと思うし、実際、こうした授業でもしないとSNSトラブルなんて減らないし、常に問題発生の後追いになるのでは。

いつまでに、ということではないのですが、生徒の時間と学習の手段に自由度を持たせられるようにしたいなあと夢見ております。

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  そこで、第Ⅱ期の進め方を教えてほしいとお願いしたところ、以下の資料が送られてきました。まだ構想段階なので、前回と今回のを読まれて、感想・質問・提案などがありましたら、佐藤さんの実践をさらによくするために、ぜひお送りください。お願いします。

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【第II期の取組の柱】
何よりも優先して『生徒のニーズ』に応える!

I期の振り返りで得られた『生徒のニーズ』は、およそ以下の通り。

違うジャンルに挑戦したい、レター・エッセイを書く時間がもっと欲しい、レター・エッセイをもっと上手く書きたい、本の中の表現技法にもっと気付きたい、分からない言葉を辞書で調べたい、先生のオススメ本を紹介して欲しい、表現やセリフなどを抜き出して皆で話し合いたい、時間の使い方を考えたい、スキルをもっと使えるようになりたい、自分の視野を拡げていきたい、もっとゆっくり読む場所や時間が欲しい、もっと読了したいetc
     
I期で最も生徒が使ったと実感しているスキルは「映像化」「推測」だった。これ以外のスキルに目が行くようにミニ・レッスンをする。
絵本を活用する。読みの苦手な生徒、「映像化」「推測」のスキルをうまく使えない生徒は、第I期でそれが自覚できているので、絵本を推奨し、相互にやり取りしながら体験的に学んでもらう。(同じ本を読んだ上での思考のやりとりの機会ももつ。)

II期 13時間〜18時間を生徒に委ねる!

全時間を示し、生徒が自分で時間配分を計画できるようにする。その中で、「テスト」というジャンルに時間を使うことを4時間に1回許可する。受験期の不安と学びの本質の両立に対応するため。(早い生徒は1月に進学先が決まる。遅い生徒は3月後半である。生徒自身に自分に合う学習プランを立てさせたい。)
I期のルーブリックの内容を絞り、言葉を優しくし、生徒に示し直す。
希望があればPCを使った成果物づくりを一部でも可能にしたい。短いエッセイならばGoogleフォーム入力による提出を試してみる。

【『生徒のニーズ』の集め方】
経験を積むことが重要ポイント

今年度は、第I期として4クラス全部でRW1013時間程度実施している。
生徒の半分は、前年度からRWを経験している。(佐藤担当2クラスのみ)
今年度は、RWの振り返りを、レジュメに記述する方式(授業時に書く)と、Googleフォームで実施する方式(家庭で入力する)の2種類を行っている。
RW以外でも、生徒は、総合的な学習の時間(内容は修学旅行、キャリア)の単元ごとの振り返りでGoogleフォーム入力を経験している。第 IRWの振り返り入力までに6回ほどの経験がある。

Googleフォームによる振り返りが生徒をさらに育てる!

Googleフォームの効用
家でゆっくり自分の学習を振り返ることができる。好きな時間にできる。(生徒のフォームへの入力時間は個人によって相当に違う。)
回答の文章の長さが、どんどん長くなる。書きたいことを書くようになる。
回答を印刷して共有するので、書いていいことかどうか、自分で精査するようになる。
回答を印刷して共有するので、コメントを入力すればするほど、他者のコメントへの関心が高まる。
スマホ、またはPCから入力するので、書字に不安のある生徒でも安心して参加できる。
日常的に、書くことが自然になる。
授業のことについてコメントを求めるので、RWで培った、自分なりの意味を実際に構築する場面として活用できる。もちろん自分への期待も!

特に、「次の授業への期待」についてコメントを求めると、本当に「自分がしたいこと」を書いてくるようになった。教師は、生徒のニーズを把握しやすくなる、それを受けて、授業を作っていくことができる。これは生徒も教師もWin-Winの循環だと思う。生徒が勝手に主体的になっていくのが嬉しい。
RWだけでなく、読み書きのスキルを実践的に使う総合的な学習の時間でも、生徒はGoogleフォームでの振り返りを複数回経験した。これらが関連づくことによって、生徒が何かしらの影響を受け、生徒の変容に繋がったのではないかと考えている。
「慣れる(なれる)」ことによって「熟れる(なれる)」ということ。

【これからの夢・理想の授業】
「読むこと」「書くこと」を生活につなげる!

Googleフォームでの振り返りと、その共有を繰り返していく。
教師がブログを開設して、生徒の成果物や、授業のことを公開していき、生徒にコメントを求めることを繰り返していく。または、Googleドキュメントの共同編集を使って、成果物作成をWeb上で行う。

からへの流れに慣れることや、Web上のやりとりについて学習できて、初めて、子どもたちはSNSTwitterやインスタ)で学習内容の交流ができるようになると思う(熟れる)。
 実際、こうした授業でもしないとSNSトラブルなんて減らない。生徒も教師も学ばなければ、常に問題発生の後追いになり、しかも状況を変えられない負のスパイラルが続くことになる。

いつまでに、ということではないが、生徒の時間と学習の手段に、もっともっと自由度を持たせられるようにしたい。
つくづく、コンピュータ室なんていらないから、1人に1台のChrome bookとか、iPad miniで十分!)が欲しいものだと思う。

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 感想・質問・提案など、よろしくお願いします。


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