2018年4月6日金曜日

WWとRW,新学期の緊張をほぐすアクティビティ3つ

 新学期の最初、RWやWWのクラスで、緊張をほぐしたり、少しお互いを知ったりするためのアクティビティを通しながら、できれば効率よくWWやRWに入れないか? とよく考えます。

 私のお気に入りの方法や、今学期、少しアレンジして、トライできないかな?と考えてるものを3つ紹介します。

(1) 自己紹介と WWの「書けそうな題材リストつくり」を兼ねる方法

・これは、WWの研修会で学んだ方法に、自分なりに少しアレンジを加えたものです。

・適当な小グループになり、自己紹介を兼ねて、お互いが好きなものを一つずつ話します。それを5,6周、繰り返します。(年齢や学習集団によりますが、1周目は、わりと当たり前のことがでてきて、だいたい4,5周めぐらいから、面白いものや個性が感じられるものがでてくる気がします。)

・ そのあとに、「書けそうな題材リスト」を導入します。まずは、今、自己紹介で話した「好きなもの」は、とてもいい題材になる可能性があることを伝えます。そして、題材リストの最初の項目として、自己紹介で話した好きなものを記入します。

 加えて、好きな場所、好きな食べ物、好きな時間の過ごし方、好きになりたいことなど、どんどん範囲を広げ、かつ、過去と現在と未来のどの時制から考えてもいいよ、と伝えます。黒板にキーワードをいくつか書いておいてもいいかもしれません。

 また、 好きなことがなくなってしまったら、「苦手なこと、イラッとすること、改善したいこと」等々も書くこともOKと伝えておきます。

・それぞれが、しばし、自分のリストを作成します。その後に、グループを変えて、書いたリストから1つか2つを選んで、自己紹介。他の人の「題材リスト」から「これはいいな!」と思うものがあれば、自分もメモしておくように言います。

(2)教室や学ぶ場所の探検ゲーム

・すでに教室に図書コーナーがある先生、 あるいは図書館でRWやWWを実施する先生は、学ぶ場所の探検ゲームも、新学期によい活動のように思います。

 『読書家の時間』(新評論、2014年) 1章は「最初の10時間」で、1年生の1時間目は「教室の本の世界を探検してみよう」です。

(5年生の1時間目は「図書コーナーをつくろう」で、この先生は1時間目は、下準備をしておき、一緒に本を手に取るところからスタートです! また、5年生の2時間目は、本の紹介と自己紹介を兼ねた活動です。子どもたちが本を1冊持って登校し、先生が本の紹介のお手本を見せたあとで、リラックスした雰囲気で、ペアで本を紹介し、そのあと、列をずらして違うペアで本を紹介します。この活動も、なかなか楽しそうです。)

 ・このブログで度々紹介している、中学校レベルの優れた実践者、ナンシー・アトウェルさんも、グループでの「教室の探検ゲーム」を、新学期の定番の活動としているようです。アトウェルさんの本★によると、リストと地図をもって、グループで教室を探検します。

 リストには27項目も並んでいますが、例えばいくつか紹介すると、以下のような感じです。

・ブックトークで、情熱的に語りたいので、ブックトークしたいことを先生に知らせるために、ブックトークをしたい本を置いておく場所
・本を読み終わったら、その書名を記録するときに開く引き出し 
・素晴らしいスポーツものの小説が並んでいる書棚
・書き終わった作品を、赤ペンで自ら校正した後に入れるトレイ。
・先生たちの教材が入っているので、生徒は触ってはいけない棚

(3) 読むことと共有することを組み合わせた自己紹介

・これは、英語の先生から教えてもらいましたが、中身を変えることで、国語の授業でも、英語の授業でも使えそうです。

・さっと読めるような、ひとまとまりの短文を何種類も準備し、1枚のカードに1つずつ印刷します。(この活動を教えてくれた英語の先生は、50単語以下のコンテストの優秀作品を使っているようでした。日本語であれば、例えば「一筆啓上」シリーズ? 川柳? 教室の図書コーナーにある本から、印象に残るような1,2文でもいいかもしれませんし、読むことや書くことについての、素敵な引用文でもいいかもしれません。)

・そのカードを教室の机の上にあちこちにおきます。

・教室を歩き回って、そのカードを読みます。カードが置いてある場所を変えることはできないので、自分が気に入ったことが書いてあるカードがあれば、それがどこにあったかを覚えておきます。

・だいたい参加者が、ひととおり目を通したら、自分が気に入った言葉が書いてあるカードのところに集まり、同じカードを選んだ人どうしで、自己紹介をし、なぜ、そのカードが気に入ったかを話します

・ 一つのカードに人が集まりすぎたら、2,3のグループに分けます。

・ そのカードを選んだのが1~3名の場合は、そのカードを手にとり、他のカードを選んだ3名以下の人と併せて、一つのグループにします。

・ 各グループから、選んだ文と、どんな反応があったのかを、全体に報告します。

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★ In the Middle (Heinemann, 2015) 第3版の69ページに27項目のリストが載っています。

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