2016年11月11日金曜日

すべての話し合いを円滑に進める6つのコツ


  同僚や、保護者や、子どもたちとのコミュニケーションに悩んでいませんか?

 内容的には「カンファランスをする時の6つの原則」が正しいのですが、読んでいるうちにすべてのコミュニケーションに応用できると思い、あえて大き目のタイトルにしてみました。
カンファランスは、WWとRWの中心であるだけでなく、ワークショップ形式での教え方・学び方の核となるものです(間違っても、ファシリテーションではありません! ファシリテーターは、対象にやらせる活動の指示を出すだけですから)。
 とてもいいカンファランスの原則を長年WWとRWの実践経験をもつメラニー・ミーアンという人がまとめてくれているのを見つけたので紹介します。これは、その対象がどんな年齢でも(大人でさえ!)あてはまると思います。さらには、どんな教科の授業でも!

1.生徒の隣に座る
 生徒を教師の机に呼んでカンファランスをするのではなく、生徒が作業をしているところに行ってします。この違いは、あまりにも大きいです。主役が誰なのかを明らかにしますから。後者は、「私(教師)が何かサポートできることはありますか?」というメッセージを発信します。

2.書いている内容について教えるのではなく、書き手に教える
 教える内容が、その場限りで終わってしまうのではなく、いま取り組んでいる作品以外にも使えるものであることを殊のほか意識するということです。(さらには、私たちは必要なすべてのことを教えるわけにはいかないので、優先度の高いものに絞って教える必要がある、ということです!)書き手は、一人ひとり(書く題材も、その中に書くことも)違いますから、大変ですが!!
RW(読書家の時間)の場合は、同じように読んでいる内容について教えるのではなく、読み手に教えます。

3.一回のカンファランスで教えすぎない
 一回の数分間のカンファランスでは、一つのことに絞って教えます。理由は、教えすぎたら、生徒が受け取れないからです。でも、あまりにもひどい作品を見たら、直したくなってしまうのが教師の性ではありますが・・・上記の2の原則を思い出して、作品を教えているのではなく、書き手に教えます。書き手は、一度にたくさんのことを言われても受け取れません。通常は教えるポイントは一つ、多くても二つに制限するのがいいでしょう。

4.ほめる。必ずほめることを忘れない。
 誰でもほめられるとうれしいものです。書き手であるということは、自分をさらけ出していますから、とても傷つきやすい存在です。(読み手も、話し手も、ですが。)なので、ほめられることは安心感につながりますし、さらに挑戦したいとも思えます。ぜひ、ほめ方を磨いてください。

5.ほとんど、生徒が話しているようにする
 6つの中で、これが一番大切かもしれません。カンファランスはポイントを絞って、教師が教える時間ではありますが、教師が話している時間ではありません。その理由は、「一番話している者が、一番よく学ぶ」からです。教師は、自分が学ぶためにいるのではなく、教えるために存在しますから、話しすぎてはまずいのです。では、どうしたらいいのか? 教師が教えたり、話したりする代わりに、いい質問を投げかけるのです。そうすれば、生徒たちが話しますし、(教師が話したい内容を含んだ)答えを生徒たちが言ってくれます。

6.時間は短く
 一人の生徒に費やすカンファランスの時間は、3~5分です。それ以上になると、書き手に教えているのではなく、作品に教えている、と思ったらいいでしょう。そして、教えたことについて試してもらうことが何よりも大切ですから、「もしそれを試してみたら、★を付けておいてね。そしたら、すぐに先生がわかるから」と言って分かれます。

 『リーディング・ワークショップ』の中で紹介されているカンファランスの流れ(第6章)は、①子どもの状態を把握する→②教える内容を選択する→③実際に教える(単に言うだけでなく、子どもに試させる→④カンファランスの記録をとる(これからすることを含めて)ですが、この原則を紹介してくれたミーアンさんは、①子どもの状態を把握する→②いい点を指摘する(ほめる)→③教える→④次のステップを明確にしておく、としていました。大きな違いはありませんが、強調点が違います。◆
この流れは、生徒たちも知っていることが大切です。その理由は、自分がカンファランスをされる対象なのではなくて、カンファランスの主役であることを自覚してもらうために、です。
さらには、この手順(原則)は、教師同士のやり取りや指導案検討や研究授業のあとの研究協議などでも使えると思いませんか? このアプローチを使うだけで、雰囲気や関係がガラッと変わるかもしれませんので、ぜひ試してください。

◆ 後者の流れは、http://projectbetterschool.blogspot.jp/2012/08/blog-post_19.html と同じと言えますので、参考にしてください。


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