2015年10月24日土曜日

書き手の目で読む


 絵本、本、詩など、まずは読み手として、読むこと自体を楽しみたいと思います。でも、読み手としてだけ楽しむだけでなく、時には、「書き手として読む」ことも、楽しみたいです。

 ストーリー(あるいは大きな内容)が分かったあとに、書き手の目で、再度読むことで、上手な書き方が学べるので、二倍良い!と、以前は思っていました。

 最近は、上手な書き方が学べるだけでなくて、同じものを分析的に読むことで違う読み方の練習もできて、読み方もさらに上手になるし、でてくる語いも繰り返しになるので語いの定着にも効果的なはずだと、思っています。(三倍以上の効果では?)
 
 『リーディング・ワークショップ』(新評論、2010年)の4647ページには、読み聞かせで使った本の一部を使って、作家の特徴的な書き方やその作家がつくりだそうとしている効果を学ぶ例が紹介されています。ここでは、本の中で注目すべきポイントを、先生が子どもたちに伝えています。

それ以外の方法としては、自分の好きな本、気に入っている本を自分で選んで、どうして、そういう効果が生み出されているのかを、自分で探してみるというのは、いかがでしょうか。

いきなり探すのはイメージしにくいので、先に、書き手の工夫例をいくつか挙げておくと、見つけやすくなります。いずれは、自分で一人読みのときにも、書き手の目で読めるようにするためにも、このステップは大切だと思います。自分の好きな本なら、「どうしてこんなに好きと思えるの? それはどんな工夫をしているからなのか?」、とまさに宝さがし?です。

書き手の工夫が満載の本があれば、それを1冊指定して、みんなで「ひとり一つはみつけよう」もいいかもしれません。自分が気づかない点にも気づけます。
 
最近、英語の文献では、メンター・テキスト関連の本を、以前よりもたくさん見かけるように思いますが、それは書き手の目で読むことの価値に気づく先生が増えてきたからかもしれません。


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