No More Independent Reading Without Support, by Debbie Miller & Barbara Mossという本を読みました。これを日本の状況に当てはめると、表題のようなタイトルになるかと思います。直訳的にすれば、「教師の指導やサポートなしに、朝読(あるいは、図書の時間)は行わない」になりますが。
その本の47~53ページに、読む力をつけるための4つの要素について整理されていたので、紹介します。
1)目的
2)本物
3)選択
4)しっかり教える
1)目的 ~ 何を、どう、なぜ読むのかが明確
・今日読む目的は何か? → この本をなぜ読んでいるのか?
・何を明らかにしたくて読んでいるのか?
・自分が理解したこと/知ったことをどう示せるのか? → 紹介/評価
・読み手としての自分について今日何を学べるのか? 自分はどう賢くなるのか?
目的が明確だと、主体的な学び/読みになる。モチベーションが上がり、主体的に取り組める。本当の読み手がしていることを体験してほしい。
目的が明確だと、「振り返り・共有」の時間もより効果的になる。(上の問いの3番目や4番目を振り返れる/共有できる。)
とあり、ウ~ンと唸ってしまいました。朝読にしても、図書の時間にしても、読解の授業にしても、目的意識というのは極めて希薄だからです。目的のないところで、何か生まれるか? 問いの3番目や4番目は生まれませんね。
2)本物 ~ 本物の読み手がしていることか?
子どもたちにさせることは、教室以外でやられているか/大人たちが本当にしていることか、が判断基準。していないことは、使われることがないので(=偽物)、やらないようにする。
49 以下の質問にどう答えますか? (斜体は、吉田が加えた項目)
・ 読んだ後にワークシートを埋める?
・ 読む本は自分で決める?
・ 自分が読む本や読みたい本はリストアップしておく? もししていないなら、している人を知っている?
・ 読んだ後に、誰かの質問に答える?
・ 読んだ後に、本を紹介するポスターやチラシをつくる?
・ 友だちに本を紹介することがある?
・ 読んだ本について誰かと語り合う?
・ 自分にあったレベルの本を読んでいる? 簡単な本や難しい本も読む?
・ ブッククラブのメンバーになっている? もしなっていないなら、誰かブッククラブをしている人を知っている?
・ 本を読み終わるたびに、要約や感想文を書いている?
・ 下線、質問、反応などを書き込みながら読んだことがある?
・ 段落毎に、自分が選んだ題材でないものを克明に読解するようなことはする?
・ 読むときには、音読する?
・ 読むときには、段落を区切って/順番に声を出して読む?
以上の質問に答えることで、何を発見しましたか? 何は今のままやり続け、何はやめた方がいいと判断しましたか?
3)と4)については、また別の機会に。
とても貴重なコメントをもらいました。内容は、
返信削除「1)と2)がどう共存しているのかな? というところに興味を持ちました。僕たちの実際の読書では、いちいち自覚的な目的を持って読むわけではない(なんとなく読む、楽しみのために読む、暇つぶしで読む)ことのほうが、多くないですかね。」
私も最初は同じように考えました。
そして、
「読むときに、自分はどれだけ目的・目標を意識しているか?」
「学校で教育の営みの一環として取り組む時にどうなのか?」と。
どうでしょうか?