2012年11月9日金曜日

「読む内容」と「読み方」のブック・プロジェクト

 ここ2週間ぐらい、二つのクラスでブック・プロジェクトをしています。今回は、一つのクラスは「読む内容」、もう一つのクラスは「読み方」に焦点をあてて、ブック・プロジェクトを導入しました。

  読む内容に焦点をあてたブック・プロジェクト

 「読む内容」に焦点をあてたクラスでは、「ブック・プロジェクトは、選択の幅を広げるのにとてもいい機会」ということを、改めて実感しました。

 RWでは、子どもたちの読むものの選択が大切にされています。とはいえ、通常の授業の場合、「教室(あるいは図書館)にある本の中での選択」が、中心になることが多いです。

 しかし、ブック・プロジェクトを導入すると、教室の中の本の範囲では、いまひとつ興味のある読み物に出合えていなかった学習者がよく見えてきます。

 実際のところ、今回のブック・プロジェクトの結果から、一人の学習者については、教室の中のものを読むかわりに、しばらく、今回のプロジェクト関連のトピックをインターネットなどから、読み続けるように提案してみよう、そのほうがこの学習者にとってはプラスではないかと思い始めています。

  「読み方」に焦点をあてたブック・プロジェクト

 もう一つのクラスでは、「読み方」に焦点をあてて、「読むことについての課題」からブック・プロジェクトを考えてもらいました。

まずは、「ここ6週間の振り返りと、現在、読むことについて持っている課題」を考えた上で、「その課題を克服することに役立ちそうなことを1週間でやってみる」というブック・プロジェクトにしました。

そして、「自分の読むことについての課題克服に役立ちそうなブック・プロジェクト」を考えている段階で、全員にカンファランスをしました。

「その課題克服に適した方法か?」と「実現可能か?」に絞ってのカンファランスです。特に問題がなさそうな学習者については、ほとんど時間をかけずに、「いいね、それでやってみて」で、30秒ぐらいです。

  
 でも具体的にどうやっていいのか分からないとか、その方法が適切だと思えない学習者には、少し時間をかけてカンファランスをしました。また、こちらからも「こうやってみたらどうだろう?」という提案もしました。

 「読み方(や読みの課題)」に関わるブック・プロジェクトは、通常はブック・プロジェクトの選択肢の一つにすぎません。でも、今回、その一つの選択枝に焦点を絞って行い、カンファランスをセットにすることで、何らかの形で、定期的に読み方を振り返ることの大切さも見えてきた感じです。
 
  なお、ブック・プロジェクトについては、『リーディング・ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著、新評論、2010年)の12章(リーディング・プロジェクト)208215ページをご参照ください。
 
 またこのRWWW便りも、いくつかのページに「ブック(リーディング)・プロジェクト」というラベルをつけてみましたので、よろしければご覧ください。

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