2012年5月18日金曜日

付箋の使い方のミニレッスン


前年度、4年生の教室で、同じ本を選んだ数人ずつのグループを作ってブッククラブを進めていた時のことです。ブッククラブは、グループで決まった範囲を話し合うこと、それを事前に予読する部分で構成されています。
子どもたちがブッククラブで友だちと話し合ってみたいなと思ったところを読み直して、テキストに基づいて話し合いが深まるようにするというメインのねらいから、ミニレッスンで付箋の使い方について深めました。1回目のミニレッスンでは本を読んでいる時に出てくる疑問や自分の考えを付箋に書いてみようという内容でした。今回はStill Learning to Read(まだ読むのを学んでいる)という本に載っている付箋の使い方を元に、様々な付箋の使い方をミニレッスンで扱いました。以下の流れで授業をしてみました。40分の授業として時間配分をしています。前年度の小学校は一コマの時間が40分でした。


     ミニレッスン  5分
様々な付箋の使い方を教えました。
Still Learning to Read(115ページ)にはどのように優れた読み手が付箋を使うのかということで以下のようにあります。

・疑問解決の手がかり/糸口に印をする。
・新しい登場人物に印をつける。
・最も重要な登場人物の記述や態度、考え方・判断に印をつける。
・おもしろいところを付箋にメモする。
・設定(時・場所・登場人物)が大きく変わるページに印をつける。
・目標設定
・お話したいところに印をつける。
・自分の思考の証拠に印.をつける。
・重要だと考えたところに印をつける。
・よく分からなかったテキストのあるところに印をつける。

 これらをKP(紙芝居プレゼンテーション)法を使いモデルを示しながら、付箋には様々な使い方があることを子どもたちに提示しました。KP法はB4などの紙をパワーポイントのスライドのように使い、黒板やホワイトボードにそのスライドとなる紙を貼りながら説明するという方法です。
 
目標設定に関してはブッククラブで4回に分けて読んでいるので、それぞれの目標のページに付箋を貼らせています。クラスの子たちには「ブッククラブで読んでくる目標のページに付箋を貼っているでしょ。これが目標設定に使う方法で、もうすでにみんな実践していることだね」と話しました。

また今回の付箋の使い方に関連する方法として、自分の本を読んでいる時には、ページの角を折って印つけ、後で読み直すことがよくあることを、実際に自分がその時に読んでいた本を見せて伝えました。

最後に付箋を貼ったページをとなりの人と紹介し合うという共有の方法を説明しました。

     インディペンデントリーディング(ひたすら読む時間) 30分

子どもたちは、以上の方法を使って実際に本を読み付箋を貼ります。

③共有の時間  5分
付箋を貼ったページをとなりの人と紹介し合ってペアトーク。付箋を貼った理由も話すように促がしました。


【振り返り】

この後、付箋で印をつけたところを読み直す姿がしばしば見られるようになりました。ブッククラブの話し合いの時だけではなく、ブッククラブの読書ノートを書く時にも付箋で印をつけておいたページを読み直すことがとても役に立ちます。

前年度は付箋の使い方のミニレッスンは2回しかできませんでしたが、短いミステリーなどを扱い付箋を貼って読むところを実際にモデルで示すなど、3回、4回とミニレッスンを続け、付箋を使って読むスキルを深めていくことができると思いました。また練習を続けてないと付箋を使った読み方が身につかないので、一気に様々な方法を教えるのではなくて、もう少し分けて教えてもいいのではないかとも思いました。


出典:

Franki Sibberson Karen Szymusiak, Still Learning To Read, Stenhouse Publishers 2003

2 件のコメント:

  1. 今日、授業をしながら、次週は「分からないところに付箋を貼る」ことを教えなくては、と思いました。けっこう、分からないまま、読み進めていると思える学習者がいたからです。
     タイミングよく、てるさんから付箋の使い方のミニ・レッスンが出ているので、助かります。
     上の【振り返り】もなるほど、と思いつつ、てるさんのように、モデルを示しながら、学習者の現在の状況にあった付箋の使い方をいくつか提示してみようと思っています。

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  2. あたたかいコメントありがとうございます!
    今年度は小出しに教えていこうと思います。
    ブッククラブをはじめたので目標設定の付箋の使い方を教えました。
    教えていないですが、
    しおりの代わりに付箋を使っている子がいて、自分もたまにするなあと思いました。

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