今年度も1ヶ月が過ぎ、WW&RWの実践は順調に進んでいますか?
その核となるのは、なんといってもカンファランス。
以下、2010年8月29日に実施したWW研修会で甲斐崎博史さんが担当したカンファランスのワークショップから、その「極意」を紹介します。
まず、カンファランスは「子ども自身の感想を聞いたり、寄り添ってその作品についておしゃべりする」ことと捉えることです。
そのために、
1.いい読み手になる
2.寄り添う
3.共に考える
の3つを押さえます。カンファランスの技術はもちろん大事ですが、その前段としてこれら3つのスタンスを押さえるだけでカンファランスの効果はかなり上がります。
これらによって、以下のような環境や関係が築けます。
・ 子どもたちは安心でき、
・ クリエイティブな環境ができ、
・ 子どもたちは相談できる/悩みを聞いてくれる相手だと思ってくれる。
カンファランスの具体的な進め方★としては、上記のスタンスを押さえながら
1)いいところは具体的にほめる (よく読めば必ず一つや二つはあるはず!)
2)わからないところ/もっと知りたいことは質問する。
3 ) 改善する必要があるところは、(1)質問するか、(2)選択肢を提供するか、(3)提案する(否定したり、命令することは避ける)
カンファランスをする際の視点としては、
・カンファランスの前にしたミニ・レッスン
・指導要領、評価規準
・その子の抱える課題
・どんな書き手を目指すのか
・勇気づけ、意欲づけ、動機づけ
・作家のサイクル、表記、構成、題材、文章表現
などです。
なお、個別のカンファランスでは、必ず(無理に)改善点を質問の形で提示する必要はないことや、さらに上記の1)や2)もなしに「見守る、観察する、待つ」という接し方も「あり」であることも紹介されました。「見守る、待つ」は、教師にとっても生徒にとっても極めて能動的な接し方と捉えることができるからです。
以上は、WWのカンファランスについて書いてきましたが、RWの場合も、スタンス、作り出す環境や関係、進め方、視点など、ほとんど変わりません。詳しくは、『リーディング・ワークショップ』の第6章をご覧ください。
★ ここでは「大切な友だち」のアプローチ(『作家の時間』の69~73ページ)も、そのまま使えます。小学校中学年以上なら「大切な友だち」を練習して身につけることで、教師によるカンファランスと引けを取らないぐらいに効果的なピア・カンファランスができてしまいます。
「極意」の最後は、生徒たちを「カンファランスの対象」としてだけでなく、「カンファランスし合える人」と捉える方が、生徒にとっても、教師にとっても、そして社会にとってもプラスということです。
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