欧米で作文を教える教師たちの中には、argument writing (argumentative essay, persuasive writing←これらは、日本語で何と言いますか?)にこだわりをもつ教師が少なくありません。それを、書くことを教える中心に据え、エビデンス(根拠)に基づく思考やクリティカルな思考(「批判的思考」ではありません。「大切なものを選び取り、大切でないものは排除する考え方」です)を磨くと考えているからです。
しかし一方で、書くことが嫌いな子どもたちが多いという悩みも抱えています。そうした子どもたちも、アートや描くことは好きな子は少なくないということで、VTSやネイチャー・ジャーナリングの手法を活用しています。
●VTSの3つの問い:
1.この絵の中で、どんなことがおこっていますか? (What’s going on in this picture?) 2.あなたは、何を見てそう言っているのですか? (What do you see that makes
you say that?)
3.もっと発見はありますか? (What more can we find?)
「VTS」で検索すると、Visual Thinking Strategyに関するたくさんの情報が得られます。https://art-discussion.com/blog-vts-mainstory/ アート思考にしても、次の紹介する探究思考にしても、それぞれ3つの問いがすべてではありませんから、ぜひ関連する本を読まれることをおすすめします。他にもいろいろな発見が得られるはずです。
●『ネイチャー・ジャーナリング』で紹介されている探究思考の3つ+1つの問い:
・気づいたことは、
・不思議だなと(疑問に)思うことは、
・連想したことは、
・感じたことは、
VTSは、順番にファシリテーターが進めますが、ネイチャー・ジャーナリングは順番は関係ありません。また個別に取り組みます。『見て・考えて・描く自然探究ノート~ネイチャー・ジャーナリング』を参照。4番目の「感じたことは」は、https://www.paperbarkwriter.com/new-online-lesson-nature-journaling-prompts/のネイチャー・ジャーナリングの実践者が付け加えたものです。あなたが付け加えたいものはありますか? ありましたら、pro.workshop@gmail.comに、ぜひ教えてください。
これらの問いは、いずれもとてもパワフルです!
そこから、いろいろなことが起こり得るきっかけになります。
あなたは、どの問いを使いたいですか?
他に問いを考えられますか?
VTSを書く指導との関連で使う際は、対象となる子どもたちが興味をもてる写真(や絵)を見つけだすのがポイントです。
その写真(や絵)で起こっていることを思いつく限り書き出してもらいます。なぜ生徒がそう思うのかの根拠(証拠)も書いてもらい、最終的にそこで起こっていることの要約を書いてもらいます。その後で、互いが書いたことを紹介し合います。最後に、互いが紹介し合ったことを踏まえて、自分の考えを変えた場合は修正して書き直す(あるいは、補強された場合はそれを付け足す)時間を設けます。これを実践している教師は、生徒たちはVTSをまたやりたいと必ず求めると言っています。なぜだと思われますか? (参考: https://www.edutopia.org/article/using-visual-thinking-strategies-classroom)
一方で、ネイチャー・ジャーナリングの場合、VTSのように同じ写真(や絵)に対しての感想等を全員が出し合うのではなく、子どもたちは異なる対象物に対して4つの問いを書き出したり、描いたりします。そうした異なるものに対して書いた/描いたものの、いい共有/紹介の仕方を実践された方は、ぜひpro.workshop@gmail.com宛に報告してください。
これらは、美術と国語の合科で実践することはもちろん、理科や社会やその他の教科でも考えられます! ぜひこれらの効果的な方法を、柔軟に教科で活用してください。
なお、タイトルに(読むことにも?)とありますが、これら2つの手法を読むことを教える際にも使えると思いますか? 具体的に、どんな形で??
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