リーディング・ワークショップは、このことを突き詰めた時間の使い方をしています。
通常の教科書をカバーする授業との比較として読み取れてしまうので、以下の表は衝撃的です!
これはまた、「学校の中だけでしていること」と「学校以外でしていること」の比較の表ともいえます!
生徒を自立的な読み手にするためには、「意味のある読みの学習活動」ではないものはやらない、意味のある活動に集中する選択をする必要があります。
「意味のある学習経験」は、研究の結果によっても裏づけられています。
1 安心安全で、チャレンジできる環境
研究 - 正解に凝縮してしまうような環境では、生徒たちは萎縮してしまうが、安心安全で、チャレンジできる環境では、生徒のやる気、取り組み、自立、そして実際の結果(読み書きの習得)が向上する。
実践 - パートナー読み、相互コーチング/フィードバック(これに特化した本『ピア・フィードバック』が、今秋出ます!)、ブッククラブ、教師による「考え聞かせ」のモデルと生徒たちの頻繁な考え聞かせ
2 選択
研究 - 選択は、生徒のやる気と取り組みのレベルを高める。(これに特化した本が、『教育のプロがすすめる選択する学び』です。)
実践 - 生徒は常にたくさんの本の中から選んで読み続ける。読んだ本についての反応の仕方も多様な選択肢がある(レター・エッセイ、ブックトーク、紹介文、ブッククラブなど)
3 ひたすら読む時間の確保 と その間のサポート
研究 - サポートのあるなしがカギ(それがない朝の読書の時間の実践は、読む力の向上にはつながらないことを意味する!)。
実践 - 選書(自分にピッタリの本を選ぶ)能力こそが、読む最大の原動力。生徒がひたすら読んでいる間に、教師はカンファランスやガイド読みを通じて「効果的に読める=理解するための方法」をまだ身につけていない生徒たちをサポートし続ける。
4 話すこととやり取り
研究 - 話し合いは、理解と取り組みのレベルを向上し、高度なレベルの思考力と知識の意思疎通を助ける。
実践 - パートナー読みやブッククラブでは、二人やグループにしてあとは子どもたちにお任せではなく、生産的なやり取り/話し合いができるようにサポートし続けます。(この点については、『学習会話を育む』が秋に出ます!)
5 形成的評価とガイド読み
研究 - 形成的評価こそが「指導と評価の一体化」を実現する評価。総括的評価=テストは、教師の教え方の改善には寄与しないので「時すでに遅し」。
実践 - カンファランスにつきます(おそらく、これより優れた形成的評価の方法はないと思います!)。いい点とまだ欠けている点を押え、いい点はさらに伸ばし、欠けている点は補うサポートをしていく。チェックリストも効果的(これは、教師の観察する視点としても、生徒の自己評価+自己修正・改善にも)。他にも、生徒が書く様々なもの(作品に限定せず)もポートフォリオの中に貯められています。ポートフォリオは、形成的評価の媒体としてだけでなく、総括的評価の媒体としても優れています(はるかに、テストをしのぐものです!)。ポートフォリオは、生徒一人ひとりの宝物になりますが、テストは残念ながらなりません! それが大きな違いです。そういう宝物としてのポートフォリオをつくり出せない授業は、低レベルの授業が約束されると言っても過言ではないでしょう。ポートフォリオについては、『「考える力」はこうしてつける』の第8章および『歴史をする - 生徒をいかす教え方・学び方とその評価』の各章の最後の評価のセクション(特に、第3章)を参照ください。なんと、「生徒主導の三者面談」にまで発展します!
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以上、読むこととして書いてきたことは、すべて書くことに当てはまりますし(本ブログの第1号http://wwletter.blogspot.com/2010/05/ww.html)、他の教科にも当てはまります。
参考:
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