2020年10月9日金曜日

学びの中核にある好奇心をふまえた教え方・学び方

 アメリカには「子どもたちは?マークで学校に入り、ピリオド(終止符ないし句点)で出る」という言い回しがあるぐらい、学校は好奇心を葬り去る場として知られています。

日本の学校の授業では、好奇心を大切にしているでしょうか?

あなたは、子どもたちがどのような状態で学校を卒業していってほしいですか?

 そのために、自分がやれることにはどんなものがあると思いますか?

 

 今日発売の『「おさるのジョージ」を教室で実現――好奇心を呼び起こせ!』は、まさにその好奇心をテーマに書かれた本です。そして、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップ(WWとRW)が、いかにその好奇心を活かしながらの教え方・学び方になっているかの裏付けになる本です。それは、以下の目次を見ていただくだけで、明らかだと思います。

 

1章 探究と試行を促進する

第2章 学習を自立的で苦にならないものにする

第3章 内発的動機づけを取り入れる

第4章 想像力・創造力を強化する

第5章 質問することを支援する

第6章 時間をつくる

第7章 好奇心の環境をつくる

 

 もちろん、これらの要素はWWとRWを実践する時だけでなく、すべての教科領域、すべての教える/学ぶ行為をする時に大切なものです! (逆に言うと、これらが押さえられていないと、よく学べないことを保証してしまうことになります!) 各要素について詳しく書かれていますので、ぜひご一読を(具体的に試せる方法が33も紹介されています)! 以下には、WWとRWに関連するところを二つだけ紹介します。

 

 よく考え、よく書く子どもにするためには、周りの世界で起きている現実に強い関心をもってもらうことが必要です。一番よいのは、生徒が自分の興味のあることについて書くことです。しかし、ほとんどの場合、教師はその逆のことを行い、制限的な文章の枠組みを割り当て、子どもの声の自然な美しさ、個性、活力を殺してしまっているのです・・・自由に書くことによって、書く際に気をつける要点や、ひいては学校に対する考え方も変化することでしょう。(『「おさるのジョージ」を教室で実現』の134ページ)

 

 学習障害のある思春期の生徒たちと一緒に活動しているパティ・キーンは、きっとできないだろうと判断せず、創造性を奨励するために、「自分を書き手とは思えない人たちの創作グループ」という活動をはじめました。

 キーンと三人の生徒は、自由時間の間、顔を突き合わせ、七分間瞑想し、七分間書き、その書いたものを読み(オプションとして、読まないという選択もできますが、そのオプションが使用されたことはありません)、気づいたことや感動したことに反応するといった活動を行いました。

その後、生徒たちと教師はそれぞれ一つずつ質問をしました。グループの全員(キーンを含む)が「書くことに障害を抱えている」と言われており、それが信じられていました。しかし、このように毎週、リラックスした空間で「ただ書いて」、その場に居合わせるという環境によって、深遠な詩や物語、エッセイ、そして韻を踏むといったことを彼らに促したのです。グループのメンバーはミーティングを続けることを選択し、「夏休みの間はSkypeを使ってミーティングができるか」と尋ねていました。(同、172ページ)

 

 そして、「おわりに」には次のようなことも書かれています。

 

 銀行型教育モデルの教師は、子どもたちがノートに写すことを板書するだけの存在・・・しかし・・・講義中は座って教科書を読んでいるだけであったり、テスト前に試験範囲の内容を記憶したりするような受動的な勉強をしても効果はありません。

 一方、好奇心に満ちた教室では、教師は(教科書から)学習者に焦点を移し、自由な探索的会話を促し、「多様な考え方の出会い」を促します。後者のアプローチでは教師はコーチのような存在となり、生徒に集中力を与えることになりますが、個別に具体的な考え方は教えません。(同、314ページ)

 

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